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ファンタスティックMr.FOX

春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、最近眠くて眠くて、
夜もすぐ寝ちゃうので、少し更新間隔が空いてしまいました。
今もけっこう眠いですが、アクセス数も落ちてきたので、頑張って更新します。

全米ボックスオフィスはユニバーサルの『イースターラビットのキャンディ工場』が、
初登場首位を取ったようですね。
実績十分なドリームワークスやピクサーの作品なら首位になるのもわかりますが、
『ラルゴ』や『Gnomeo and Juliet』など、それ以外のアニメ映画でも首位取ってるし、
アメリカではとりあえずアニメーション映画を公開すればヒット間違いなしって感じです。
中には『少年マイロの火星冒険記 3D』のような例外もありますが…。
それを思えば、日本で首位が確実な和製アニメ映画なんて、
ジブリ作品か劇場版『ドラえもん』くらいのものですよね。
日本はアニメ大国のわりに、アニメに対して世知辛いです。
自前のアニメでこんな感じだから、海外のアニメ作品にはもっと厳しいです。

ということで、今日はアメリカのアニメ映画の感想です。
初登場24位でしたが、アカデミー賞効果で最高9位になったそうです。

ファンタスティックMr.FOX

2011年3月19日日本公開。
ロアルド・ダールの児童文学をストップモーション・アニメで映画化。

妻ギツネの妊娠を機に泥棒稼業から足を洗ったMr.FOX。親子3人、穴ぐらでの安定した生活から丘の上の大木の家に引っ越したことから、Mr.FOXは近所に住む農場主3人の家に盗みに入ることを思いつく。しかし、大事な家畜や食べ物を盗まれた農場主たちはキツネを追い込むことに。Mr.FOX一家と仲間たちは結束し、穴を掘って逃げようとするが……。(シネマトゥデイより)



本作は2年前の第82回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた作品で、
その時は結局『カールじいさんの空飛ぶ家』がオスカー受賞しましたが、
ボクはその時初めて本作の存在を知って、日本公開を楽しみに待ってました。
それから丸2年経って、ようやく日本公開になり、やっと観ることができました。

その第82回アカデミー賞でオスカーを競い合った相手に、
同じストップモーション・アニメの『コララインとボタンの魔女』がありましたが、
それと比べると、かなり技術的には落ちます。
動きはカクカクしてるし、ディテールも甘いです。
CGIアニメにも引けを取らない滑らかさの『コラライン』も当然評価すべきですが、
伝統的なコマ撮りアニメとしては、本作くらい粗い方が味があります。
しかし、決して手を抜いているのがたまたま功を奏したということではなく、
セットや小道具も茶系の色味で統一することでセピアな雰囲気を演出し、
意図的に懐かしいコマ撮りアニメのノスタルジックを演出してるんだと思います。
動物たちの毛並やセットの砂や木など、本物の材質を使っているところもあるようで、
あえて作りすぎないように、逆にこだわって作られてるんでしょうね。
そこにCGIアニメでは表現できない妙な艶めかしさがあって、
シュールな作風とマッチしていて、なんというか…お洒落な感じでした。

ストーリーはとてもシンプルで、子供なら楽しめること請け合い。
でも演出がかなりシュールで、大人でも思わず笑ってしまいます。
この物語の世界にはちゃんと人間もいるし、四足歩行する普通の動物もいますが、
主要登場キャラが野生動物たちだけは、擬人化されていて、
二足歩行で歩き、普通の人間と同じような服装をし、人間のように生活しています。
そんな人間っぽい恰好なのに、野生の本能と誇りのために人間と戦うというところが、
妙にチグハグでシュールです。
またケンカするときや食事の時など、時折野生らしさを垣間見せる演出が、
さらにシュールさを加速させています。
アクションシーンは、動物らしくもなく人間らしくもない、
コマ撮り人形ならではの微妙に不自然な動きが多く、それも滑稽で楽しいです。
しかしシュールというのはセンスの問題なので、万人にウケるわけではありません。
感性が合わなければ単なる子供っぽいアニメと取られかねない作品でもあります。
ボク自身も「滑ってるな…」と思う箇所もいくつかありましたが、
完全にハマってる人には大爆笑だったみたいです。

児童文学がベースになっているため、子供が観ても面白い作品なのですが、
本作は日本語吹替え版の公開はしていないはずです。
それは公開規模が小さいということもあるんでしょうが、
なにより本作の魅力のひとつが、声の演技だからでしょう。
主人公のフォックス父さんの声優がジョージ・クルーニーなのも豪華ですが、
その妻役にまさかの大女優メリル・ストリープですよ。
彼女をキャスティングしたことで、アカデミー賞候補になったことは疑う余地なしです。
声優が豪華なのも魅力でしょうが、専業の声優がいないハリウッドでは、
人気俳優がアニメの声優をすることは決して珍しいことではなく、
本作に関して一番特筆すべきはそのアフレコ方法です。
なんでも、洞窟の中のシーンは実際に洞窟の中で録音し、
穴を掘るシーンは実際に役者に穴を掘らせながら録音したんだとか…。
ぶっちゃけ、それがどれほど効果的だったのかボクにはわかりませんでしたが…。
他にも、動物たちはアメリカ英語、人間はイギリス英語で話しているそうです。
これも違いが分からないボクにはどう興味深い演出なのか理解できませんが、
とりあえずアフレコに普通じゃないコダワリを持って挑んだことは間違いなさそうです。
これはオリジナルのキャストのままで上映しないで、日本語吹替えなんかにしてしまうと、
その努力もコダワリも台無しになっちゃいます。
DVD化されたら吹替えも付くでしょうが、大人はなるべく字幕で見ましょう。
音楽にもかなりコダワリが感じられたので、できるだけ音響のいい劇場で観るべきです。
(公開規模が小さく、あまり選択の余地はありませんが…。)

それにしても本作とオスカーを争った『ブレンダンとケルズの秘密』は、
いつ日本で公開してくれるんだろう…?
もう待ちくたびれたし、日本で公開するつもりがないことは薄々感じているので、
さっさとDVDリリースしてくれないかな…?

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