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阪急電車 片道15分の奇跡

去年の9月に鹿児島まで行ったのですが、
その時たまた通りかかった鹿児島ミッテ10で映画『半次郎』が先行上映されてました。
(『半次郎』は幕末の薩摩藩を描いた時代劇です。)
ボクの住んでいる関西では10月公開で、しかもかなり小規模だったこともあり、
この機を逃すと二度と観れないかも…と思って、せっかくだから観ようと思ったのですが、
電車の時間が迫っていて、映画を観たらお昼に黒豚食べる時間が無くなるという状態で、
泣く泣く黒豚を取ることに…。
結局関西に帰っても、観る機会はなく、今もまだ観れていません。
後に全国公開された『半次郎』は全くヒットしませんでしたが、あとで聞いた話では、
ご当地鹿児島ミッテ10では大作映画を凌ぐ記録的な動員だったそうで、
やはり先行上映はプレミア感というか、人を惹きつける魅力があるんだと思いました。

ならば全ての邦画を、なんでもかんでも全国一斉公開なんてしないで、
まずは物語の舞台になったところで先行上映すればいいと思うのですが、
不思議なことに地方で先行公開された作品は全国的にはヒットしないというジンクスが…。
これはたぶん、日本で一番多いであろう東京の映画ファンが、
蔑んでいる地方に先を越されたことでヘソを曲げるからだと思います。
そもそも東京では先行上映なんてものはなく、
東京で上映される日が、その作品の上映開始日扱いになるんですよね。
たとえば『半次郎』なら"9月16日公開開始、全国順次公開"とすればいのに、
実際は"10月9日公開開始、9月16日九州先行上映"となるわけです。
そうしないと東京の映画ファンがさらにヘソを曲げるからでしょうね。
福岡で先行上映されている『魔法少女を忘れない』が今日から東京で上映が始まりますが、
まだ福岡と東京でしか上映されてないのに、今日が正式な上映開始日なるんですよね。
面白そうなので観たいのですが、まだ関西では公開日すら決まってません。

ということで、今日は関西先行上映されたご当地映画の感想です。
全国的には今週末は『GANTZ:PERFECT ANSWER』がヒットするでしょうが、
関西(特に兵庫)では本作の方が動員数多いと思います。
でも興行収入ランキングも先行上映扱いだと計上されなかった気がします。

阪急電車 片道15分の奇跡

2011年4月29日公開。
有川浩の同名小説を映画化したヒューマン・コメディ。

阪急今津線の車両内。白いドレスを着て結婚式の引き出物を抱えた女性(中谷美紀)に、見知らぬ老女が声を掛ける。一方、暴れる彼氏を前に動揺する若い女性(戸田恵梨香)。降りる彼を追う彼女にもまた、老女が声を掛けるのだった。(シネマトゥデイより)



ボクは地元愛が人一倍強いので、ご当地映画は大好きですが、
本作に対する期待はかなり高かったです。
なぜなら本作の舞台になる阪急今津線の沿線にボクの実家があるということもあり、
通学では阪急電車を利用してたし、近所がロケ地だったりということもあるんですが、
地元から3000人のエキストラを募ったらしく、ボクの知り合いもチラホラ出ています。
ボクの仕事場にもエキストラ募集要項が回ってきたし、ボクも応募したかったのですが…。
さらにエキストラだけではなく、キャスト陣も極力地元出身者を集めたようで、
本職の俳優さんの中にも知り合いの知り合いが出ていたりと、
ホントに地元密着で制作された作品なんですよ。
ボクの地元愛がこれほどくすぐられた映画は『涼宮ハルヒの消失』以来ですが、
明確に地名が公表されている分、本作の方が嬉しかったかな?

なので地元が舞台というだけでも贔屓目に評価してしまいますが、
それを差し引いたとしても、たぶん面白い作品だったんじゃないかと思います。
舞台となる阪急今津線は宝塚駅と西宮北口駅を結ぶ片道15分の短い路線で、
停車駅は8駅しかありません。
その8駅間で邂逅する8人の主人公が織りなす群像劇ですが、
車内や駅構内だけで話を進展させ、主人公たちの背景は回想で描くという構成で、
興味深い手法だと思ったし、電車での群集劇ってのも珍しいですよね。
群集劇ってのは、舞台が狭いので比較的小規模な作品に多い手法ですが、
実際に走っている電車を使うとなるとそうもいきません。
特に阪急今津線は中核市の西宮と特例市の宝塚を結ぶ路線で、
田舎のローカル線とはわけが違い、かなりタイトなダイヤで走っています。
その中で貸切電車を走らせ撮影するわけだから、その労力は計り知れないです。
実際はかなり大きな範囲なのに、形は狭い群集劇になっているというのが興味深いです。
阪急今津線は全国的にはローカルすぎるので、山手線とか大阪環状線で
似たような構成の作品やっても面白そうですが、物理的に無理でしょうね。

