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漫才ギャング

ちょっと前にチュート徳井が金髪でテレビ出てるのを見て、
「完全にのぼせ上ってるなコイツ…」と思ったのですが、
どうやら映画の役作りのために髪を染めたんだそうで…。(もう黒髪に戻ったかな?)
なんでも『莫逆家族』とかいう映画で主演に抜擢されたらしいです。
先週オリラジ主演の『津軽百年食堂』も公開になりましたが、
何かのブームなのか、芸人を主役にする映画が増えてきています。
前エントリーの『高校デビュー』の記事でも書きましたが、
芸人に役者なんてさせるとロクなことにならないです。
ましてや主演なんてさせたらエラいことになります。
これは作品の質に関わる問題だけではなくて、現実に痛い目に合うんです。
なぜなら、その映画はほぼ間違いなくヒットしなくなるからです。

過去10年、ヒットの目安である興行収入10億を超えた作品は250本あまりありますが、
芸人が主演を務めた作品はたったの3本しかありません。
それも笑福亭鶴瓶の『おとうと』(21億円)、松本人志の『大日本人』(11.6億円)、
ビートたけしの『座頭市』(28.5億円)と、超大御所芸人でやっとこさです。
如何に芸人を主演にすることが地雷となるか、如実に表れた記録です。
ボクはお笑い好きだし、好きな芸人が登場すれば単純に嬉しかったりもするのですが、
世間的には芸人が出ることで期待値が下がってしまっていることは間違いなさそう。
でも制作側は芸人の人気で集客することを見込んでブッキングしているような気がして、
そこに妙な齟齬を感じてしまいます。

ということで、今日は芸人を使いまくった映画の感想ですが、主演は芸人じゃないです。
これは「オレは人気俳優でもブッキングできるんだぞ!」という、
品川監督の見栄だと思いますが、結果的に功を奏していると思います。

漫才ギャング

2011年3月19日公開。
お笑いコンビ品川庄司、品川ヒロシの監督第2作。

コンビ結成10年目を迎える売れない漫才コンビでボケとネタ作りを担当する飛夫(佐藤隆太)は、相方から解散を告げられる。ヤケ酒を飲みトラブルに巻き込まれ留置場に入った彼は、そこで不良の龍平(上地雄輔)に出会う。龍平と少しずつ会話する中で、彼のツッコミの才能に気付いた飛夫がコンビ結成を申し込むと、意外にも龍平は承諾する。(シネマトゥデイより)



ボクは佐藤隆太のファンなので観に行きましたが、
本作の監督である品川庄司の品川のことはかなり苦手。
なので本作のことも「別に面白くなくってもいい」、
いやむしろ「つまらない方が面白い」くらいの気持ちで観に行きました。
が、残念というか何というか、結構面白かったです。
なんか前作の『ドロップ』の感想でも同じようなことを書いていますが、
本作はその時よりもさらによくなっていると感じてしまいます。

物語の本筋の部分は別になんてことない話なので特に面白いわけではありませんが、
登場人物通しの掛け合い部分の演出が漫才的でテンポがよく、
作品としては何だか面白げに仕上がっています。
この話、きっと小説の段階ではあまり面白くなかったと思います。
漫才はネタの出来よりもテンポが大事なんだそうですが、
その漫才メソッドをうまく映画に落とし込めている結果です。
…暗に、テンポだけで内容は面白くないと言いたいわけですけど…。

漫才的演出は芸人監督の持ち味が活かされたことで、作品にプラスに働いたわけですが、
逆にウケを狙いすぎて、映画としてマイナスになったところもあります。
その最悪な例が、クライマックスの小淵川(ロバート秋山)の暴走です。
飛夫(佐藤隆太)の敵を討つために、龍平(上地雄輔)が漫才師の夢を捨ててまで、
不良のリーダー城川(新井浩文)と決着をつけるという、一番盛り上がるところですが、
あそこでウケを狙ってそんな奇抜な展開にされると、物語的には興醒めです。
多少の笑いは取れたでしょうが、映画なんだからもっとカタルシスは大切にするべきで、
一番重要なシーンで奇をてらってしまった本作は、
ただの長いコントに成り下がってしまったと思います。
しかもその奇をてらった展開も、小淵川と城川が出会った時点で読めてしまって、
映画としては奇抜だけど、コントとしてはベタという、中途半端なことになっています。
あと、不良の描き方の時代錯誤が酷いです。
本作は『ドロップ』と違って、学生時代の不良映画じゃないんだから、
もうちょっとリアリティと節度を持って描かないとおかしいです。
単身で複数相手と戦うって、漫画じゃないんだから…。

ヒロイン由美子を演じる石原さとみは、今まで見たことないくらい可愛かったです。
思えば彼女はあまり正統派のヒロインは演じたことが無いんですね。
普通の女の子役だとこんなに可愛くなるのかとビックリしました。
ただ、その由美子と飛夫の関係の描き方が下手すぎます。
飛夫は元相方の石井(ピース綾部)と龍平の心配ばかりして、
身重の妻である由美子や生まれてくる子供のことは二の次になっている気がします。
売れない芸人続けてる本人の将来が一番心配なのに…。
普通なら守るもののために漫才師なんかやめて堅気で働こうと考えると思いますが、
品川は芸人至上主義ですから、そんな発想は無いようです。
作中でも漫才が如何にすごくて、漫才師が如何に憧れの職業かが随所で語られてますが、
本人は映画監督や小説家気取って、一番漫才を馬鹿にしていると思います。
なんだあのアゴヒゲ?むさくるしいわ!

なんかやっぱり批判的な感想になってしまいましたが、
これでも結構面白かったし、脚本をもうちょっと手直しすれば佳作にもなりえたはず。
少なくとも前作よりは監督業もかなり手馴れてきて、面白くなってはいるのですが、
初登場の週末興行成績は前作が約2億5千万だったのに対し、本作は約8千万と激減。
たぶんトータルでも10億には届かないんじゃないかと思います。
「南キャン山里イジメ事件」などで品川の好感度が更に下がったのもあるでしょうが、
やっぱり前作の大ヒットは水嶋ヒロ効果だったのかな?
主演の佐藤隆太はいいとして、相方が上地雄輔ではちょっと弱いか…。
品川はすでに映画化を念頭にして次回作の執筆も進めているようですが、
映画がヒットするのは自分の手柄ではないことが分かったはずだから、
次回作はもっとキャスティングを頑張りましょう。
本作程度の結果しか出せないと、そんなに何度もチャンスはもらえないし、
品川は私小説しか書けないようなので、ネタ的にも次で最後になると思いますが…。

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