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シリアスマン

第83回アカデミー賞ですが、やはり何の波乱もなく、ぶっちゃけ面白味に欠けましたね。
とはいえ、それだけに受賞作は納得できるものばかりなわけで、結果に文句はないです。
(ついでに、ラジー賞の結果も文句はないです。)
とりわけ今年度は作品賞での『英国王のスピーチ』と『ソーシャル・ネットワーク』の
一騎打ちが注目だったわけですが、個人的にもこちらの方が面白いと思った
『英国王のスピーチ』がオスカー受賞してくれて嬉しかったです。
作品賞候補のうち、今のところ4作品しか観てないので、
それが正当な評価と思えるかはまだわかりませんが、
それを確認する意味でも、とりあえず作品賞候補の10本は全部観てみるつもりです。
…とその前に、前年度の候補作品も全部観れてないのでそちらが先ですね。

ということで、前年度の候補だった作品で、一番最後に日本公開となる作品の感想です。

シリアスマン

2011年2月26日日本公開。
今年度オスカー候補『トゥルー・グリッド』のコーエン兄弟がメガホンを取ったコメディ。

1967年、アメリカ中西部。物理学の教授ラリー(マイケル・スタールバーグ)は妻と二人の子ども、兄と共に、一見幸福そうに暮らしていた。ところが、妻のジュディス(サリ・レニック)に別れ話を切り出され、学校ではわいろを渡され、ラリーの穏やかな生活はさまざまなトラブルに見舞われ……。(シネマトゥデイより)



本作の監督の前作である『トゥルー・グリッド』は、
第83回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞など、
10部門でノミネートされましたが、結局一冠も受賞できませんでした。
オスカー効果も見込んで先週末から日本公開の始まった本作ですが、
この結果ではなかなか配給の期待どおりにはいかなそうですね。
アカデミー賞以来『英国王のスピーチ』はすごい人手になっているのに、
ボクが本作を観に行った時はけっこうガラガラでした。
受賞が確実なら先週末公開するのがベストだとは思うけど、
無理そうなら一番期待値の高まるノミネート発表時期に合わせて公開した方がいいですね。
いや、本作も去年度のオスカー候補だったわけだし、
ホントは一年もブランク空けないで去年のGW前には公開してほしかったです。
そういう意味では、今年度の作品賞候補作は1本を除いて上半期中に公開されるので、
まだアカデミー賞の熱も冷めきらないうちに観られそうで嬉しいです。

本作は、ユダヤ人の物理学の教授ラリー(マイケル・スタールバーグ)が、
ある日を境に不幸なことが立て続けに起こるようになったので、
ラビ(ユダヤ教の宗教的指導者で神父みたいなもの)に助言を求めるという話。
ユダヤ人のコミニティの中で起こるドタバタコメディで、
ユダヤ人にまつわる一種のエスニックジョークのようなものであり、
ある程度、ユダヤ人について理解が無いと、完全には楽しめないかもしれません。
斯くいうボクも、あまりユダヤ人という概念が理解できていないので、
他のお客さんが爆笑しているシーンでも「???」ってことも多かったです。
なにしろボクのユダヤ人のイメージは「お金に細かい」ってことだけだったので…。
とはいえ、いくらか笑いは損したかもしれないけど、
内容としては特に難解なわけでもなく、それなりに楽しく観れました。

でも全く難解じゃなかったのに、結局どういう映画なのかはわからなかったという…。
三谷幸喜の小咄で「赤い洗面器の男」ってあるじゃないですか。
すごくオチが気になる話なのにオチをぼかされるというか、
そもそもオチなんて存在しないという小咄です。
劇中で、ラリーが相談に訪れた二人目のラビが、「ユダヤ人歯科医の話」をしますが、
まさに「赤い洗面器の男」みたいな話で、真相が有耶無耶で終わる逸話でした。
本作冒頭の、本編とは繋がりのない「ユダヤ人夫婦と死んだはずの訪問者の話」も、
すごく惹きつけられる展開なのにオチがよくわからなかったんですが、
本編もそれらと同じようなもので、軽快なテンポでどんどん引き込まれる展開なのに、
クライマックス一歩目前で有耶無耶に終了し、結局何がやりたかったのかわからないです。
そういえば「赤い洗面器の男」もユダヤ人のエスニックジョークが基になってるらしく、
本作もこのシュールな構成も含めて、エスニックジョークになってるのかもしれないです。

ボクは本作の監督であるコーエン兄弟の作品を何作も観てきたわけじゃないけど、
数本観た限りでは、彼らの作品って明瞭なオチを期待できるものではない気がします。
オチまでの過程、ストーリー展開を楽しむ作風という印象があるので、
そう考えれば本作はとてもコーエン兄弟らしい作品であり、
鑑賞中はかなり興味をそそられワクワク楽しめたので、
展開の面白さだけなら期待を裏切らないものだったと思います。

しかしこの作品の本当に素晴らしいところは、この本編ではなく予告編です。
予告編もコーエン兄弟自ら編集したらしいですが、
これがすごいハイセンスで、とても面白そうな作品に思えてしまいます。
本編も面白いと思えたことは事実ですが、予告編からの期待値は超えられませんでした。

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