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英国王のスピーチ

第83回アカデミー賞授賞式まであと1日ちょっとですね。
日本では午前中になるので生放送を見ることはできませんが、楽しみです。
直前ですが、主要6部門のボクの予想です。
(あくまでオスカーの予想で、ボクがいいと思った作品ではないです。)
作品賞:『英国王のスピーチ』
監督賞:デヴィッド・フィンチャー 『ソーシャル・ネットワーク』
主演男優賞:コリン・ファース 『英国王のスピーチ』
主演女優賞:ナタリー・ポートマン 『ブラック・スワン』
助演男優賞:クリスチャン・ベイル 『ザ・ファイター』
助演女優賞:メリッサ・レオ 『ザ・ファイター』
…超ベタですが、今年は波乱がなさそうな予感です。

ということで、今日は本年度オスカー最有力候補の感想です。

英国王のスピーチ

2011年2月26日日本公開。
トロント国際映画祭でグランプリを受賞し、今年度オスカー最有力候補でもある感動作。

幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。(シネマトゥデイより)



現イギリス国王・エリザベス女王の父親にあたるジョージ6世の実話が基になった物語。
なんというか、別に悪く描いているわけではないにしても、
イギリス王室の恥部も含むこんな映画が、普通に公開されるなんて、
日本のロイヤルファミリーとは違って、イギリス王室は寛容だなと感心します。
日本だと今上天皇の父親である昭和天皇を揶揄するどころか、
少しでも天皇家に触れるような作品はタブー視され、避けられますよね。
皇太子の嫁のことを懸念するだけで叩かれる国ですもんね。
孝明天皇まで遡っても、悪く描かれることはまずないです。
それを思えば、イギリス王室の懐の深さがよくわかるし、人気があるのもわかります。
だからこそこんないい映画が作られて、また世界的に人気が高まるのでしょう。
まぁ天皇家には血統の長さくらいしか世界に誇れるものないし、
映画化しても右翼が騒ぐだけでつまんないでしょうね。

ジョージ5世の次男アルバート(コリン・ファース)はどもりが酷く、
公務で欠かすことのできないスピーチが大の苦手。
なんとか克服しようと数多の医者の診療を受けるが一向に改善しません。
もはや諦めかけたその時に、言語障害の専門家を称する
ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)と出会います。
平民に対して謙虚さに欠けるアルバートと、王族に対して不遜な態度をとるライオネルは、
衝突を繰り返しながらも治療を続け、いつしか絆が生まれる…という話。

ボクもアルバートほど酷くはないけど、極度の緊張状態になるとどもりが出ます。
本作の日本のキャッチコピー「英国史上、もっとも内気な王。」でもわかるように、
どもりは性格の問題だと思っている人が多く、理解されにくい病気で、
普段は流暢に喋れるので大丈夫なんですが、就職活動していた頃はすごく悩みましたよ。
というか、その時受けた圧迫面接のせいでそうなったんですが…。
今は極度の緊張状態になることがないのでわかりませんが、たぶん治ってないはずで、
いつか大事な場面で発症、悪化するんじゃないかと不安に思ってます。
なのでアルバートの気持ちはよくわかるので親身になって観れたし、
それが国民から支持された王様だったということで、希望が持てた気がしました。
それになにより、どんな治療を受け、どう克服したかが興味深かったです。

でもどもりと一括りに言ってもにも症状や原因は千差万別で、
劇中の治療法に関してはあまり参考にはならなかったかな?
というか、基本的に最後まで克服は出来てなくて、
ライオネルの素性もあってか、その治療法が正しいかも懐疑的に思えました。
というのも本作の最終目的は、どもりを抜本的に治すわけじゃなくて、
1本のスピーチ原稿を如何にどもりを隠して読むかという技術的な克服法であり、
とりあえずその場だけ誤魔化せればいいという、歌手のレコーディングみたいなものです。
あと「th」の発音がどうだとか、英語固有の問題もあるし。

まぁ別にどもりの克服を描きたかった作品じゃないですからね。
アルバートがイギリス国王・ジョージ6世になった時の、
第二次世界大戦でナチスと開戦を告げる重要なラジオ放送でのスピーチを、
どもりの国王が如何に成し遂げたかというエピソードがメインであり、
その裏にあった一国の王様と一介の言語障害専門家の、身分違いの友情がテーマです。
戦争という一大事を前にして、1本のスピーチを成功を重視するのは変な感じでしたが、
クライマックスのジョージ6世のスピーチ・シーンを見て、
それにより国民が一致団結し戦争を乗り切れるんだから、その重要さも理解できました。
やっぱり指導者ってのはスピーチ能力は重要ですよね。
天皇は置いとくとして、ここ何代かの日本の首相はそこで損してるやつが多いです。
首相じゃないけど小沢が異常に国民から嫌われてるのも、弁爽やかじゃないからですよね。
小泉やどっかの自治体の首長みたいに、弁が立つだけで人気があるってのも問題ですが。

なんか今回は話がわき道に反れ倒してますね。
なんといっても本作の魅力は役者陣でしょう。
アカデミー賞の演技部門でも3人がノミネートされていますが、
いずれも素晴らしい演技だと思いましたが、
特にジョージ6世を演じた主演のコリン・ファースはすごいです。
前年度にノミネートされた『シングルマン』でも堅実な演技をする人だとは思ったけど、
今回は技術的に演技でここまでできるものかと感心しました。
よくお笑い芸人がコントなんかで変わり者を演じるのにどもった喋り方をしたり、
『青い鳥』で阿部寛が吃音症の役を演じていた時もそうなんですが、
だいたいどもる演技をやると『裸の大将』みたいな感じになるもんですが、
コリン・ファースのどもり方はすごくナチュラルです。
言語障害の役だからほとんど喋らないと思いきや、意外と機関銃のように喋りますが、
ちゃんと常時どもりを再現できています。

「機関銃のように」と言えば、作中で彼が「Fuck」を連発しますが、
そのせいで全米ではR指定を受けたそうで…。
オスカー取れそうだし、その部分をカットして公開しなおそうという案もあるそうですが、
あれってすごく大事なシーンだし、クライマックスまで手を入れなきゃならなくなるので、
そんなことするべきではないように思います。
日本は全年齢対象ですが、心配せずともR指定にひっかかる歳の客はいませんでした。

『ソーシャル・ネットワーク』よりは確実によかったし、オスカー間違いないです。

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