ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

桜田門外ノ変

映画の上映時間は90分から120分くらいが丁度いいと思うのですが、
最近の邦画は無駄に長い気がします。
超大作で、頑張ってもタイトに作っても2時間に収まりきらなかった、
…という作品は内容が濃いので2時間以上でもそれほど長く感じませんが、
最近の邦画は無駄なシーンを切らずに長々と垂れ流すことで、
2時間を超えてしまっているものが多く、冗長的で中弛みしてしまいます。
でもTOHOシネマズは、カード会員だと、上映時間分のマイレージが貯まり、
景品などと交換してもらえるので、上映時間の長い映画だとちょっと得した気分に…。
とはいえ、どうせ長い上映時間なら、内容が詰まって長い方がいいに決まってます。

ということで、今日は137分もある邦画の感想です。
特にあの御白砂のシーンは、あんなに長回しする必要があったのか疑問です。

桜田門外ノ変
桜田門外ノ変

2010年10月16日公開。
井伊直弼暗殺事件「桜田門外ノ変」に迫る本格時代劇。

水戸藩士の下級武士の家に長男として生まれ、30歳のときに迎えた12歳年下の妻・ふさ(長谷川京子)や長男の誠一郎(加藤清史郎)と共に穏やかな暮らしを送っていた関鉄之介(大沢たかお)。しかし、藩主父子が井伊大老(伊武雅刀)の専断により処罰されたという急報が、彼の日常に影響を及ぼし始める。(シネマトゥデイより)



タイトル通り本作は「桜田門外の変」に焦点を当てた作品です。
「桜田門外の変」とは、幕末に大老井伊直弼による「安政の大獄」に憤激した水戸藩士が、
登城中の井伊直弼を江戸城桜田門外で暗殺したという事件です。
「安政の大獄」とは、勅令を得ずに日米通商条約に締結したことを、
尊攘派・一橋派に責められた大老井伊直弼が、吉田松陰ら志士を処刑し、
一橋派の水戸藩主徳川斉昭らに謹慎を命じた幕府の弾圧のことです。
ボクの日本史の知識は、中学校で習ったことで止まっているので、この辺が限界です。
本作はその暗殺に参加した尊攘派の水戸藩士の顛末を描いた作品ですが、
そんな藩士ひとりひとりに目を向けることなんてなかったし、
主人公の水戸藩士・関鉄之介なんて志士、一度も聞いたことがありませんでした。

そもそも「桜田門外の変」なんてのは、大老が暗殺されるという幕府の大失態として、
後世への語り草ではあるものの、歴史的に見れば大して意味のない事件で、
結局通商条約も締結されたし、将軍も井伊直弼の推した徳川家茂になったし、
その事件よって何か歴史が動いたわけでもありません。
暗殺は成功したものの、大局的には勝ち戦とはいえず、
そのためか、幕末物作品は数あれど、「桜田門外の変」を中心にした作品はあまりないし、
もし作品にしたとして面白いかどうかは微妙じゃないかと考えていました。

ところが本作はアヘン戦争や日米通商条約など、当時の国際問題を絡めることで、
今の日本の現状に則した興味深い内容に仕上がっています。
通説では「桜田門外の変」は、日米通商条約が原因というよりも、
将軍継嗣問題での大老井伊直弼と、御三家水戸藩主徳川斉昭の対立が引き金であると、
学生時代に習ったような気がしますが、本作では専ら日米通商条約に不満を持った
尊攘派志士たちのクーデターといった感じです。
列強の圧力に屈して不平等条約を締結してしまう井伊直弼の弱腰外交は、
さながら尖閣諸島事件で中国の報復に屈して犯罪者を開放したり、
欧米諸国の顔色をうかがって、ロクな円高是正を行えない弱腰な管直人内閣のようです。
本作はそんな弱腰な売国奴に鉄槌を食らわす映画であり、
そう考えるとちょっとだけ爽快感を得られる映画です。
映画のラストは現在の桜田門から、国会議事堂にカメラがパーンするという、
ちょっと意味深な演出のシーンで幕を閉じるんですが、
これは「国会議事堂にいる売国奴どもを誅殺せよ」というメッセージのように感じました。

ただ、そのクーデターを起こした志士たちの末路は悲惨で、
テロリストとして処刑されたり、捕まる前に自刃したりと、燦燦たる有様…。
結局日本は開国しちゃうわけだし、ハッキリいって無駄死にです。
やっぱりいくら崇高な志があるからといって、
暗殺なんて暴力的な手段では誰も幸せにならないってことですね。
今の日本も何かと苦しい状態だけど、戦争とかテロとか暴力的な手段じゃなくて、
なんとか平和的に解決したいものです。

なんか全然映画の感想になってないですね…。
本作は「桜田門外の変」のシーンを序盤に配置して、
その後の志士たちの顛末を追いながら、井伊直弼暗殺に至った経緯を回想で振り返る、
ちょっと時系列のややこしい構成になっています。
やはり見せ場は20分弱の「桜田門外の変」実行シーンで、
その後、悲惨な志士たちの末路が描かれるという展開なために、
序盤にクライマックスが来て、その後どんどん沈んでいくという、
観る側にしたらちょっとしんどい構成になってます。
「桜田門外の変」参加した志士や関係者たちが、次々死んでいくという重い展開の途中で、
首謀者のひとり高橋多一郎の死に方だけは妙に滑稽で、
笑うべきところじゃないのに、ちょっと吹き出しかけました。
きっとその役を演じてたのが生瀬勝久だったから滑稽に感じたんだと思います。
笑わせる気がなかったんだとしたら、完全なミスキャストです。
あと、主人公の水戸藩士・関鉄之介(大沢たかお)が、
鳥取藩一の剣豪と戦って勝つシーンがありますが、
そんなに強いなら井伊直弼暗殺の時にもっと活躍しろよ!
…と思いました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/375-8d0948cd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad