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少年マイロの火星冒険記

今日感想を書く作品で、今年劇場で観た映画50本目になります。
けっこう目の粗い篩(ふるい)にかけて、観る作品を選別していたつもりだったけど、
過去最高に映画を観た去年でも50本目に到達したのはGW頃だったから、
その記録をさらに更新しそうなペースで観ているようです。
…が、あまり多いとたかが映画といえども貧乏人には痛い出費です。
今後はさらに篩の目を粗くして、どんどんスルーつもりです。
もっとちゃんと事前に選別しないと、今回みたいにハズレを引いちゃうしね…。

ということで、今日はハズレ映画の感想です。

少年マイロの火星冒険記3D

2011年4月23日日本公開。
パフォーマンス・キャプチャで制作されたSF・3Dアニメーション。

母親とケンカばかりの9歳の少年マイロ。ところがある日、その母親が何者かにさらわれる事件が発生。マイロは母親を夢中で追い掛けるうちに、ロケットに飛び乗ってしまう。ロケットが到着したのは、高度な文明と技術の発展を遂げた火星。マイロは母親を救うため、火星の地に一歩を踏み出す。(シネマトゥデイより)



最近のディズニーアニメは10作近く連続で名作で、全くハズレがないと思っていたので、
そろそろハズレがあるんじゃないかと危惧していたのですが、案の定です。
成績も3Dのアニメはほぼ初登場一位が確定する全米で初登場5位と期待ハズレな結果でした。
ディズニーのアニメ部門は最高責任者である天才ジョン・ラセターによって統括され、
ピクサー作品やクラシックスは圧倒的なクオリティを保っているわけですが、
本作はディズニー作品といえども、他社制作の作品であり、
ラセターさんの目が届かないところで作られたのがまず失敗。
数々の作品制作を打ち切らせた作品に厳しいラセターさんだったら、
本作にGOサイン出すなんてことは絶対なかったはず。
本作はロバート・ゼメキス監督の制作会社IMDによるアニメ映画で、
ディズニーの連勝を止める駄作を作った責任は彼にあると思います。
(そのIMDは近々閉鎖されるらしいけど、いい気味です。)

本作は俳優の動きだけでなく表情まで再現するモーション・キャプチャの進化版、
パフォーマンス・キャプチャによる3Dアニメーションです。
ゼメキス監督やIMDは、この技術の先駆者であり、これまでに『ポーラー・エクスプレス』や
『クリスマス・キャロル』など名作アニメもパフォーマンス・キャプチャで作ってます。
そんなゼメキス監督にこんなことを言うのは釈迦に説法ですが、
本作はパフォーマンス・キャプチャの本来の使い方を間違っています。

パフォーマンス・キャプチャ(またはエモーション・キャプチャ)は、
『アバター』のナヴィや『ランゴ』のカメレオンのように、
人間以外のCGIキャラを俳優に演じさせるのに向いていて、
写実的な人間キャラをCGIにしてキャプチャするんであれば、
初めから人間が生身で演じれば済むということになります。
それに変にリアルなキャラになるために、不気味の谷に落ちることも避けられません。
しかしパフォーマンス・キャプチャで人間を演じることのメリットもあって、
それはどんな骨格の違う人間でも演じれるということです。
特に特殊メイクでは対応しきれない子供キャラを演じるときに便利です。
本作でもアラフォーのコメディ俳優セス・グリーンが9歳の少年マイロを演じています。
それなら本作はちゃんとパフォーマンス・キャプチャを活かした作品と思うでしょうが、
根本的にズレているのは、子供役は子役が演じれば済むということです。
それでも大人に演じさせるということならば、それなりの理由が必要です。

たとえば『ポーラーエクスプレス』や『クリスマスキャロル』は、
トム・ハンクスやジム・キャリーといった有名なハリウッド・スターが、
パフォーマンス・キャプチャを駆使して、小さい子供から老人まで演じました。
大スターが一人で何役も演じる、これは面白い趣向だと思います。
しかし本作は一人一役、しかもほぼ無名に近い俳優を起用しています。
これでは誰が演じても同じで、マイロは子役を使えばいいだけのことです。
大人の方が演技は上手いでしょうが、表情まで大人からキャプチャしてるので、
身体は子供なのに顔つきは妙に大人で、不気味の谷がさらに深まる違和感です。
それでもマイロはまだパフォーマンス・キャプチャならではのキャラと言えますが、
もうひとりの人間キャラであるグリブルは外見まで俳優をトレースしているので、
全く価値がありません。
その俳優ダン・フォグラーは、どちらかといえばボイスアクターがメインの俳優で、
まぁ有名とは言えないし、彼の外見がトレースされて喜ぶ人もまずいません。
もし無名な俳優をトレースした写実的なキャラにせず、
ピクサーのようにもっと普通のかわいいトゥーン的なキャラにしておけば、
全米初登場3位、興行収入も1.5倍くらいにはなったかもしれません。
とにかく今のままではチビッコが観たいと思えるはずないし、
GW前でアニメ激戦区状態の日本では全米以上の苦戦が強いられることは間違いないです。

そのパフォーマンス・キャプチャを含め映像的にはクオリティが高いので、
不気味の谷による生理的不快感を堪えることができれば、それなりの映画です。
物語もありふれたSFで、特に面白いわけではないけど、
いなくなって初めてわかる母親の大切さを説いた道徳的で教訓的な内容で、
こども向け映画としては十分及第点だと思います。
大人を意識してかジェンダーを絡めた社会風刺的な展開もあります。
まぁもしこれから観に行く人がいたら、考え直すように諭したいですけど…。
3D版しか上映されてないので、この内容で割増料金を払う価値は見いだせませんし、
今は面白いアニメ映画はいっぱいあるので、あえてこれをチョイスする必要はないです。

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