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白いリボン

たとえば抽象画を見て、その意味もわからないのに、
「芸術的で素晴らしい」と感じる人っていますよね。
でも抽象画なんてのは誰でも描けます。
だから無芸のタレントが、画家気取りで絵画を描く時は、
大抵は抽象画っぽい絵を描きます。
抽象画にする理由は、ただ直球勝負を避けているだけなのに、
その逃げを太鼓持ちたちが「独創的だ」と褒めたたえるわけです。

映画だってそうで、常人には理解しにくい作品ほど、実は中身がないと思います。
でもその意味不明さを「難解で芸術的」と評する気取り屋がいるんですよね。
ホントにいい映画ってのは、実は奥が深いのに、誰でも理解できる映画だと思います。
ある人が言ってましたが「技術のない奴が芸術に走る」んだそうです。

ということで、今日は「難解で芸術的」な映画の感想です。

白いリボン

2010年12月4日日本公開。
『ファニーゲーム』などのミヒャエル・ハネケ監督によるクライム・ミステリー。

第一次世界大戦前夜のドイツ北部。プロテスタントの教えを信じる村人たちに、不可解な事故が次々と襲い掛かる。小さな村は不穏な空気に包まれ、村人は疑心暗鬼に陥り、子どもたちは苦悩を感じ始めていた。(シネマトゥデイより)



本作はドイツ映画で、2009年にカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞、
続いてゴールデングローブ賞外国語映画賞した賞レース荒らし的な作品ですが、
はっきり言って、全然面白くありませんでした。
ボクはもともと芸術作品には弱い方ではあるんですが、
どんな受賞作でも、面白いかどうかは別として、受賞理由の見当は付くんですが、
本作は全く引っかかりどころがなく、何が評価されたのか全く理解できません。
他の映画と違うところといえば、このご時世に全編白黒だったのと、
ダラダラした長回しが多くて、上映時間が無駄に長かったことくらいです。

本作は第一次世界大戦前夜にドイツ北部の村で起こる不可解な事件を軸に、
その村の人たちの生活をただ坦々と追った群像劇ですが、
個々のシナリオに一貫性がなく、何が描きたいのかよくわかりません。
少年犯罪とか体罰とか疑心暗鬼とか、テーマを拾おうと思えば拾えるけど、
どれもピンとこない、ホントに不親切な作品です。

そもそもその村で連続して起こる事件がホントに不可解で、
ちゃんと解決してくれればいいんだけど、不可解なまま終わっちゃうんですよね。
故意によるドクターの落馬事故からはじまり、小作人女性の転落死、男爵家の火事、
荒らされるキャベツ畑、男爵のひとり息子の失踪、
知恵おくれの子供の虐待、行方不明になった助産婦親子…。
このように、静かな村で1年ほどの間に次々と事件が起こるわけですが、
キャベツ畑の事件以外はハッキリと真相が示されません。
観客に推理しろという趣向なら面白いかもしれませんが、
犯人が誰なのかは選択の余地はないので、明言されずともわかってしまいます。
犯人が誰かは明らかなのに、明言されず、告発もされないため、
一番肝心な事件の動機が全くわからないんですよね…。
特に最後の助産婦親子の失踪の件は全くもって意味不明で、
事件なのかどうかすらも不明のまま幕を閉じてしまいます。

2時間半近いクソ長くて退屈なミステリーを、最後まで我慢して観たのに、
何一つ真相も語られないし、解決もしないので、唖然としてしまいました。
これではミステリーとしては成立していないので、
どうやらミステリーではなく、ヒューマンドラマとして観るべきだったのかもしれません。
ただ、どのシナリオもヤマなしオチなしで、退屈であることには変わりないですが…。

まぁミヒャエル・ハネケ監督に、映画的なカタルシスを期待することが間違いなので、
今回は彼が監督であることをわかっていながら観に行ってしまったボクの落ち度です。

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