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塔の上のラプンツェル

昨日のエントリーで、「被災者への配慮」という建前を使い、
新作映画を出し惜しみし公開を延期したハリウッドメジャーを批判してしまいましたが、
ちょっと言い過ぎだったなと反省しております。
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を延期したソニー・ピクチャーズさんは
360万ドルと、大量のラジオと電池を日本に寄付してくれました。
『サンクタム』を延期したユニバーサルは計555万ドル以上の寄付、
『ジャッカス3D』を延期したパラマウントさんもいくらか寄付してくれるそうです。
『ヒア アフター』を公開中止し、『ザ・ライト -エクソシストの真実-』を延期した
ワーナーは、『ヒア アフター』のDVDの売り上げの一部を寄付してくれるそうです。
この流れは、はじめにディズニーさんが350万ドルの寄付を発表したのが発端です。
各社寄付金の優劣はあるし、寄付金が円高の影響を受けることは残念ですが、
要は気持ちですので大変感謝してます。

さてハリウッドはたしか6大メジャーって言われてましたよね?
まだ上記の5社しか支援の発表の情報がありません。
残る一社はそう、20世紀フォックスです。
フォックス絡みでは逆に残念なニュースが入ってきました。
日本を舞台に撮る予定だった『ウルヴァリン2』の制作が中止になったらしいです。
なんでも監督のダーレン・アロノフスキーがクランクイン目前に降板したそうで、
その理由は「日本で長期ロケしたくない」とのこと…。
建前としては「家族と離れたくないから」だそうですが、
『ウルヴァリン2』が日本舞台になることは前作公開前から決まってたことだし、
何をいまさら…という思いは拭えません。
時節柄「地震怖いし、放射能汚染されたくない」というのが本音でしょう。
こんな状況にもかかわらず日本で超大作映画を撮影してくれるということになれば、
それだけで人々に希望を与えることができると思うのですが、
まだ何の支援策も発表しないフォックスにはそんな気概はありませんね。
日本舞台の『ウルヴァリン2』はもうこのままお蔵入りになるでしょう。

ということで、今日はいち早く支援をしてくれたディズニーさんの作品の感想です。
日本公開日が地震の翌日になってしまって、かなり煽りを食ったようです。

塔の上のラプンツェル

2011年3月12日日本公開。
グリム童話「髪長姫」をモチーフにCGIアニメ化したアドベンチャー。

深い森に囲まれた高い塔の上から18年間一度も外に出たことがないラプンツェルは、母親以外の人間に会ったこともなかった。ある日、お尋ね者の大泥棒フリンが、追手を逃れて塔に侵入してくるが、ラプンツェルの魔法の髪に捕らえられてしまう。しかし、この偶然の出会いはラプンツェルの秘密を解き明かす冒険の始まりのきっかけとなり……。(シネマトゥデイより)



本作は『白雪姫』から始まるディズニー・クラシックスの記念すべき50本目の作品です。
ディズニー・クラシックスといえば、プリンセスもののイメージがありますが、
メモリアルを意識してか本作もプリンセスものです。
本作のヒロインがちょうど10人目のディズニー・プリンセスということなので、
意外とプリンセスものって少なかったんだなって思いますね。
前作『プリンセスと魔法のキス』もプリンセスものでしたが、
ジョン・ラセターがディズニーアニメの責任者になってからは、
長らく迷走していたディズニー・クラシックスの方向性を原点回帰させ、
ピクサーと差別化を図ってるのかもしれません。
前作『プリンセスと魔法のキス』はあえて手描きアニメに回帰したことで話題でしたが、
そのお陰もあって本作がディズニー史上初のCGIアニメのプリンセスものとなりました。
50本目、10人目、初のCGIプリンセスと3拍子揃った、メモリアルに相応しい作品です。

