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マイティ・ソー

先月末に実写版『るろうに剣心』の主演と監督が正式に発表されましたね。
噂どおり緋村剣心役は佐藤健だそうで、なかなかベターなキャスティングだと思います。
まぁ『るろうに剣心』を実写化されること自体がワースな企画ですけど。
実写版『荒川アンダーザブリッジ』の村長とホシ役が小栗旬な山田孝之こととか、
漫画の実写化に際しては原作ファンの間で毎度キャスティングで物議を醸します。
もし少年漫画の主人公がジャニーズなんかになったらすごいバッシングが起きますよね。

日本人ではそれだけ漫画という媒体にコダワリがあるのか、
漫画が実写化されることに嫌悪感を示す人が多いけど、
一方アメリカのアメコミファンはアメコミの実写映画化を歓迎しますよね。
キャストが発表されるたびにアメコミファンの間で話題になりますが、
誰に決まろうともあまり否定的な意見は目立たない気がします。
アメコミヒーロー自体がかっこよく再現されていれば役者はあまり問われなかったようで、
『アメイジング・スパイダーマン』のようなリローンチも問題ありませんし、
シリーズ途中でキャストの交代があっても、意外とあっさり受け入れるようで、
その辺はやっぱりヒーローのキャラクターが中心なんだなと思います。

でもボクなんかそこまでドライには考えられず、キャストの交代があると残念に思います。
一連のアベンジャーズ・シリーズに絞っても、
『インクレディブル・ハルク』のハルク役エドワード・ノートンが降板し、
『アベンジャーズ』からマーク・ラファロに交代するのもショックだし、
『アイアンマン』のウォ-マシン役のテレンス・ハワードが降板し、
『アイアンマン2』からドン・チードルが引き継ぐことになったのも微妙な気持ちでした。
あ、別に後者が嫌いなわけではなく、交代するということが嫌なんです。
だから始めのキャスティング時点から、あまり人気俳優を使われると、
(ギャラ問題や出演作の優先順で)いつ降板するかとヒヤヒヤさせられます。
『アイアンマン2』のブラックウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンとか、
彼女のスピンオフも企画されてるんですが、あっさり辞めちゃわないかと不安です。

ということで、今日はアベンジャーズ・シリーズ最新作の感想です。
本作もオーディン役のアンソニー・ホプキンスとか、
ヒロインのナタリー・ポートマン とか、人気俳優たちがメインどころで参加してますが、
彼らは本作の内容ではなく、本作の監督を慕って登板しているだけなので、
監督が交代する2013年公開予定の続編でもちゃんと続投してくれるのか心配です。
あ、ホーガン役の浅野忠信は、別の意味で続投させてもらえるか心配です。

マイティ・ソー

2011年7月2日日本公開。
アメコミの人気ヒーロー『ソー』を待望の実写化。

神の世界では最強の戦士といわれていたものの、横暴でごう慢な性格が災いとなり、地球へ追放されてしまったソー(クリス・ヘムズワース)。神の世界での力を失ってしまったソーに凶悪な敵たちが次々と襲い掛かり、ソーは地球でも戦いの日々を送ることに……。(シネマトゥデイより)



多くの日本人にとって、アメコミ映画はどれも同じと思われているようで、
「またアメコミ原作か。もう飽きたよ。」みたいな話をよく聞きます。
たしかにアメコミヒーローはひとつのストックキャラクターとして扱われますが、
実際にはとても多彩で、ステレオタイプなんて存在しないんじゃないかと思えるほど、
個々の作品に個性があると思うんですよね。
最近、戦隊ものや仮面ライダーの歴代ヒーローが総登場する映画が人気ですが、
入り乱れると全く見分けがつかなくなる日本のヒーローなんかよりは、
よっぽどバリエーション豊かです。
そんな多彩なアメコミヒーローの中でも、特に異彩を放つのがソーであり、
本作はアメコミ映画の多様性をわかりやすく示す作品でもあると思います。

