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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

ポスプロ段階で納得できる3D化が間に合わなかったため、公開直前の先月、
3D版の公開を断念することになった『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1』ですが、
撮影段階ではもちろん3Dを想定して撮っているわけで、随所にその痕跡が残っています。
予告編でよく見る姿現しでルートマスターに轢かれかけるシーンや、
ナギニ(蛇)が向かってくるシーンなど、奥行きを意識したシーンが多いです。
序盤のチェイスなんかも、3Dを想定してなかったらあんなに力を注いでなかったはず。
そんな3Dのためのシーンが、2D公開により空回りしてる気がして、
ちょっと心寂しい気分になりました。
まぁポスプロ型3Dでは、3D化されたとしてそれほど効果はないでしょうが、
作中作「吟遊詩人ビードルの物語」なんかは、CGIアニメーションを使用していたので、
かなり効果的だったかもしれないですね。
今のままでも影絵みたいな十分味のあるアニメーションでしたが、
あれが3Dされてたらどんな感じだったんだろうと、ちょっと残念に思いました。

ボクは3Dを想定されて撮られた作品は3Dで観ることが多いんですが、
そんな作品を普通のブルーレイとかで見たら、そんな心寂しい気分になるのかな?
もしそうなら、3D映画なんてのは一過性のもので絶対廃れるので、
後世に残るような作品は3Dを想定して撮らない方がいい気がしました。

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1

2010年11月19日日本公開。
世界的ベストセラー・ファンタジー小説の映画化シリーズ7作目であり最終章の前編。

17歳に成長し、ホグワーツ魔法魔術学校の最終学年7年生となったハリー(ダニエル・ラドクリフ)。親友のロン(ルパート・グリント)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)と共に、宿敵ヴォルデモート卿の魂が宿った分霊箱捜しの旅に出るが、すぐには見つからず、困難な旅の中で仲間割れが起きてしまう。(シネマトゥデイより)



本作ではハリー(ダニエル・ラドクリフ)たちはホグワーツ魔法学校を飛び出し、
イングランド中を旅して回るストーリーになるのですが、
原作を読んだ時に、ボクはその変更がどうも気に入らなくて、
最終巻にして最悪な出来だと思いました。
原作者のJ・K・ローリングは、シリーズを書き始めた頃から、
この最終章の原稿を書き上げていて、金庫に保管してあったといわれてますが、
絶対ウソだろ!と思うような場当たり的な展開じゃないですか?
ホグワーツはイギリスのパブリックスクール同様、7年制の学校で、
今までは一巻ごとに1学年の1年間の出来事を書いていましたが、
いよいよ卒業間近という最上級生(7年生)になった第7巻で、
急にホグワーツを飛び出して、いきなりロードムービー(冒険小説)になるなんて、
絶対に違和感があります。
最上級生なんて、進学・就職活動があったり、卒業試験があったり、卒業があったりと、
卒業まであと一年の、何かとイベントの多い一年だし、
今まで6年間、進路で悩んだり退学の危機を乗り越えて、やっと最後の学園になったのに、
急に学校やめて旅に出るなんて、今までの6年間を否定するような、
読者をバカにするような方針転換じゃないかと思いました。

特に6巻(前作)『謎のプリンス』の最後に何の脈絡もなく出てきた
6つの"分霊箱"をすべて見つけて破壊しなければいけないという展開。
ラスト1巻しかないのに、そんなに大風呂敷広げて大丈夫かと心配になりましたが、
そればかりか最終章7巻(本作)では、3つの分霊箱を探すのに加えて、
3つ"死の秘宝"の話まで出てきて、最後の最後まで物語の方向性がふらふら…。
さらに今まで全く語られなかったキーパーソンが、取って付けたように次々と登場、
場あたり的にどんどん設定を増やした結果、かなり複雑な話になっちゃってます。
これがもし噂どおり織り込み済みの展開だったとしたら、
シリーズ通しての物語の展開や伏線の張り方が、かなり拙いということになります。
後期はシリーズ執筆途中から始まった映画の世界観に引っ張られている印象もあったので、
ホントはラストなんて何も決まっておらず、かなり流動的だったんじゃないかと思います。

とりあえずボクはハリポタシリーズは学園ファンタジーとして楽しんでいたので、
急にロードムービー化した今回の方針転換には否定的。
物語もどんどん複雑化されて、全容も見えにくくなったので、読んでてシンドかったです。
(特にキャラが多すぎて覚えきれません。)
原作を面白いと思わなかったため、映画版にもそんなに期待してなかったんですが、
映像化されたことで、複雑さがかなり解消され、見やすくなってます。
作風も前作の学園ラブコメから一転、ダークファンタジーの様相で、
ハリポタシリーズらしからぬシリアスな雰囲気で、スタイリッシュな印象。
あまりハリポタシリーズと意識せず、単発のダークファンタジーと思えば、
それなりに楽しめる作品になってます。
ハリポタシリーズとしてはクリス・コロンバス監督(製作)の初期3作が好きだけど。

ハリポタシリーズって、4作目『炎のゴブレット』でセドリックが死んで以降、
毎回主要キャラを殺すことで、衝撃を演出していますが、
最終章である本作はその演出も大盤振る舞いで、主要キャラがどんどん死にます。
安易にキャラを殺すのは児童向けファンタジーとしては感心できませんが、
それによって作品に緊張感が与えられているのも事実です。
(原作読みながら、ロンやハーマイオニー級キャラでも殺しかねないと思ったし。)
しかし本作の殺し方はキャラに愛情が感じられず、ちょっと不愉快です。
マッドアイの扱いなんて、あんまりだと思いませんか?
それ以上に残念なのは白ふくろうのヘドウィグですよ。
シリーズのマスコット的なキャラなのに、展開上もう邪魔といわんばかりに…。
思い返せば5作目『不死鳥の騎士団』のシリウスの最期もモヤモヤする殺し方でしたよね。

で、最終章前編のクライマックスに選ばれたのは、ドビーの最期なわけだけど、
屋敷しもべのドビーは第2作目『秘密の部屋』で主要キャラとして登場し、
原作では第4作目で再登場して以降、ハリーを助ける重要なキャラとして活躍しましたが、
映画版では2作目で登場して以降、本作で久々の登場となります。
原作読んでる人ならいいけど、懐かしいキャラがいきなり登場して、いきなり死なれても、
感動も衝撃も何もない、盛り上がりに欠けるクライマックスだと思います。
これをクライマックスにするなら、過去の映画でももっとドビーを手厚く扱うべきでした。
こういうところも行き当たりばったり感があるんですよね。

前後編なのでストーリーもまだ途中。
むしろ方針転換したところで、まだ物語は始まったばかりといった印象で、
作品として完成してないので感想として書けることもあまりないです。
原作どおりに話が進むとすると、味気ないラストなので期待できませんが、
本作も原作からの改善点も多く、期待を低く見積もってたわりにはよかったし、
とりあえず、来年公開の後編を楽しみに待ちたいと思います。

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