ここ3~4年のディズニーのアニメーション映画は、
クラシックスはもちろん、ピクサー、IMDも含めてハズレなしです。
いい加減そろそろ一本くらい駄作に当たるんじゃないかと思ってるんですが、
本作もそんな憶測を打ち破り、またしても超名作でした。
個人的には前作『プリンセスと魔法のキス』、前々作『ボルト』に勝るとも劣らぬ評価で、
一番好きなクラシックス『リロ・アンド・スティッチ』にも比肩します。
何がそんなに良かったのかを説明するのは難しいですが、
ここ数年のディズニーアニメには、圧倒的なクオリティの高さを感じます。
ストーリー、キャラクター、CGI技術、全てにおいてほぼ完璧で、
観終わった後に毎回感心してしまいます。
作品単位ではドリームワークスに軍配が上がることもありますが、
ディズニーの高水準での安定感は他の追随を許しませんね。

ストーリーですが、原作の「髪長姫」はグリム童話なのでかなり刺激的な話です。
それをそのまま映画化しても、それはそれで面白いでしょうが、
子供も観るディズニーアニメとしてはちょっと刺激が強すぎます。
そこでかなり改変されているのですが、『白雪姫』のようにただ刺激を抑えただけでなく、
原作のメルヘンなところだけを抽出し、ロマンスとアドベンチャーを足して、
全く新しいストーリーに仕上げてあります。
この物語の再構築がかなり絶妙で、童話原作のクラシックスの中では珍しく、
原作を超える出来栄えになっていると感じました。

特にアドベンチャーを足したことがよかったです。
なんとなくディズニーは女子、ドリームワークスは男子って感じがしますが、
本作はギャグ重視でノリがドリームワークスっぽくなっている印象があり、
そのため男子でも楽しめる作品になったのではないでしょうか。
本作はもともとプリンセスの名前そのものの『ラプンツェル』というタイトルでしたが、
それでは男子の集客が見込めないという理由で『タングルド(もつれた)』という
抽象的なタイトルに変更されました。
制作者の男子でも楽しめるから観に来てほしいという自信の表れですね。
なんなら主人公の男の名前をタイトルにしてもいいんじゃないかと思うほど、
男が観てもワクワクできるアドベンチャーになってます。
日本では元のタイトルに近い、ジブリの法則を使った邦題が付いてますから、
あからさまにプリンセスものとして公開されちゃってますね。
まぁタイトルがどうあれ、このアニメ激戦期の春休みシーズンに、
男子の集客は厳しいだろうと思いますが、ハッキリ言って現在公開中のアニメ映画の、
どれよりも素晴らしい作品なので、もし息子さんが『ONE PIECE』を観に行きたがっても、
無理やりにでも本作を観せた方が結果的によかったとなること請け合いです。

最後に、ボクは近所で字幕版が公開されてなく選択の余地がありませんでしたが、
ディズニーのローカライズは完璧なので、本作は吹き替え版で観ても問題ないと思います。
懸念はラプンツェル役に抜擢されたサブカルアイドル・中川翔子ですが、
ショコタン語を封印し、無難にこなせていたと思います。
というかショコタンが声当てていたことを忘れるくらいに自然です。
タレント声優にはそうあってほしいものですね。
プリンセスものの伝統である急に歌いだすミュージカルシーンもありますが、
歌は舞台女優の小此木麻里が当てているみたいで、とても上手いです。
それならいっそのこと小此木さんがラプンツェルの声をやればいいと思ってしまいますが、
ショコタンのセリフと小此木さんの歌の繋ぎもとてもスムーズに行われており、
鑑賞している分には何の支障もありませんでした。

さて、今年は本作の他にもディズニーアニメ3本の公開が決まってます。
1本目は来月公開のIMDのモーションキャプチャアニメ『少年マイロの火星冒険記3D』。
2本目は6月公開のピクサーの最新作『カーズ2』。
3本目は9月公開のクラシックス第51作目となる『くまのプーさん』です。
全部期待してますが、きっとその期待も越えてくるだろうと更に期待してます。

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