ソーはマーベル・コミック初期から約50年間ずっと人気のあるキャラでしたが、
実写映画化されたのは今回が初めてになります。
それは単純に、異色すぎて実写化に向かないキャラだったからってことでしょう。
しかし『インクレディブル・ハルク』に『アイアンマン』の主人公
トニー・スタークがカメオ出演するという、半ばお遊びのクロスオーバーが反響を呼び、
ヒーロー大集合映画『アベンジャーズ』の構想が現実化したことで、
アベンジャーズに欠かせないヒーローとして、ソーとキャプテン・アメリカも、
単独で映画化される運びになりました。
言ってしまえば人気者アイアンマンのバーターであり、
最終目標『アベンジャーズ』への踏み台のような企画だったと思います。
そんな印象だったので、ボクも当初は大して期待していませんでした。

しかし、マーベルは予想外に本気でした。
蓋を開けてみれば『アイアンマン』に勝るとも劣らない名作じゃないですか。
本作が名作になった要因と、マーベルが本気だったことの表れが、
シェイクスピア俳優のケネス・ブラナーを本作の監督に抜擢したことでしょう。
本来ならアメコミ・ヒーロー映画を撮るような人ではないです。
彼が監督したことで本作は「シェイクスピア的である」と評されていますが、それは逆で、
マーベルが本作をシェイクスピア的にするために彼を監督に選んだのでしょう。
あえてアメコミ映画の枠を破ろうという意気込みが感じられる人選です。

ソーは北欧神話の雷神トールをアメコミ化したヒーローです。
本作は神話をモチーフに、シェイクスピアのロマンス劇仕立てに描いています。
SFである『アベンジャーズ』や『アイアンマン』の関連作として作るなら、
こんなファンタジー色の強い描き方にはしなかったはずです。
あえてこんな他とは相容れない作風にする必要はなく、
ソーにはドナルド・ブレイクという人間としての姿もあり、
従来の自警団的なヒーローとして描くことも出来たはずです。
(本作ではドナルド・ブレイクはヒロインの元彼として名前だけ登場します。)
それはマーベルが本作を大ヒット作『アイアンマン』とは違う路線にしようとした結果で、
単なるバーターに甘んじない、単独の作品として勝負するという気合の表れでしょう。

しかしながら一連のシリーズと考えると、この異色さには懸念もあります。
リアリティが求められる実写映画で、神様であるソーが、
化学が生んだ超人であるアイアンマンやハルクたちと調和できるか…、
今後のクロスオーバーを念頭に、もっとSFよりで作るのが無難だったのでは…と。
でもそんなのはきっと杞憂で、マーベルのことだからうまくやってのけるかな。
それに本作は一番『アベンジャーズ』からかけ離れているようで、
実は最も『アベンジャーズ』に繋がる内容かもしれません。
シリーズ共通の登場人物、SHIELDのコールソン捜査官(クラーク・グレッグ)や、
ニック・フューリー長官(サミュエル・L・ジャクソン)ももちろん登場しますし、
本作初登場の弓矢使いのバートン捜査官(ジェレミー・レナー)は、
アベンジャーズのメンバーで、スピンオフも予定されているヒーロー、ホークアイです。
登場こそしませんが、劇中の会話の中でハルクやアイアンマンの存在も触れられます。
そして、本作の重要人物であるロキ(トム・ヒデルストン)は、
『アベンジャーズ』でも最重要ヴィランのひとりとなるはずです。
そのことからも、エンドロール後の特別映像は、本作の続編につながるのではなく、
『アベンジャーズ』への伏線と見るべきでしょう。
最後にニック・フューリー長官の持っていた箱は、氷の巨人族の箱と思ったけど、
おそらくレッドスカルのコズミック・キューブでしょうね。
つまりシリーズ続編『キャプテン・アメリカ』の伏線でもあるんでしょう。

