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東京島

チリのコピアポ鉱山落盤事故で17日間も坑内に閉じ込められた33人の作業員が
全員生存していたってニュースが最近話題ですが、なんかスゴイですよね。
先の見えない状況で、少ない食料や水を分け合って生き延びたって話ですが、
大概の映画や小説だと、そんな極限のサバイバル状態だと、
人間関係の確執とか、食べ物を奪い合いで殺しあったりするじゃないですか。
人間ってそうゆうドス黒い生き物だと思ってたけど、この事故の報を聞いて、
そんなに捨てたものでもないかもしれないと思いました。

たぶんこの事故もいずれ映画化されたりするんだろうけど、
美談として映画化されるためにも、一人も欠けることなく救出されることを祈ります。
(もちろん映画化されなくても全員無事な方がいいけど。)
まだ救出までは何か月もかかるらしいけど、みんな仲良く健康で。

ということで、今日はサバイバル状態で実際に起こった事件をモチーフに、
欲と嫉妬にまみれたドス黒い人間たちを描いた映画の感想です。

東京島

2010年8月28日公開。
直木賞作家・桐野夏生小説を原作にしたヒューマン・ドラマ。

清子(木村多江)と夫(鶴見辰吾)が漂着した無人島に、23人の若い男たちが次々に流れ着くが、女性は清子のみ。いつまで待っても助けの船は来ず、いつしか島を“東京島”と呼ぶようになる中、彼女はただ一人の女性として特別扱いを受けてしたたかに生き抜く。月日は流れ、島に安住しようとする男たちにいら立つ清子は、脱出のための行動を開始する。(シネマトゥデイより)



逆ハーレム状態のドタバタを描いたコメディなのか、
絶海の孤島に取り残された人たちの脱出サバイバルなのか、
殺人事件にまで発展する極限状態でのサスペンス・スリラーなのか、
狭いコミティ内で起きる人間関係を描いた寓話なのか、
何もかもが中途半端で、一体何が描きたかったのかよくわからない作品でした。

無人島でのサバイバル生活の考証が疎かになっているし、
人間がちゃんと描かれていないので、ドラマとしてのリアリティが皆無で、
SFドラマ『LOST』よりも非現実的な印象を受けます。
かなり絶望的な状態なのに、誰一人として悲壮感を感じさせません。
しかも少なくとも1年以上は無人島に取り残されているはずだけど、
四季もなければ、物資も枯渇しないし、髭や髪も伸びなければ、衣服も全く汚れず、
全然時間の経過を感じさせないので、2週間程度の物語に思えます。
とにかくサバイバルしてるとは思えないくらい映像が小奇麗で、
まるで能天気にビーチリゾートを満喫しているようにしか見えません。

原作では普通の中年女性が主人公ですが、本作は木村多江です。
幸薄そうな役柄が多い演技派女優で、美貌が売りの女優ではないとはいえ、
一般の中年女性から比べれば圧倒的に美系だし、
特にプロポーションは明らかに一般人とは違います。
男のキャストもイケメンが多く、体系も細マッチョばっかりです。
(髪型が全く崩れなかったり、髭が全く生えない奴までいます。)
それは邦画初の衣装提供してくれたエルメスに対する大人の事情かもしれませんが、
一般向け娯楽映画だし、観客も小汚く身窄らしい俳優なんて見たくないだろう、
という配慮かもしれません。
まぁたしかに中年デブ女のラブシーンなんて見たくないし、
美男美女の方が見栄えはいいでしょうが、映画の説得力が全くなくなります。
"読む分には面白いけど映像化すべきではない作品"のいい例です。

考証は無茶苦茶、登場人物の行動原理も無茶苦茶な作品ですが、
その無茶苦茶さが功を奏して、全く予想できないストーリーなので、
ある意味最後まで気が抜けない作品になっています。
次々漂着してくる自称与那国島のフリーターや中国人密航者も、
素性がちゃんと語られるわけではないのでミステリアスだし、
清子(木村多江)の2番目の夫・カスカベ(山口龍人)を殺した犯人も謎なので、
ラストになにか衝撃的なドンデン返しがあるんじゃないかと思ったし…。
でも実際のラストは、そんな衝撃的な展開は全くなく、
考えうる限り最悪に近い適当な終わり方で拍子抜けしました。
あまりのことに、もう劇場中失笑です。

矛盾だらけの映画で、ツッコミだしたらキリがないんですが、
ラストだけはあまりに酷いんで、ネタバレになるけどツッコまずにはいられません。
主人公・清子と他2名が島から脱出したと思ったら、
いきなりシーンが10年後に飛んじゃいますが、
10年後も島では取り残された人たちがサバイバルを続けているのに、
脱出できて日本に帰ってこれたなら、残された人たちも助けに行け、と。
清子は自分の子供まで島に残してるのに、なぜ助けに行かないのか…。
しかも日本で自分を見捨てたワタナベ(窪塚洋介)とヨロシクやってるなんて…。
島も清子のいた時は短い期間に30人近く漂着したのに、
その後10年間ひとりも漂着してないのはおかしいでしょ。
始めから最後まで適当すぎます。

全く内容のない映画でしたが、窪塚洋介の映画俳優としての存在感と、
エルメスのスカーフが頑丈なことはよくわかりました。

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