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僕と妻の1778の物語

一昨日の記事で、TOHOシネマズの料金値下げについて、
東宝の社長が「全国での値下げは未定」と発言したことに対しての憤りを書きましたが、
今日TOHOシネマズから届いたダイレクトメール見て、
現行の料金体系の方がいいんじゃないかと認識を改めました。
そのDMは、たぶん春から料金値下げになる宇都宮、緑井、長崎、与次郎のTOHOシネマズを
過去に利用したことのある会員宛に送られたもので、
その劇場で4月7日から変更になる新しい料金形態のお知らせといった内容です。
(ボクは関西在住なので、旅先で利用したことがあるだけなのに届きました。)

そのDMによると、先達ての報道の通り、1800円だった一般料金は
いつでも1500円になり、さらに会員割引やネット割引を合わせると1200円になるとのこと。
ただし、レディースデイ、TOHOシネマズデイ、シニア料金など、
1000円均一で観れる各種割引は廃止されてしまうようです。
これは女性でもシニアでもないボクにとっては公平感があって納得の変更ですが、
問題は「6本観たら1本無料」のポイントサービスと、
シネマイルの「1カ月フリーパスポート」の交換が終了することです。
これによりTOHOシネマズで映画を無料で観れる機会がなくなってしまいます。

いつでも1200円で観れるとはいえ、今までだって前売り券使えばいつでも1300円です。
一本あたり100円安くなっているように思えますが、「6本観たら1本無料」てことは、
「7本分を6本分の料金で観ている」ってことで、一本あたり1114円だったってことになり、
それが1200円になるってことは実質86円の値上げじゃないですか?
ほとんど1000円で観ていた女性やシニアは、実は一本857円で観てたことになるけど、
その人たちにとっては、実質343円の値上げってことになります。
(マチネ14やソワレ18、3D料金など、ややこしい料金は無視してます。)
映画をよく観るボクにとってさらに酷なのが「1カ月フリーパスポート」の廃止です。
1カ月以内なら何十本観ようが何百本観ようが無料だったものがなくなってしまいます。
仮に期間中15本(去年の月平均)観たとすると、1万8000円も出費が増えるわけです。

そこで試しに、その新料金をボクの去年観た映画の記録に当てはめてみると、
なんと映画にかかる費用が6割弱も増すという驚きの結果が出ました。
ボクの映画を観る頻度は異常なので、普通の人にはあまり参考にはなりませんが、
現在会員であれば、少なからず映画にかかる費用が増えるものと予想されます。
結果、この新料金の恩恵を受けるのは、会員以外の人か高校生以下の子供だけです。
つまり新規開拓を狙って、既存の顧客を蔑ろにした新料金形態ということです。
こんな嘘くさい料金値下げには断固反対。「全国での値下げは未定」のままで結構です。

ということで、今日はTOHOシネマズを避けて、わざわざMOVIXに観に行った作品の感想です。
MOVIXは今、会員ならいつでも1300円の期間限定サービスを実施中です。
しかもネットでチケットとれば「5本観れば1本無料+ポップコーン」で、
一本当たり実質1083円以下で観れる計算です。お得です。

僕と妻の1778の物語

2011年1月15日公開。
SF作家の眉村卓とガンで逝去した夫人との実話を基にした感動のヒューマン・ドラマ。

SF作家の朔太郎(草なぎ剛)と銀行員の妻節子(竹内結子)は、高校1年の夏休みに付き合い始めてからずっと一緒だった。だがある日、腹痛を訴えた節子が病院に入院し、彼女の体が大腸ガンに冒されていることが判明。医師(大杉漣)に余命1年と宣告された朔太郎は最愛の妻にだけ向けて、毎日原稿用紙3枚以上の短編小説を書くことにする。(シネマトゥデイより)



最後はデッドエンド確定の暗く重い難病ものの本作が、
なんで興行成績ランキング初登場1位になれるのかと思ったら、
どうも本作は高視聴率ドラマの劇場版という位置付けだったようですね。
草なぎ剛主演のテレビドラマ『僕の生きる道』シリーズの初の劇場版なんだそうです。
ボクはそのドラマは見たことがないんで全く知らないんですが、
日本人は異常に劇場版ものが好きなので、この結果にも納得しました。
去年(2010年)の年間邦画興行収入ランキングでも、
ベストテンのうち8本がテレビ番組の劇場版だったようです。
邦画の行く末を考えれば、あまりいい方向じゃないとは思いますが…。