…うーん、どうも気持ちが今後のシリーズ展開に先走ってしまって、
長々とアウトライン的なことばかり書いてますね…。
これ以降はちゃんと単独の映画としての本作の感想を書きます。

本作はアメコミヒーロー映画というよりも、北欧神話を扱ったファンタジーで、
北欧神話の主神たるオーディン(アンソニー・ホプキンス)の一族を、
ロイヤルファミリーとしてシャイクスピア的家族の愛憎劇に仕立ててあります。
なのでソー(クリス・ヘムズワース)の弟である邪神ロキも、
単なる悪いヴィランではなく、家族愛に飢え苦悩する若者として描かれており、
ある意味では主人公より波乱に満ちた魅力的な敵役です。
対するソーは能天気で我儘な性格のトラブルメイカーであり、
どっちが悪者だよって感じで、序盤はロキに肩入れしたくなることもしばしば。
その後ソーはロキにハメられ力を失い地球に堕とされたことで、
愛を知り自分の傲慢さに気が付き改心します。
そこからのソーは魅力的でかなりかっこいいです。

外見的にも原作のバイキングみたいでダサいコスチュームが、
こんなにかっこよく見えるようになるとは思いもしませんでした。
ソーが力を取り戻して、元のコスチュームを装着するシーンなんて大興奮です。
日米問わずヒーローの変身シーンは作品の華ですね。
さすがに羽根付き兜は時代錯誤だと考えたのか、
ワンシーンでしか被ってませんでしたが…。
ロキの特徴的な2本ツノの兜はけっこう被ってましたが、
ロキの場合はあれがないとロキらしくないですね。

かなりいい作品なのは間違いないのですが、少し残念なのはキャラが多すぎること。
ヴィランもロキをはじめ、氷の巨人ラウフェイにその手下やペットの大トカゲ、
オーディンの創造した鉄の兵隊デストロイヤーとウヨウヨいます。
また味方は幼馴染の女戦士レディ・シフ(ジェイミー・アレクサンダー)に、
フィンドラル(ジョシュア・ダラス)、ヴォルスタッグ(レイ・スティーブンソン)、
ホーガン(浅野忠信)の個性豊かな3人組ウォーリアーズ・スリーに、
虹の橋ビブレストの番人ヘイムダル(イドリス・エルバ)と盛り沢山です。
すでに多すぎて個々の魅力が活かしきれてませんが、
以上は全て神の国アズガルドと巨人の国ヨトゥンヘイムだけのキャラで、
これに加えて、重要な地球(ミッドガルド)のキャラもいるんだから大変です。

異世界でのパートと地球でのパートが約半々といったところですが、
異世界を往来できる神はまだしも、地球人は地球パートでしか登場できず、
メインヒロインであるジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)でさえ
それほど出番はないという状態…。
最新オスカー女優をキャスティングできたのに勿体ない限りです。
まぁ『マイティ・ソー』としては一作目だし、世界観説明に時間を取れるのは避けられず、
魅力的なキャラたち(特に地球人)の活躍は二作目に期待しましょう。

もっとちゃんと本作の魅力を伝えたいのに、長くなるばかりで上手く書けないなぁ…。
とにかくアメコミ映画の枠に収まりきらない本作は、誰でも楽しめる娯楽映画だし、
アメコミ映画ファンならさらに楽しめる作品であるのは間違いありません。
最後に本作を楽しむ上での注意点をひとつ。
本作はアベンジャーズ・シリーズとしては初めてのデジタル3Dでの上映でしたが、
序盤のヨトゥンヘイムでのシーンはただでさえ暗いので、
さらに暗くなる3Dメガネを掛けると、よくわからなくなるかもしれません。
できれば2D版で観た方が、クリアかつ安価で楽しめるのでオススメです。
字幕版だとハリウッドデビューを飾った浅野忠信の英語力も確認できます。

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