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ウォール・ストリート

なんか映画館に行くと「金洋日キャンペーン」ってポスターやチラシを見かけますね。
なんでも金曜日に洋画を観て応募すると、映画グッツがあたったりする企画で、
「金曜日は、洋画を観よう」という新しいライフスタイルを提唱するものだそうです。
欧米では金曜の仕事終わりに映画を見る人が多いらしく、
その風習を日本にも輸入しようという試みですね。

多くの映画は土曜日が公開日なのに、毎週1~2本、金曜日が公開日の映画があります。
その多くが洋画なんですが、なんでなのかな?
たしか週末興行成績は金曜日も集計に入るはずなので、
どの映画も金曜日公開にすればランキング的には有利になるはずなんだけど、
邦画の配給会社は土曜日公開を申し合わせてるんでしょうか?
ボクは新作映画は一刻も早く観たいと思っているタイプなので、
キャンペーンに関係なく、結果的に金曜日に洋画を観ていることが多いです。
劇場も金曜日はお客さんが多いし、すでに「金曜日に洋画」は根付いていると思います。

ということで、今日は金曜日公開になった映画の感想です。
ボクも金曜日に観たのですが、公開週ではありませんでした。

ウォール・ストリート

2011年2月4日日本公開。
前作『ウォール街』から約23年ぶりの続編。

2001年、8年の服役を終えたゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)。カリスマ投資家の面影は消え、すっかり過去の人と成り果てていた。2008年、勤め先が経営破たんに追い込まれた電子取引トレーダー、ジェイコブ・ムーア(シャイア・ラブーフ)は恋人ウィニー(キャリー・マリガン)の父親であるゲッコーに近づき、ある提案を持ちかける。(シネマトゥデイより)



予告編観た時から面白そうな作品だなと思って、公開週に観に行こうと思ったんですが、
映画情報誌などを見ていると、どうも何かの続編らしいということがわかって、
ちゃんと楽しむためには前作知らないとダメだろうってことで、
前作をDVDレンタルしたものの、最近家にいる時間が短くなかなかDVDを見れず、
本作を観に行くのもずるずると先延ばしになってました。
もう「前作見なくてもいいか」とも思ったんですが、結果的に見て行って正解でした。
本作は完全なる続編で、あきらかに前作を知っていることを前提に制作されてます。
前作を知らなくても観れないでもないけど、面白さは半減するでしょうね。
でも配給会社もそのことがわかっているはずなのに、
日本公開に当たっての広報ではなぜか続編であることを明言しませんよね。
たぶん前作は日本ではそんなにヒットしてないようなので、
続編と明言するとお客さんの幅を狭めてしまうと考えたんでしょう。
前作の邦題は『ウォール街』でしたが、本作は邦題も改題してしまい、続編感を払拭。
もともとあった「マネーは眠らない」という副題も公開時には取ってしまう念の入れよう。
日本で『トロン:レガシー』が大コケしたのも、続編ものであることを隠したせいですし、
こんな日本の配給方法はちょっと不誠実だと思います。

てなわけで、ボクは前作も直前くらいに観たんですが、
正直前作が面白くなくて、本作にかける期待もダウンしてました。
でも本作はかなり面白く仕上がっていました。
証券市場(ウォール街)で活躍(暗躍)する若い証券マンと投資銀行家の物語ですが、
金融のことがよくわかってないボクにはもともと難しい内容ではあるものの、
当然ながら本作の方が金融情勢など現状に則しているので、直感的にわかりやすいです。
それに前作は金融屋同士の騙し合いがメインのサスペンスといった趣でしたが、
本作は恋愛とか家族をメインに描いたヒューマンドラマって感じで、
それほど専門的な知識を必要としません。
前作も本作も資本主義による血の通ってないマネーゲームを批判的に描いたものだけど、
本作は主人公も含め、比較的真っ当な証券マン、投資家が多かったので、
単純に不愉快さを感じることが少なかったのもよかったかも。

