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リトル・ランボーズ

昨日もちょっと書いたけど、先週末公開の映画はラインナップがショボイ。
おそらく今週末に公開の『ハリー・ポッターと死の秘宝』との競合を回避するために、
大作の公開を差し控えたんだと思います。
当然今週末も、ハリポタ以外のラインナップはショボイし、
むしろ今年は秋冬公開作全体でも小粒な作品が多い気がします。
冬休み(正月)映画なんて、こんなに地味でいいのか?って感じだし。
まぁそれはハリポタだけの影響ではなく、『トロン:レガシー』もマークされてるだろうし、
日本最大のヒットメイカー東宝が『SPACE BATTLESHIP ヤマト』に威信をかけてるので、
他の大作の公開を先送りしている影響もあるかもしれません…。

ただ、大作が面白く、小粒な作品がつまらないということはありません。
比較的小粒な作品を多く観てる今年の秋冬は、例年より佳作に当たっている気がします。
大作ってのは映画ファンとして絶対に押さえておくべき作品なので、
否応なく観ることになりますが、あまり大作のない時期はその分余裕があります。
大作がないのをいいことに、予定では観る気のなかった小粒な作品を観るのも楽しいし、
たまたま観た作品が当たりだとかなり得した気分になりますよね。

ということで、今日はかなり得した気分になった小粒映画の感想です。

リトル・ランボーズ

2010年11月6日日本公開。
1980年代を背景に、ハートフルでノスタルジックな友情を描くイギリス映画。

1982年イギリス、厳格な家庭に生まれ育った11歳のウィル(ビル・ミルナー)はあらゆる娯楽を禁じられていた。そんなある日、彼は学校一の問題児カーター(ウィル・ポールター)と出会い、彼の家で生まれて初めて観た映画『ランボー』のとりこに。「こんな映画を作りたい」という気持ちで結ばれた二人は、見よう見まねで始めた映画作りを通して友情を深めていくが……。(シネマトゥデイより)



『エクスペンダブルズ』の登場で、各所でスタローンの功績が再評価されてますが、
そんな中、彼の代表作『ランボー』をタイトルに冠した映画が公開されました。
その作品の原題を直訳すれば『ランボウの息子』、それが本作です。

戒律が厳しくアーミッシュのような生活を送る新興宗教"プリスマ同胞教会"。
その宗教を信仰する家族に生まれ、俗世の娯楽を拒否し、
テレビも映画も一切見れない環境で育った11歳の少年ウィル(ビル・ミルナー)は、
学校一の悪ガキ・カーターと知り合い、彼の家で生まれて初めて映画を見ます。
(カーターがハンディカメラで映画泥棒してきた海賊版です。)
その映画がスタローン主演の『ランボー』。
生まれて初めて見た映画にすっかり魅了されたウィルは、
カーターと共に、テレビ番組「スクリーン・テスト」に応募するための映画を撮ることに。
その自主映画の内容が、カカシ怪人に捕らわれたランボーを助けるために、
ランボーの息子が大冒険をするというアドベンチャー物語です。

本作はガース・ジェニングス監督の子供の頃の体験を基にして撮られた映画で、
『ランボー』の第一作目が公開された80年代初頭に監督はウィルと同じく10歳前後で、
ガース少年もやはり『ランボー』に影響されて、自ら映画を撮っていたらしいです。
(もっとも変な宗教には入ってなかったそうですが…。)
ボクはその当時は生まれてるか生まれてないかくらいだと思うのでよくわかりませんが、
当時からすると『ランボー』はかなり影響力のある映画だったんでしょうね。
当初は権利問題もあり『ランボー』ではなく架空のヒーローで撮ろうとしたようですが、
監督の思い入れもあり、やっぱり『ランボー』を使用することにしたそうです。
そのために完成後に裁判沙汰などもあって、公開が遅れたそうですが、
結果的にノスタルジックで共感を得やすいいい作品になったと思います。
ガース少年はその初期衝動のまま映画監督になってしまったわけで、
改めてスタローンってすごいんだなと実感します。

でもウィルの場合は生まれて初めて見た映画(というか映像)ですからね。
その初期衝動の大きさは計り知れないです。
完全にランボーに感化され、超危険なスタントに次々とチャレンジします。
あくまで体験を基にしているだけで、本作はフィクションなので笑ってられるけど、
現実だったら死んでるか大怪我ものの命がけのスタントです。
映画に対して何の耐性もないのに、いきなり『ランボー』を見るのはマズイですよね。
やっぱり映画にしてもテレビにしても、子供のうちから段階的に見せていかないと、
後々の反動が怖いですよね。
ボクも子供の頃あまり映画に連れて行ってもらえなかったもんだから、
今頃になってこんな映画オタクになっちゃいましたよ。

なんだか『ランボー』の話ばかりになっちゃってますが、
もちろん本作は『ランボー』のような戦場アクション映画ではなく、
『スタンド・バイ・ミー』のような少年の友情と成長を描いた青春ドラマです。
ぶっちゃけ『ランボー』よりも名作だし、『スタンド・バイ・ミー』にも負けない、
かなりの傑作なんじゃないかと感じました。
ウィルとカーター、ふたりの少年の友情に号泣しました。

厳格な家に育ったウィルにとっては、学校一の悪ガキ・カーターは、
今までに出会ったことのない、新鮮で強烈な印象を与えてくれる、一緒にいて楽しい友達。
一方、放任主義で同居する家族は自分に冷たい兄しかいないカーターにとって、
ウィルは友達以上の兄弟のような存在になっていきます。
ここにふたりの友情の温度差があります。
そこに現れるのがフランスからの交換留学生のディディエ(ジュール・シトリュク)。
ウィルにとって、上級生で大人びているディディエは刺激的な存在で、
彼からもたらされる経験はカーターと遊ぶ以上にエキサイティング。
そのため、ウィルとカーターの友情に亀裂が入り、大事件が起こります。
最後は当然仲直りするんだけど、その方法が映画史に残る感動の名シーンです。
あー、その内容を超書きたいけど、説明できないし、ぜひ観てほしいので伏せておきます。

フランスの留学生ディディエは親友ふたりを仲違いさせてしまう元凶だし、
見た目もチャラく、行動もスカしたフランス野郎で、いわば悪役みたいなものですが、
最後の帰国シーンでポロッと情を見せるシーンで少しホロリとしました。
ホントは無理して大人ぶってるだけの、普通の少年ですね。
ウィルや下級生からすると、大人っぽくて憧れの存在に見えますが、
大人からすると、行動がかなり子供っぽくて、何気にかわいいですね。
ディディエは日本で言うところの高校生くらいの年齢ですが、
たしかにボクも小中学生の頃は、高校生ってすごく大人に感じてたけど、
今となってはすごいガキに思えますもんね。
子供から見て大人という、その微妙なラインをうまく描いてして、素晴らしいです。
それも含めて、ウィルたち子供の世界観や想像力もよく表現されていて、
本作は、国や世代を超えた普遍的なノスタルジーを感じられる作品だと思います。

今年の五指に入る名作です。

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