『僕の生きる道』シリーズ(以下、僕シリーズ)の劇場版とはいえ、
僕シリーズ自体が主演と一部キャストが被っているだけの独立したテレビドラマなので、
本作も完全に独立した作品として観ることもできます。
お客さんも僕シリーズのファンと、そうではない人の半々くらいだったんじゃないかな?
むしろ本作はバラエティ番組「奇跡体験!アンビリバボー」で紹介されて有名になった、
あるSF作家とその妻の感動の実話を基にした映画であり、
そっちで本作の存在を知って観に来てる人が多いかもしれないですね。
ボクはそのバラエティ番組も見ておらず、ただ竹内結子が好きなんで観に行きました。

普通の映画としては、まぁそれなりに観れるものではあるんですが、
実話を基にした作品ということでは、ちょっと説得力に欠ける内容に感じました。
その理由はいくつか思い当たるんですが、一番わかりやすいところでは、
映画化にあたり実話から改変してしまった設定からくる違和感ですかね。
実際の話では主人公のSF作家とその妻は60代だったんですが、
本作ではその夫婦を草なぎ剛と竹内結子が演じることとなり30代の設定になってます。
本作の内容は、癌になり余命僅かであることを宣告された妻のために、
SF作家である夫が一日一編のショートショートを書き続けるという話ですが、
こんなことは仕事からリタイヤしている60代だから可能なのであって、
いくら小説家という特殊な職とはいえ、働き盛りの30代ではまず生活できません。
妻の癌治療しながら仕事もして、さらにショートショートも書き続けるなんて、
30代でこんな生活をしているとしたら、想像を絶する苦労があるはずなんですが、
その苦労が全然描かれてないんですよね。
売れない小説家なのに、どうやって保険適用外の先端治療の料金を払ってるのかと…。
そこにリアリティの薄さを感じてしまいます。

それと、どうも撮り方が拙いのか、映像や演出も現実味が薄いです。
主人公が書いたショートショートを映像化した劇中劇の部分は、
当然ファンタジーなので現実味がなくてあたりまえなのですが、
普通の現実のシーンも登場人物に人間味がなく、リアリティが欠けています。
主人公のSF作家もかなりの変人で、リアリティの薄いキャラでしたが、
特に後半に出てくる病院の患者や看護師、掃除夫たちに全く人間味がなく不気味です。
現実のシーンにリアリティがなさすぎて、劇中劇のファンタジーさが際立たず、
映像的に見せ場であるショートショートが全く魅力的なものになっていません。
まぁ映像化されたショートショート自体が、オチのない退屈な話ばかりで、
端から面白くない作品だってのも問題ですが…。
ショートショートは4~5本映像化されてたけど、
1778本もの中から厳選されてあの程度ってことは他の作品はもっと酷いんですかね?
まぁ一日一本書いてたら、あの程度の出来でも仕方ないのかな…。

あと上映時間も長すぎます。
特に妻が寝たきりになり入院してからまだ上映時間が1時間ちかくもあり、
それだけ危篤状態が長いと、観客も「妻がもうすぐ死ぬ」という状態に慣れてくるので、
いざ死ぬ段になっても「やっと死んだか」くらいにしか感じず、
あまり悲しみを感じることができないので、泣きたくても泣けません。
妻が死んでからの展開もぶっちゃけ蛇足で、「だらだら長い作品」という印象になります。

基になった実話はなかなか興味深そうな題材なので、
料理の仕方によってはかなり魅力的な作品になりそうだけど、
本作は料理の仕方を完全にミスってると感じるので残念です。
素材はいいので、まったく面白くないわけではありませんが…。
あ、でも竹内結子はやっぱりよかったです。

最後に内容とは関係ないことなんですが、
劇中で、出版社からこの闘病生活のことを本にして出版してみてはどうかと言われた時に、
主人公のSF作家は「せっちゃん(妻)の病気を売り物にしたくない」と言ってたのに、
実際のSF作家はすぐに売り物にしちゃって、それが映画化までされちゃったわけですね。
なんかそれもどうなの?って思っちゃいました。

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