リーマン・ショック前夜、前作でインサイダー取引で懲役刑を食らっていた
金融界の大物投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)がついに出所。
全てを失った彼には、出所日に唯一の家族である娘すら迎えに来こない。
娘のウィニー(キャリー・マリガン)は、兄が父親のせいで死んだと思っており、
実の父ゲッコーのことを憎んでいたのだった。
直前に前作を見た時にゲッコーの2歳の息子が登場していて、
「あれ?なんで娘じゃないんだ?」と思ってたんですが、
本作のヒロインはあの子の妹で、あの子は死んだってことになってたんですね。
まぁ父と息子より父と娘の方が確執としては面白いし、苦肉の策でしょうが結構衝撃です。
娘はインサイダー取引の裁判中に生まれたってことですね。
そのインサイダー取引を告発した前作の主人公バド(チャーリー・シーン)も、
本作にカメオ出演しています。
前作から20年以上経ってるけど、ゲッコーはあまりかわらない気がしたんですが、
バドはすっかり中年になってると思ったけど、軽さは昔のまんまで笑いました。

そんなゲッコーのもとに証券マンで娘の婚約者である
本作の主人公ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)が訪れます。
彼は尊敬するゲッコーと婚約者のウィニーを仲直りさせようと画策しますが、
ゲッコーはそんな彼を利用し、自身の金融業界再浮上を画策する、という話です。
前作でははじめからダーティなカリスマ投資家として登場したゲッコーですが、
本作では懲役刑で牙が抜け、娘からも疎遠にされる可哀想な男って感じです。
なので一見すると娘婿ジェイコブに協力的な好々爺って感じみえるけど、
前作の悪辣なゲッコーを知ってれば、懲役程度で丸くなるとは思えないし、
構図的にもジェイコブがゲッコーの毒牙にかかっていることはすぐわかるのですが、
その反面、本当に改心したんじゃないかとも思えるところもあり、
どこでゲッコーが本性を表すのか気が抜けません。
本作はゲッコーの真の更生の物語であり、ゲッコーが真の主役であるため、
ハッキリ言って前作を知らなければ話になりません。
主人公ジェイコブはそのオマケみたいなものです。

そのジェイコブはバドとは違い、野心よりも信念を大事にする証券マンで、基本いい人。
彼は海水をエネルギーに変える次世代のグリーンエネルギーの開発を応援していて、
それに投資してくれる資本家を探していますが、
今の目先の利益しか考えない金融市場ではなかなかそんな殊勝な投資家は見つかりません。
ジェイコブももちろん利益を見込んで応援しているとは思いますが、
なんかエコまで資産運用の道具にされる時代って嫌ですよね…。
環境ってのはもっとグローバルに考えなきゃいけないみんなの利益なのに、
やっぱり一部の投資家のサジ加減で決まっちゃうんですよね。
それでエコが前に進むならまだいいけど、本作でも語られてますが、
再生可能なグリーンエネルギーよりも、限りがある化石燃料の方が商品価値があると、
環境よりも利益を優先する投資家が多いのも事実です。
今のエコを支えてるのも、投資家の酔狂か企業のポーズでしかなく、
ホントに環境のことを考えて活動している人たちは、それに振り回されているだけです。
何するにも金が必要で、投資家に頼らないといけない資本主義って何とかならないかな?
エコだけじゃなく、投機マネーせいでコーヒーも飲めなくなるかもしれませんよ…。

でも本作を観て、製作者の意図とは逆に投資家に憧れる人って多いでしょうね。
貧乏人の僻みだと思ってくれて結構ですが、やっぱり虚業は社会のガンです。
作中でビックリしたのですが、彼らは「引退するまでに貯めておきたい金額」を設定し、
早く引退するために、手っ取り早く儲けることしか考えてないらしいです。
こんな人たちが実質的に経済を動かしてるんだから、世界がよくなるわけないですよね。
堅気で定年まで働いても生涯賃金なんて慎ましく生活する程度しか稼げません。
それでもどんな金持ちより、そんな労働者こそ尊いと思います。
本作で一番よかったと思ったのは、ゲッコーが改心したことではなくて、
ジェイコブの母親がサブプライム問題で不動産転がしを止めて、
看護師という堅気に戻ったことでした。

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