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パートナーズ

近頃、残業が多くちょっと疲れ気味で、ブログ更新も億劫になりがちでしたが、
今日はこのブログサービス内の映画カテゴリランキングで久々に1位になったので、
ちょっと更新意欲が湧きました。
まぁランキングのシステムがわからないので、信憑性は薄いし、
今日の順位も刹那的なものでしかないんですが…。
そもそもサービスの規模が小さく、ここでのトップなんて井の中の蛙です。

近年、映画とテレビの境界が薄くなってきてる気がします。
人気テレビドラマの続編や完結編は映画で公開されるとか、
テレビ局は映画をテレビの上位媒体として利用してますよね。
テレビ放映だけでは収益が見込めないから、映画に活路を見出してるんですね。
それはテレビ局に限ったことじゃなくて、俳優や裏方もそう。
テレビから映画に、映画からテレビにと、人材が盛んに行き来しています。
ボクとしては映画は映画、テレビはテレビで別物であってほしいので、
テレビタレントがひょいひょい映画に出演したり、
映画俳優が連ドラの主演になる傾向はあまり嬉しくないです。

ということで、今日は長年テレビで活躍してきたが、
テレビで仕事の場が減って、映画に活路を求めた監督の作品です。

パートナーズ

2010年11月6日公開。
1頭の盲導犬を通して描かれるハートフル・ドラマ。

知人の死をきっかけに盲導犬訓練士学校に入学した19歳のフリーター小山内剛(浅利陽介)は、2年間の研修期間を経て准訓練士となる。初めて担当する犬は、生後2か月からパピーウォーカーと呼ばれる育ての親の元で10か月暮らしたチエ。チエを盲導犬に育てるべく日々奮闘する剛だったが、彼に懐こうとしないチエに剛は悩む。(シネマトゥデイより)



本作が映画初監督となる下村優監督は、主に2時間ドラマを撮っている監督です。
テレビドラマとしては100本ちかくの作品を撮っているベテラン監督ですが、
近年、火サスをはじめ2時間ドラマ枠が減少し、
お手軽バラエティや映画のテレビ放映に取って代わられています。
2時間ドラマの女王・片平なぎさや、2時間ドラマの帝王・船越英一郎など大御所俳優も、
映画に活路を求めて出演する機会が増えてますが、
2時間ドラマの巨匠である下村監督も例外ではないのでしょう。
今更とも思える60歳を超えての映画監督デビューです。

本作は一匹の盲導犬チエの半生を通じて、盲導犬の3つの出会いと別れ、
すなわち里親であるパピーウォーカーの家族、訓練センターの盲導犬訓練士、
視覚障碍者である盲導犬ユーザーとの出会いと別れを描いた映画です。
しかし、本作において盲導犬は出しに使われただけで、
実際はその他のあまり関係ない社会問題や、余計な展開に時間を多く割かれ、
盲導犬チエのそれらの人たちとの絆を深める交流のシーンが、やけにアッサリしていて、
感動するはずの別れのシーンでも全然感動できない感じになっています。
映画という大舞台に気負ってしまった新人監督にありがちなことだけど、
ここぞとばかりに描きたいことを詰め込みすぎてしまって、
逆に本質が薄れてしまうという、典型的なパターンに嵌ってしまってますね。
いくらテレビではベテラン監督でも、やっぱり映画では新人監督なんですね。

詰め込みすぎた余計なもののひとつめは、無駄な社会風刺。
ワーキングプア、貧困による自殺、犬の殺処分など、
展開からは全く必要ないと思われる、余計な社会問題を盛り込んでいます。
本作は盲導犬がテーマの福祉映画なので、そこに集中すればいいのに…。
このようにいろんな社会問題に首を突っ込み、偉そうに語る人のことを、
グレートマン症候群というそうで、そういう人は他人から嫌われます。

余計なものふたつめは恋愛・青春映画的なノリ。
本来なら盲導犬チエが主役のはずが、本作は浅利陽介演じる訓練士・剛が主役で、
半ば盲導犬そっちのけで、彼の青春物語が描かれてしまっています。
別にひとつのエッセンスとしてそれもアリだとは思うんですが、
恋愛関係になる相手がマズイ…。
相手は自分が初めて受け持つことになる盲導犬ユーザーの若い女性です。
盲導犬訓練士は公的な仕事なんで、公私混同してるのもマズイし、
患者に手を出す医者というか、教え子に手を出す担任というか、
なんとなく倫理的にどうなの?って思いませんか。
盲導犬訓練士という崇高な仕事を貶めてるとさえ感じますから、
盲導犬をテーマにした福祉映画としてはかなりマズイんじゃないですか?
恋愛するなら、盲導犬訓練士学校の同期の女の子といい感じだったんだし、
職場恋愛なら倫理的にも問題ないから、そっちにすればよかったのに…。

余計なものみっつめは音楽映画的なノリ。
ヒロインの真琴(大塚ちひろ)はデビューしたばかりのバンドのヴォーカル。
彼女はバンド演奏中の事故により失明してしまいます。
絶望する真琴ですが、盲導犬ユーザーになるための訓練の中で、
訓練士・剛や盲導犬チエに出会い、再び音楽の道を志し、
盲目のシンガーソングライターになります。
そのライブシーンが本作のクライマックスなんですが、その時の楽曲がイマイチ…。
たぶん本作のために書き下ろされた曲だと思うけど、なんか微妙で感動できません。
物語としての説得力も失ってしまいます。
音楽映画ってのは映画的で新人監督なら一度はやりたいことだろうけど、
音楽映画は音楽の出来が先行するんだから、安易に手を出すと逆効果になります。
しかも真琴のバンド時代に歌った曲は超有名な曲(雨上がりの夜空に)のカバー…。
大事なシーンで安易にカバー曲でお茶を濁そうってんだから、
本作の映画音楽に対する認識の甘さが透けて見えるというものです。

映画としてはグダグダですが、映画監督デビュー作としては仕方ないのかな?
まぁ、この監督はもう2時間ドラマに戻った方がいいと思いますが…。
ただ本作で唯一よかったのは、パピーウォーカーになった女の子(近藤里沙)が、
かなり達者な子役で、かなりいい感じだったこと。
彼女が本作を支えていたおかげで、鑑賞に堪えるラインでギリギリ踏みとどまっています。
犬もまぁかわいいので、犬好きならそれなりに楽しめるんじゃないかな?

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