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ルー=ガルー

小説家・京極夏彦は自身の小説のリーダビリティ(読みやすさ)の向上のために、
ひとつの文がページをまたがないようにページレイアウトしているそうです。
ボクもリーダビリティのために、一行の文字数を全角39文字以内で改行してます。
なるべく一行に20文字以上、行末は句読点で終われるように計算しながら書いてます。
これが枷になることも多くて、このせいで変な文になってしまうことも多いです。
でもこの自分ルールがあってもなくてもボクの文章の拙さは大差ないから、
せめて見栄えだけでも整えておきたいと思って努力してます。
ただボクのパソコンのブラウザで見るとちょうどいい感じになってるんですが、
ブラウザや解像度が違うと、逆に読みにくくなる人もいるかもしれませんが…。
(特にケータイだと全然ダメぽいです。)

そういえば芸能人のブログ(特にアメブロ)って、やたら改行しまくってますが、
あれってケータイのアクセス数稼ぐためにやってるんですってね。
そうゆうところは、だいたいトップページにも一記事だけなので、
過去ログや続き読むのに、いちいちリンク開くのがメンドイです。
トータルアクセス数稼いで、人気ブログに見せかけるあざとい手段で、
あいつらはリーダビリティなんて全く考えてません。
(そもそもユニークアクセス制じゃないこと自体がおかしいよね。)
そんな底意地の汚い輩は普段の芸能活動にも表れるのか、
ボクがいいなと思う芸能人には不思議とそうゆう人は少ないです。

ということで、今日は京極夏彦の小説が原作の映画の感想です。
映像化しちゃったらリーダビリティなんて関係ないですね。

ルー=ガルー

2010年8月28日公開。
人気作家・京極夏彦の小説を、Production I.Gが映像化したSFサスペンス・アニメ。

学校という制度がなくなった数十年後の日本、児童たちは情報端末で監視され、他人と会うのは週に一度という生活を送っていた。安心安全な管理社会のはずだったが、ある日、少女のみを狙う連続殺人事件が発生。事件に巻き込まれた十四歳クラスの21班に所属する少女・牧野葉月や神埜歩未らは、事件の真相を暴こうと立ち上がる。(シネマトゥデイより)



奇譚小説、妖怪小説で有名な京極夏彦のSF小説を、美少女アニメ化するなんて、
一体どんなものができるんだろうとかなり期待していたんですが、
出来上がってきたものは単なる美少女アニメでした。

原作は読んだことありませんが、なんでも京極夏彦がアニメファン層をターゲットに、
アニメ雑誌などでアイディアを募集して、そのネタを織り交ぜながら、
柄にもなく近未来SFを書くという、企画モノ小説だったみたいです。
そのチャレンジは興味深いものだけど、美少女モノとか近未来SFとか、
やっぱり京極夏彦の作風には合わなかったんじゃなかろうかと思いました。

特に近未来という設定があまりにも適当すぎるというか、
既視感バリバリで、なんの目新しさも感じない世界観になってます。
その上近未来の社会システム設定に穴がありすぎて、リアリティがありません。
本作は、人間同士が情報ネットワーク端末上で接触するのが普通で、
現実の人間関係が極端に希薄な管理社会が舞台です。
そんな中で育ったために、コミュニケーション障害になった女子高生が主人公で、
そんな彼女が友達との交流を通して、情報端末上外のリアルな世界に目覚めていく。
…という話なんですが、まずその情報端末で交流するシーンがほとんどなく、
その管理社会のネットワークシステムは、警備システムとしてしか描かれていません。
リアルの友達も天才ハッカー少女や、格闘家の中国人少女、陰のあるボクっ娘など、
完全にアニメキャラ丸出しの非現実的なキャラ設定で、
リアル世界の人間関係の方がよっぽどリアリティに欠けています。
(主人公の少女も普通の子だけどちょっと百合っぽいです。)
後半のアクションシーンなんて、警備ロボットとか搭乗型ロボットとか、
無感情で人を殺せる少女とか、完全にゲームの世界ですからね。
ネトゲ廃人とかSNS中毒とかケータイ依存症とか、ネットに過度に依存することで、
現実でのコミュニケーションが希薄になる風潮を揶揄する内容だと思うけど、
こんな適当な設定では、全く現実でのコミュニケーションの重要性を説けてません。
ラストも結局その異常な管理社会から脱却したわけじゃないし…。

それ以前に、そんな近未来設定自体が全く余計な設定で、
本作のメインとなる少女連続殺人事件にはあまり関係ないものなんですよね。
たぶんケータイ程度の情報端末があれば、現代が舞台でも十分書けた内容です。
まぁその事件の顛末自体が、あまりにお粗末なものなので、
近未来であれ現代であれ、矛盾だらけでどうしようもないものです。
6人の少女が何者かに殺されて、臓器だけを持ち去られるという猟奇事件で、
最後に取って付けたように語られる犯人の動機は、けっこう衝撃的なもので、
奇譚小説家の京極夏彦らしいと思ったのですが、あの動機だとすると、
殺された少女たちが全員アニメが好きだったという設定が全く意味がなく、
6人目の少女を殺そうとしたアニメオタクたちの目的も全くわかりません。
アニオタを異常者扱いしたかっただけかな? アニオタ向けに書いてるのに…?
終わり方もなんだか有耶無耶な感じでスッキリしません。

本作は実在するアイドルグループ"SCANDAL"をやたら推していて、
劇中で挿入歌や挿入PVアニメを流したり、声優までつとめてますが、
これも特に物語に絡んでくるものではないため、余計な演出です。
まぁタイアップなんてそんなもんですが…。
劇中のPVアニメはSCANDAL本人たちをモーションキャプチャーしたCGキャラだけど、
そのCGキャラに合わせているのか、登場人物が妙にツンツルテンなデザインで、
お世辞にも絵が上手いとは思えませんでした。
アクションシーンの作画もガタガタで、特に中国人少女の髪の動きが不気味です。

舞台設定も物語構成もアニメーションも、全て作り込みが甘い作品でした。
なにより餅は餅屋で、京極夏彦に近未来SF美少女アニメは厳しいと思われます。
普通にルー・ガルー(狼男)の小説書いてもらってアニメ化すれば、
ベニチオ・デル・トロの『ウルフマン』よりは面白い映画になったと思います。

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