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さらば愛しの大統領

品川庄司の品川ヒロシがまた映画を撮ってしまったみたいですね。
最近ではお笑い芸人が映画を撮るのも珍しいことではありませんが、
お笑い芸人のくせにド直球のコメディを撮る芸人はいない気がします。
頂点にビートたけしがいて、みんなそれに憧れてるからかもしれないけど、
コメディ撮らないんなら、芸人が監督する意味ないな、って思います。
監督業に限らず執筆活動でもそうです。(特に絵本描く芸人とか痛すぎます。)
コメディ(お笑い)作品で勝負できないんなら、芸人なんてやめちまえ!って感じです。
(俳優がコメディ作品に手を出して、すべり倒しているのはよく見ますが…。)

そんな中、100%お笑い映画『さらば愛しの大統領』を撮ったナベアツは潔いと思います。
これを映画と認めるか壮大なコントと見るかは微妙なところですが、
とりあえず逃げずに本業のお笑いで勝負する姿勢は立派です。

さらば愛しの大統領

2010年11月6日公開。(関西では10月30日から先行公開。)
お笑い芸人で放送作家の世界のナベアツことジャリズム渡辺が監督・出演する
究極のお笑いギャグ・エンターテインメント・ムービー。

大阪府知事選挙に立候補したお笑い芸人の世界のナベアツ(世界のナベアツ)は見事当選を果たすが、すぐさま日本からの独立国家宣言をして、“大阪合衆国”の最初の大統領に就任してしまう。一方、大阪府警にはナベアツ大統領の暗殺予告が届き、府警で有名な迷コンビ、早川刑事(宮川大輔)と番場刑事(ケンドーコバヤシ)が、犯人グループの捜査に乗り出すのだが……。(シネマトゥデイより)



本作は全国ロードショーに先駆けて関西で先行上映が始まったんですが、
できればこのまま関西から出したくない作品です。
それは面白い作品なので関西だけで独占しておきたいとかじゃなくて、
関西以外の人が観てもたぶん面白くないんじゃないかと思うからです。
舞台が大阪だからローカルネタ、内輪ネタばかりで楽しめないということでもなく、
笑いのセンス的に関西人にしか受けないネタばかりだからです。
あ、関西人の笑いのセンスが高いと言いたいのではなくて、むしろ逆で、
吉本新喜劇や明石家定食のようなベタベタなお約束のギャグを好み、
それを楽しめる関西人的な感性がないと全く笑えない惧れがあるということです。

例えば、ナベアツが一世風靡した「3の倍数と3のつく数字の時だけアホになる」ネタが、
ナベアツの代名詞として本作中でも多用されますが、
全国的には去年の流行語大賞候補だった天津木村の「あると思います」ですら
もう忘れ去られているのになのに、3年前に流行した「3の倍数」ネタで
未だに笑える人が関西以外にいますか?
関西人は20年前の流行語大賞であるチャーリー浜のネタでも未だに笑える民族ですからね。
ただ関西人もホントにそんなベタなギャグが面白いと思っているわけではなくて、
お約束ギャグで笑わなければいけないという文化であり、
一種の強迫観念のようなもので笑ってるだけです。
なのでそういう土壌で育っていない関東や他の地方の人には、
なかなか受け入れられない作品なんじゃないかと思います。

関西で先行上映なので、便宜上関西人と言ってますが、正確には大阪府民のことです。
ボクは兵庫県民なので関西人ではあるものの、大阪府民とはまた少し感性が違います。
本作もハードルを低く設定して「できるだけ楽しもう」という意気込みで鑑賞したので、
けっこう笑えましたが、「笑わないでおこう」と思って観れば、
くすりともせずに観終わることもできたと思います。
今思い返してみても、特に面白かったネタやギャグも思い出せないし…。
きっとウ○コやオナラで笑えるくらいまでハードル下げて臨まないと楽しめないですよ。
そんな小学生レベルのネタが多いから、子供なら問答無用で笑えると思うし、
実際小さい子供連れもけっこう来てて、子供たちはキャッキャ喜んでたんですが、
なにしろ主演のひとり番場刑事役がR指定芸人のケンドーコバヤシですからね。
随所に大人の下ネタ、風俗ネタが散りばめられてるわけですよ。
あのピンクローターネタなんて、たぶん子供は理解できないだろうからいいようなものの、
家族連れなんかはちょっと気まずかったんじゃないかな?

あと悪ふざけも過ぎるよね。
良くいえば実験的で斬新だけど、あの取調べ室のNGシーンなんて、
よくあんなに尺使う根性があったなぁと、その図太さに感心します。
NGシーンといっても香港映画のエンドロールにあるような本物のNGじゃなくて、
特番でよくあるドラマのNG大賞をパロったような演出で作られたフェイクNGを、
ストーリーの中盤に差し込むという前代未聞の構成です。
その演出が面白いかは別としても、それにより物語が無意味にメタフィクション化され、
何がしたいのか方向性がぼやけてしまって、作品として不安定になります。
メタフィクションといえば、劇中で本作の台本を書いているシーンもありましたね。
さすがに観客も困惑したようで、そのシーンでは誰も笑ってませんでした。
なんとか奇抜なことをして笑かそうとしすぎて、笑いの感性が一周しちゃった感じです。
ナベアツ監督と共同監督している柴田監督は普段はCMなどの監督らしいけど、
メタフィクションは映画初心者が使いたがる演出ではあるものの、
扱いが非常に難しいので、安易に手を出さない方が無難です。

と、そんなベタなギャグと下ネタと悪ふざけだけの作品で、
地元贔屓で身内(関西芸人)に甘い関西人以外が観ても、きっと楽しめない作品だし、
なによりこれが笑いのメッカである関西の笑いだと思われたくないので、
できることなら関西から出さないでほしい作品です。
もし関東やその他の地方で本作を観てしまった人は、
これは関西人の笑いのセンスではなく、大阪人のセンスだと認識してください。
(大阪でも特に京阪沿線のセンスかな。)

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