ボクはどうしてもロケ地とかコダワリの出演者なんかに目が行ってしまい、
物語の内容は二の次になってしまい、実はあまり印象には残ってないのですが、
主人公たちもほとんど女性だし、基本的には女性向けの作品ですよね。
なので唯一の男主人公である関学生・圭一(勝地涼)のエピソードが一番好きかな?
同じ関学生の美帆(谷村美月)とのラブコメでしたが、
大学生とは思えないプラトニックな恋愛でとてもハートウォーミングな話。
全体の中でも特にコメディタッチで笑える話でしたが、
そのふたりのお似合い感が堪らなく羨ましくって、なんか切ない気持ちになりました。
ただこのふたりの話は他の話からは独立しすぎている気がして、
群像劇としてはもうちょと他のエピソードとの絡みがほしかった気もします。

他の主人公の中では老夫人・時江(宮本信子)とその孫・亜美(芦田愛菜)が好きです。
主人公というよりは狂言回し的な役割ですね。
とてもいいキャラというのもありますが、このふたりの役者さんがホントに達者で、
このふたりが登場すると、すごく心地いい安定感を覚えます。
本作の出来栄えはこのふたりの好演によるところが大きいと思えるほどです。
このままだと宮本信子さんが日本の映画賞の助演女優賞総なめにするんじゃないかな?
また芦田愛菜ちゃんは天才子役すぎて、あんな子役はホントに得がたい存在なので、
これ以上成長しないでほしいと思うくらいです。

本作は主人公がいっぱいいる群集劇ですが、一応メインはOL・翔子(中谷美紀)です。
メインキャストが地元出身者が多い中、ボクとしては一番腑に落ちない配役で、
ウソかホントか、中谷美紀は『電車男』でヒロインを演じたことで、
電車つながりで抜擢されたとか…。
西宮在住の設定なのに、ひとりだけ標準語を喋っていたのはやっぱり変かな。
ただ彼女の後輩OL役で関東出身の安めぐみの関西弁はやっぱり変だったので、
関西弁を強いらないことはよかったのかもしれないですね。
もともと西宮は神戸弁なので、いわゆる関西弁よりは上品で標準語に近いし…。
上品といえば、電車の中で大声で騒ぐ関西人丸出しのオバサン軍団が登場するのですが、
阪急沿線はハイソな住宅街が多いので、あんなタイプのオバサンはあまりいません。
並行して走っている阪神沿線にはけっこういますが…。
阪急電車は外観も内観もレトロで上品ですが、客質もかなりよく、
JRや阪神とは車内の空気からして違います。

主人公の2番手がDV彼氏に悩む関学生・ミサ(戸田恵梨香)ですが、
戸田恵梨香は神戸出身なので阪急沿線出身で、中谷美紀より愛着を感じます。
関西弁も自然で、いつもより魅力2割増しです。
ビックリしたのは彼女の友達役で相武紗季も出演してたことです。
彼女は宝塚市出身、さらに彼女の兄役の鈴木亮平は西宮市でまさに阪急今津沿線出身者。
ふたりはほとんどカメオ出演みたいな扱いだったけど、
地元愛から出演してくれたと思うので、なんだか嬉しかったです。
相武紗季は母親がタカラジェンヌだったらしいですね。
本作は阪急今津沿線が舞台な割には意外と名所らしい名所は出てこなくて、
宝塚歌劇団で全国区な宝塚大劇場や、桜花賞で有名な阪神競馬場、
西日本最大級のショッピングモール・阪急西宮ガーデンズも出てきません。
地元を全国にアピールする機会なのでちょっと残念な気もしますが、
逆にありがちな観光PR映画にはなってないのでよかったかも。
でも回想シーンはなぜか今津線とは関係ない神戸が多く、そこは不可解でした。

阪急西宮ガーデンズの中には関西最大級のシネコン・TOHOシネマズ西宮OSがあり、
たしか阪急今津沿線では唯一の映画館だったはずです。
せっかくなのでボクもそこに観に行ったんですが、同じことを考える人が多かったようで、
けっこう雨が降ってる中、全回満員だったみたいです。
『GANTZ:PERFECT ANSWER』や『名探偵コナン』の人気もあって、
チケットカウンターは長蛇の列だし、エントランスも歩きにくいくらいの人だかりでした。

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