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十三人の刺客

クエンティン・タランティーノ監督が審査委員長を務めたヴェネチア国際映画祭で、
三池崇史監督の『十三人の刺客』がコンペ部門にエントリーされましたが、
なんでもコンペ部門にエントリーされた作品の多くが、
タランティーノ監督の知人の作品だったようで、公私混同ではないかと疑惑になりました。
三池崇史監督もタランティーノの友人で、結局金獅子賞に輝いたのも元恋人の作品でした。
この疑惑が真実はどうだか知らないけど、芸能界なんて実力よりもコネが大事だし、
所詮は人の選ぶものだから趣味趣向や政治的配慮はどの映画賞にもあります。
映画賞レース大好きなボクがいうのも何ですが、
結局は自分の目で見て良し悪しを判断するしかないです。

ということで、今日は惜しくも金獅子賞を逃してしまった映画の感想です。

十三人の刺客

2010年9月25日公開。
時代劇映画の名作をリメイクした時代劇巨編。

幕府の権力をわが物にするため、罪なき民衆に不条理な殺りくを繰り返す暴君・松平斉韶(稲垣吾郎)を暗殺するため、島田新左衛門(役所広司)の下に13人の刺客が集結する。斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛(市村正親)ら総勢300人超の武士が鉄壁の布陣を敷いていたが、新左衛門には秘策があった。(シネマトゥデイより)



本作は約半世紀もの時を経てリメイクされ、現代に復活した集団抗争時代劇の大作です。
13人対100余人で約50分にも及ぶクライマックスの死闘は、
その長さを感じさせないような迫力で、チャンバラアクションとしてかなり見応えがあり、
それも当然本作の重要な見どころなんですが、それ以上に本作の見どころとなるのは、
豪華俳優の共演ではないでしょうか。
主演の役所広司をはじめ、松方弘樹、市村正親、松本幸四郎、岸部一徳と、
一時代を気付いた現役バリバリの大御所名優がズラリと並び、
その脇を沢村一樹、伊原剛志、古田新太、内野聖陽など、演技派中堅俳優がガッチリ固め、
さらに三池監督らしく、山田孝之、伊勢谷友介、高岡蒼甫など、
ヤンチャ系イケメン俳優が下支えするという、超男くさい硬派な布陣。
まるで和製『エクスペンダブルズ』とでもいった感じの映画で、
日本の名優や人気俳優が次々エクスペンダブル(使い捨て)にされるように果てていく、
なんとも贅沢なキャスティングの映画です。
原作の方も当時の東映オールスター的な作品として企画されたとか。
半世紀前の俳優のことはよく知らないけど、本作はそれ以上に豪華な気がします。
でもそんなのって日本人だからわかることで、外国人にはその有難味は伝わらないし、
個々の識別すらできるのかどうか疑問で、ヴェネチア映画祭に出品したのも、
かなり無謀な挑戦だった気がします。

…いやぁ、それにしても豪華なキャストですね。
エンドクレジットの観てるだけでもゾクゾクします。
さぞ、大御所名優の序列には気を使ったでしょうね。
松本幸四郎の使い捨て方なんて、その潔さに感動すら覚えます。
岸部一徳にも無茶苦茶な汚れ役をやらせてますね。
そんな大御所の中でも、特に松方弘樹が輝いてました。
普段はあまり感じなかったけど、こんな大群衆でのチャンバラシーンだと、
殺陣スキルの高さがよくわかります。
松方弘樹は間の取り方や華麗さが他の俳優と全然違い、魅せるチャンバラです。
ある意味、ひとりだけ浮いてるともいえるんですが、かっこよかったです。

そして中堅・若手ですが、伊原剛志、山田孝之、伊勢谷友介以外は、
それなりに名のある俳優もいるのに"その他大勢"という扱いで、
高岡蒼甫なんて死ぬ寸前まで彼であることに気が付かなかったくらいです。
勿体ない反面、そんな使い方も豪華だと思いました。
でも高岡蒼甫をはじめ、主要キャストの配下役の若手は、
あの大乱戦の中だと、日本人でも識別するのが難しいので、
得物を変えるとか、もっと個性を持たしてもよかったんじゃないかな?
刺客は13人のはずなのに、何度思い返してみても12人しか思い当たらなくて、
帰宅後公式サイトで相関図を見たんですが、
役所広司の配下の波岡一喜を数えていなかったようです。
彼が刺客に加わるシーンってちゃんと描かれてたかな?
もしかして長くなりすぎたからカットされたのかな?

しかしそんな名優、人気俳優を抑えて、本作一番の功労賞は、
なんといっても最狂最悪の敵役を演じきった稲垣吾郎です。
女こどもを白砂に並べて弓矢で射殺したり、給仕の女を強姦してその旦那を殺したり、
女の手足を切り落として達磨状態にし慰み者にしたりと、その傍若無人っぷりも凄いけど、
(達磨女のシーンはトラウマもののインパクトでした。)
飯を犬食いしたり、命を狙われながらも嬉々としているイカレ度合が半端ないです。
ジャニーズ史上、あんな残虐非道な異常者を演じた人は初めてなんじゃないかな?
ラストの泥まみれの無残な姿なんて、常に髪の乱れとか身だしなみばかり気にしてる
吾郎ちゃんのイメージからは想像もつかないような汚れっぷり。
一歩間違えば自分の商品価値に傷をつけかねない危険な役柄ですが、
あそこまで徹底しているとむしろ清々しく好印象です。
見事にSMAPの殻を打ち破った怪演でした。
吾郎ちゃんは今度の月9でも非道なダメ男を演じるみたいですね。
SMAPの人気も陰ってきたし、アイドル脱却を図ってるのかな?

だいたい文句なく面白い映画だったけど、伊勢谷友介のキャラは、
リアリズムを重視する集団抗争時代劇としては現実離れしすぎです。
特にラストなんて、最後にもうひと笑い作りたかったんだろうけど、
それまでのリアリズムをすべて台無しにしている気さえしました。
あと、吹石一恵のひとり二役も何の意味があったのか…?

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