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君が躍る、夏

今日感想を書く『君が躍る、夏』は高知が舞台ですが、
最近観た邦画だと、『オカンの嫁入り』は大阪の下町、『悪人』は北九州、
『ハナミズキ』は北海道、『君に届け』は栃木と、地方が舞台の物語が多いです。
他にも最近は地方が舞台の映画が多いんですが、
それってたぶん、東京は情緒がなくて、物語が生まれにくいからでしょうね。
テレビドラマは予算の都合で都内ロケばかりだけど、映画なら全国どこでも撮れるから、
せっかく映画撮るなら地方に行きたいんじゃないかな、と思います。

で、地方を舞台にするといつも気になるのが方言です。
もちろんその土地出身の役者ばかりなわけないから、
ほとんどの場合、セリフの方言指導されるわけだけど、
所詮はにわか仕込みだからやっぱり妙なところがあります。
ボクは関西人なんで関西弁の違和感にはすぐに気が付きますが、
あまり馴染みのない土地の言葉でも、上手い人と下手な人が出演してると、
なんとなく「何か変だ」ということはわかります。

ということで、今日は今流行の土佐弁がいっぱいの映画の感想です。
『龍馬伝』の影響で土佐弁話している役者が土佐藩士に見えます。(特に五十嵐隼士。)
本作は現代劇だけど、ホントに今でもあんなコテコテの方言使ってるの?
わては関西弁やけど「でんがな、まんがな」いいまへんで。

君が躍る、夏

2010年9月11日公開。
高知県のよさこい祭りを舞台に、実話をベースに描く感動ストーリー。

カメラマンを目指して東京でアシスタントとして働く新平(溝端淳平)は、母が入院した知らせを受けて5年ぶりに帰郷する。病院で高校時代の恋人・香織(木南晴夏)や、その妹で難病を患っているさくら(大森絢音)と再会した新平は、さくらと一緒によさこい祭りで踊る約束を思い出し、旧友たちと共に踊ることを決意する。(シネマトゥデイより)



本作は、小児がんを患い、余命僅かだと宣告された幼い女の子が、
よさこい祭りに参加して踊ったという実話がモデルになっています。
ボクも、その女の子に密着したドキュメンタリー番組でその話を知って、
本作に興味を持って観に行ったんですが、ずいぶん想像と違う作品でした。
モデルがそれだけに、難病もの映画だと思ったんですが、まさかの青春恋愛映画…。
主役は難病の女の子ではなく、その女の子の姉と、その姉の彼氏です。
ちなみに実在する難病の女の子にはお姉さんはおらず、
その主役2人は全くのオリジナルキャラです。
難病にも負けず健気に頑張る女の子の感動の物語だと思ってたのに拍子抜けしましたが、
それもそのはず、もともとこの作品が実話を基にしてるなんてのは建前で、
はじめからよさこい祭りを舞台にした青春映画を撮るという企画でスタートし、
その取材過程で棚ぼた的にたまたま見つけた難病の女の子の話を、
絶好のネタとばかりに組み込んだ映画だったようです。

しかも組み込み方が酷いです。
そのドキュメンタリー番組で、運動会の100メートル走に出場しようとする女の子に、
「なぜ無理してまで走るのか」と質問したところ、女の子は涙をこらえて、
「ばあちゃんに見せてあげたいから。来年死んだら悔しいし…。」って答えました。
女の子が病をおしてまでよさこい祭りに参加することにしたのは、
母親に精一杯生きてる姿を見せておきたいからだと思います。
7歳の女の子がすでに自分の死と向き合っていて、
今のうちに家族に元気な姿を見せてあげたい…、と。
ボクの4分の1ほどの年齢の少女が、すでにボクの何百倍も親孝行しています。
だけど本作はそんな彼女の心境が全く描かれておらず、
それどころか逆に、自分がよさこいで踊りたいがために、
家族やチームに迷惑をかけまくっている我儘な子にさえ見えます。
特に姉の彼氏である新平(溝端淳平)が、チームを抜けて東京に帰る時に、
「私のために帰らないで」みたいなことを言いますが、
実際の女の子はそんな利己的なことは絶対に言わないはずです。
その女の子やその家族が承諾してるんだから外野がとやかく言うことじゃないけど、
どうも誠実さに欠けるというか、釈然としないものがあります。
ちなみにその女の子も、ちょっとだけカメオ出演してるみたいです。

別にその実話をねじ込んで難病もの風に仕上げなくても、
青春映画としてはなかなかいい映画だったので、
逆に無理に難病ネタをねじ込んだことで不誠実に感じてしまったのは残念です。
よさこい祭りが舞台ということで、高知県のPR映画でもあったんだけど、
無意味に観光名所(高知城、桂浜、ホエールウォッチングなど)が映ったり、
随所に坂本龍馬ネタを盛り込んだりと広報活動に余念がありませんが、
女の子の父親が、急にお遍路さんに旅立つのは、いくらなんでもやりすぎ。
悪ふざけにしか思えません。
あと新平の先輩役のDAIGOが「ただいまウィッシュ」とか「ばたんキューキュー」とか、
自分の持ちネタをセリフに織り込んでくるのも悪ふざけがすぎます。
普通の青春映画なら、そんなネタも笑いどころとして歓迎するけど、
仮にも真面目な実話をモデルにしてると謳ってるんだから、
悪ふざけは自重すべきです。

あと、これはモデルになった実話を知らなかったと仮定しての意見だけど、
最初にテロップで「モデルの女の子は今も元気です」みたいな文章を流すのは、
重大なネタバレだと思います。
もちろん今でも元気なのは喜ばしいことだけど、
ふつうならエンドロールで流すもんでしょうに…。

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