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SOMEWHERE

なんだか最近、映画誌『キネマ旬報』読むところ減ったなぁと思ったら、
決算特別号以降の刊はクロスレビューが無くなっちゃってたんですね。
別に映画のレビューなんてのはネット上に溢れかえっていますが、
ウチも含めて素人の映画ファンによる感想や、映画批評家モドキのレビューばかりで、
ちゃんとした批評家のレビューをまとめて読める機会が減ってしまったことは残念です。
キネ旬は5月下旬号から誌面のリニューアルをするそうですが、
その際にはクロスレビューが復活してくれることを願います。

キネ旬は日本で一番権威のある映画誌ですが、どうも記事が懐古的すぎて、
ボクみたいな比較的若い映画ファンにとっては読むところが少ないと思います。
もっと新作映画をジャンル問わず幅広く取り扱ってくれると読めるところも増えますが、
今のままだと20分もあれば読みたいところ全部読めてしまうので、
立ち読みで十分読めてしまうし、買ってまで読もうと思うことが少ないです。
逆によく買ってしまうのが『CUT』。
映画誌ではなくカルチャーマガジンですが、最新映画の記事も多くて、
誌面も読みごたえがあるのにカルトさがなく、ポップで面白いです。
あと『日経エンタテインメント!』や『オトナファミ』も映画特集の時は買います。
映画誌よりカルチャーマガジンから映画情報を得ることの方が多いかな。
『TOHOシネマズマガジン』や『シネコンウォーカー』などフリーマガジンもオススメ。

ということで、今日も素人の映画ファンによる感想です。
批評家ウケしそうな作品です。

SOMEWHERE

2011年4月2日日本公開。
金獅子賞に輝いたソフィア・コッポラ監督によるヒューマンドラマ。

ロサンゼルスのホテルで派手な暮らしを送るハリウッド・スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)だが、別れた妻のもとで暮らしていた11歳の娘クレオ(エル・ファニング)をしばらくの間、預かることになる。騒々しい日常は一転、クレオとの楽しく穏やかな日々が過ぎていく。そして、再び離れ離れになる日が訪れるが……。(シネマトゥデイより)



ボクはカンヌ映画祭の受賞作やコンペ出品作とは相性がよくないんですが、
ヴェネチア映画祭との相性はかなりいいんですよね。
前年のコンペ部門の出品作品は日本ではまだあまり公開されていませんが、
日本からは『十三人の刺客』『ノルウェイの森』の二本が選出されたことや、
タランティーノ監督が審査員長を務めたことでも話題になった注目の年でした。
そこで日本の二本や『ブラックスワン』などを押しのけて金獅子賞受賞したのが本作で、
一体どんな映画なんだろうと公開前から楽しみにしていました。

ただ一点、懸念していたことはソフィア・コッポラ監督の作品ということで…。
ボクはカンヌ映画祭とも相性悪いけど、女流監督の作品とも相性が悪くて、
彼女の作品も今まで観たことがありません。
何というか、やはり女性視点での作品が多いですから。
でも本作は男が主人公で男の視点から男心を描いていたのでその点は大丈夫でした。
むしろ観客も男しかいなかったくらいで、男向けの作品とさえ感じます。
ただ演出面には女流監督らしい繊細さも残ってて、お洒落な感じもあります。
結果的にいつものヴェネチア系映画と同様にかなり楽しめました。

ハリウッド・スターのジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、
高級ホテルに住み、高級車を乗り回し、何不自由ないセレブライフを送っていたが、
ジョニー本人はそんな日々に虚無感を感じていた…。
普通だったらこんな人も羨むような生活を撮ったら、楽しそうになるはず。
フェラーリで荒野をブッ飛ばしたり、女の子を部屋に呼んでポールダンスさせたりと、
男が憧れる(?)セレブな生活なのに、見ていて全然楽しそうに思えません。
フェラーリの爆走もポールダンスも撮り方ひとつですごく楽しめるものになりますが、
あえてそうはせず、カメラを固定し全く動きのないシーンにして、
それを無駄に長回しすることで、すごく退屈な画に仕上げてあり、
それを強制的に観せられる観客は、主人公の虚無感を共感することになります。
この序盤の退屈なシーンの連続で寝てしまいそうになるけど、
その後の展開で主人公が感じた幸福感も共感するためには必要な試練です。

ある日、ジョニーは別れた妻と暮らす11歳の娘クレオ(エル・ファニング)と、
しばらくの間一緒に住むことになります。
その間は女遊びもやめて、父親らしく娘の習い事に付き添ったり、
家で一緒にテレビゲームしたりと、何てことない父と子の生活になるのですが、
退屈な画とは一転し、普通に撮り方に変えただけだけど、何だかすごく楽しげに感じます。
そこまで退屈な映像を長々と観せられてきた落差もあるんでしょうね。
撮り方の妙ってやつですね。

そんな幸福な生活は長くは続かず、娘とまた離れ離れになったジョニー。
以前と同じ生活になっただけなのに、娘との幸せな日々を経験したことで、
さらに虚無感は増し、強烈な孤独感に苛まれるように…。
そんな中、彼はある決断をする…、という話で、ハッキリ言えば大した中身はないです。
ラストの意味もイマイチよくわかりません。
何でもない物語を、撮り方の妙でいかに観客に幸福感を与えるかという、
映画監督としても技術的な挑戦だったんじゃないかと思われます。
それがヴェネチアの審査員だった映画関係者に高く評価されたんだと思います。

観方によっては、何の事件もハプニングもない、単なるほのぼの映画なので、
面白くない、退屈だと感じる人も多いだろうし、それは否定できないでしょう。
ボクはたまたま主人公にシンパシーを感じ続けることができたので楽しめたけど、
前半の退屈さはやはり苦痛に思うところもあったし、
もしレンタルやテレビ放送で見ていたら途中で投げ出していたと思います。
なのでいい映画とは思うけど、誰にでも薦められるとは思いません。
ただ、娘クレオを演じたエル・ファニングは、とてもいい雰囲気を持った子役だし、
今後絶対に注目される彼女の演技を見るだけでも一見の価値はあるかも?
彼女はご存知元天才子役ダコタ・ファニングの妹です。
劇中で彼女が『トワイライト』の魅力を語るシーンがあるんですが、
『トワイライト』シリーズといえば、お姉ちゃんの出演作のひとつ。
本作は単なるほのぼの作品ですが、こんな遊び心もけっこう散りばめられているので、
わかる人にはけっこう楽しめる作品なのかもしれません。
タランティーノもそういうところに惹かれたんじゃないかな?

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