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恋とニュースのつくり方

東日本大震災の影響を受けて、『ヒア アフター』を公開中止し、
『ザ・ライト -エクソシストの真実-』を公開延期にしたワーナーは、
更に『かぞくはじめました』、『ヨギ&ブーブー わんぱく大作戦』も公開延期にしました。
ここまで新作が延期されると、しばらく『忍たま乱太郎』だけで、
ワーナーの日本法人はやっていけるのか心配になりますが、
いい加減しつこくなってきたので公開延期の話は置いといて、
ワーナーの5月公開予定の『身元不明』が『アンノウン』にタイトル変更されるそうです。
これももちろん地震の被災者に配慮してのことですが、
タイトル変更というよりは、原題に戻っただけですね。
地震の影響は別にしても、原題に戻したことはよかったと思います。

一昨々日の記事でも『塔の上のラプンツェル』の原題の話に触れましたが、
タイトルっていうのは映画の看板で、綿密な戦略の上に付けられているんです。
だからハリウッド映画に邦題なんて付ける必要はありません。
多くの人はそこまで意識してないでしょうが、実はボクと同じように思っていて、
昨年の洋画興行成績ベスト10のうち、実に9本がほぼ原題のままなんですよ。
去年公開分だけに限れば10本すべてが原題のままです。
つまり、単純に原題のままの作品の方がヒットする確率が高いと言えます。
それがなぜなのかははっきりとわかりませんが、邦題は一種のテコ入れなので、
原題で勝負できるものは初めから出来がいいってことかな?
ビデオスルーになる作品は9割近く邦題が付きますもんね。

ということで、今日は邦題を付けられてしまった映画の感想です。
ロマコメも邦題率高いですが、女性向けの邦題ばかりで、男性客の敷居を上げてます。
本作もハリソン・フォード出演『モーニング・グローリー(原題)』として売り出せば、
もっと客層も広がって、もっとヒットしたかも?
原題は日本語だと"アサガオ"って意味ですが、内容の隠喩にもなってたのに勿体ない…。

恋とニュースのつくり方

2011年2月25日日本公開。
レイチェル・マクアダムス主演のロマコメ。

失業中のベッキー(レイチェル・マクアダムス)はニューヨークで朝番組のプロデューサーに採用されるが、それは局に見放された超低視聴率番組だった。彼女は番組を建て直すため大御所の報道キャスター、マイク(ハリソン・フォード)を起用し、やがて同僚のアダム(パトリック・ウィルソン)と恋に落ちる。恋に仕事に順調なスタートを切ったベッキーを、思わぬ事態が待ち受けていた……。(シネマトゥデイより)



地方局の朝のワイドショーを首になった若手プロデューサーが、
打ち切り寸前の全国区の朝のワイドショーのチーフプロデューサーに抜擢され、
なんとか番組を存続できるように奮闘するサクセス・ストーリーとしては大変面白いです。
しかし本作は『ノッティングヒルの恋人』の監督、『プラダを着た悪魔』の脚本家と、
完全ロマコメ布陣のロマコメ映画なわけだけど、恋愛部分がどうも浅いというか、
主人公の心境や恋愛に至るプロセスが適当に描かれてしまっているために、
仕事と恋愛のバランスが悪く、恋愛パートが取って付けたような印象になってます。
ヒロインであるベッキー(レイチェル・マクアダムス)の彼氏、
テレビマンのアダム(パトリック・ウィルソン)の影が薄くて、
専らベッキーとベテラン報道キャスターのマイク・ポメロイ(ハリソン・フォード)との
対立が物語の中心になっています。
そこが面白いんだから別にいいんだけど、恋愛パートは進行上特に必要ないし、
これならロマコメ要素なんて入れない方が更によかったです。

恋人のアダム曰く、ベテラン・キャスターのポメロイは世界で三番目に嫌なやつ。
2位のアンジェラ・ランズベリーはよくわからないけど、
1位は金正日だから相当嫌なやつです。
そんな警告を受けても、ポメロイを一流のジャーナリストとして尊敬するベッキーは、
受け持った低視聴率の朝のワイドショーを再建するために彼を強引にキャスターにします。
しかしピューリッツァー賞やエミー賞を取ったことを鼻にかけているポメロイは、
お金のために仕方なく引き受けたものの、朝のワイドショーなんてと馬鹿にしています。
わがまま放題で当然番組の空気も悪くなるし、お局キャスターとも険悪なムード…。
視聴率は上がるはずもなく、どうするベッキー?…という話。

ポメロイは報道畑の人なので、軽いノリの朝ワイドをよく思っておらず、
「自分は報道しかしない」とお料理コーナーなどを断固拒否します。
その気持ちはわからなくもないですが、朝から報道ばかりはちょっとね…。
ボクも朝出勤前はとりあえずテレビ付けてますが、だいたい『めざましテレビ』です。
芸能ニュースとかトレンド情報とかが多くて見易いんですよね。
一時期はその軽さに嫌気がさして、ちょっと報道色の強い『朝ズバッ!』見てましたが、
起き抜けに政局の話題とか不祥事の話とか鬱陶しくなってやめました。
あと、みのもんたの顔も朝から見るのはシンドイです。
ハリソン・フォード演じるポメロイの顔も、朝からは辛そうですね。
もうポメロイをキャスターにしたのは誰も得しない判断で、ベッキーの人選ミスですよね。

報道がしたいポメロイの思いとは裏腹に、とりあえず視聴率が取りたいベッキーは、
キャスターやレポーターに体を張ったロケをさせたりと、
番組のバラエティ色を強める演出を始めます。
朝ワイドとしての質は堕ちる一方で、それはさながら低俗番組のようですが、
低俗番組は日本でもアメリカでも人気なようで、視聴率は右肩上がり。
ポメロイの場違い感は高まるばかりです。
ポメロイはたしかに傲慢で嫌なやつだけど、ここまでくると可哀想になりますね。
ベッキーは「テレビは結局娯楽」と言い放ちますが、報道も大事だし、
そこに執着するポメロイは頑固だけどある意味職人気質で尊敬できます。
ベッキーももともと彼のジャーナリズムに敬意を払ってたはずなんですが、
結果的に低俗番組に巻き込む形になってて、何か釈然としません。
でも彼女が本作の主人公であり、彼女の頑張りを正当化している内容のために、
最終的にはポメロイが折れることでハッピー・エンドになるんだけど、
それって金で魂を売ったような感じで、全然ハッピーじゃないですよね。
ベッキーは低視聴率朝ワイドを立て直したことが評価され、
他局の人気報道番組からヘッドハンティングを受けますが、
彼女に番組任せたら、低俗番組にされかねないのに、違和感があります。

ハチャメチャな展開でコメディとしてはなかなか笑えるので楽しめたのですが、
ちょっとご都合主義過ぎるかなぁ…。

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