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NECK ネック

一昨日はホラー冒険ファンタジー、昨日はドッキリホラー映画、
そして今日は胸キュン・ホラー・エンターテインメント映画と、
ちょっと変わったホラー映画の感想記事が続きましたが、
そろそろ夏も終わり、ホラー映画のシーズンも終わってしまいます。

でもアメリカは秋のハロウィンシーズンがホラー映画のシーズンです。
今年はSAWシリーズの完結作『SAW 3D』を筆頭に、
あの大ヒット・フェイク・ドキュメンタリーの続編『Paranormal Activity 2』や、
話題の瑞映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド・リメイク『Let Me In』、
他にも『My Soul to Take』や『Case 39』など、注目作が目白押しです。
どれも楽しみですが、ほぼ同時公開される『SAW 3D』以外は、
日本でもちゃんと公開されるかどうか微妙なところです。
(『Case 39』は日本ではなぜかすでにDVD化されてるみたいです。)
日本のホラー映画ではハロウィンシーズンに、
『劇場版ほんとうにあった怖い話3D』が公開になります。
昨日放送していたの「はい、吾郎さん」でお馴染みのヤラセ番組
『ほんとにあった怖い話』とは別物みたいです。

ということで、今日は今夏最後のホラー映画の感想です。

NECK ネック

2010年8月21日公開。
人気作家・舞城王太郎が映画作品のために書き下ろした胸キュン・ホラー。

生まれて初めて恋をした大学生の首藤友和(溝端淳平)。恋の相手は誰もがあこがれる女の子、真山杉奈(相武紗季)。勇気を振り絞って告白した首藤は、杉奈の研究室に呼ばれる。そして、大きな木箱“ネックマシーン”に入れられ、首だけを出した状態でホラー映画を見させられるが……。(シネマトゥデイより)



最近はホラー映画もマンネリで飽きられてきたのか、
コメディと融合したホラーコメディがたくさん制作されています。
対極にあるふたつのジャンルが合わさるというのは興味深い試みだけど、
それだけにバランスが難しく、大抵はどちらかに偏ったものになります。
『ゾンビランド』のように、ほとんどの場合はコメディ色が強くなりますね。
そんな中で本作は、コメディとホラーのバランスが絶妙に取れた作品だと思いました。
たしかにホラー映画と思って観ると怖いシーンは少なくて、ほのぼのしすぎだし、
コメディとして観ると一部のシーンが怖すぎるし、大爆笑できるものでもなく、
どちらも中途半端という印象があるのは否定できませんが、
これ以上怖すぎても面白おかしくしてもバランス崩れるし、
いい塩梅で成り立っている作品だと思います。
単に怖くするだけなら、いくらでも怖くできたと思うんだけど、
(たとえばオバケの人形をあんな芸術的なものではなく不気味なものに変えるとか。)
バランスを取るために意図的に怖さを抑えているように思いました。
オカルト映画をよく観る人は、本作がちゃんとホラーしてることに気付くはずですが、
ポスターの雰囲気からもわかるように、本作はラブコメぽい売り方をしているために、
観客の大半はオカルト映画のファンではないと思うんですよ。
だからほとんどの人は本作を「変わったコメディ」くらいにしか思わなそうですが、
オカルト好きからすると、本作はかなり画期的な作品ということがわかるはずです。

子供の頃、自分が創作した怪談話が実際に起るという経験をした杉奈(相武紗季)は、
「幽霊や怪奇現象は人が想像することで実体化する」という仮説を立て、
それを実証するためにオバケ製造機"ネックマシーン"を考案する、という物語。
昔から「幽霊の正体見たり枯れ尾花」なんてコトワザ(?)がありますが、
疑心暗鬼な状態だと、揺れる枯れススキも幽霊に見えてしまう、という意味です。
心霊写真で人の顔みたいなものが見えるとか、幽霊の目撃談とか、
心霊体験は大抵の場合、コレで説明が付きます。
「怖いと思うから怖いものが見える」というのは幽霊否定派の常套句ですが、
それを「怖いと思うから怖いものが出てくる」と解釈を変えて、
ホラー映画にしてしまったところが、本作の画期的なところです。
幽霊や怪奇現象を似非科学で証明する、オカルトでオカルトを否定するという、
オカルト好きなら絶対に興味をそそられる内容だと思います。

劇中の幽霊も登場人物たちの想像による産物であり、
悪霊だと思えば悪霊になるし、味方だと思えば味方になります。
また、その理論なら空想すれば幽霊じゃなくても出現することになります。
人の空想したモノが現実に具現化する(してしまう)というのは、
少年漫画やファンタジー映画ではよくある設定だけど、
それをホラーに応用してしまった着眼点が素晴らしいです。
本作はこの映画のために書き下ろされたオリジナル・ストーリーですが、
その発想の原点は、たぶん『ジョジョの奇妙な冒険』第6章のスタンド、
"ボヘミアン・ラプソディー(自由人の狂想曲)"じゃないかなと思いました。
オチとか結構似てる気がしますし、ジョジョっぽいキャラも登場するので…。
まぁそれは単なるボクの思い込みですが、本作はストーリー構成がとても映画的で、
ストーリーが蔑ろにされがちなホラー映画としては、かなりよくできた脚本です。
伏線がしっかりしていて「おお、そこでそうきたか!」って感じの爽快感があります。
半分コメディとはいえ、こんなに鑑賞後感のスッキリしたホラーは他にないです。

オカルト映画としては、ちょっとしたエポックメイキングな作品でしたが、
当初の印象どおりラブコメだと思って観ると、全然胸キュンしないし、
そもそも変わり者の登場人物ばかりで、まともな恋愛要素なんてほとんどありません。
なので相武紗季と溝端淳平のラブコメとして観ると、肩透かしを食らいます。
あと、相武紗季の福井弁(?)は可愛くて和みました。

余談ですが、幽霊見えるとか霊感体質とか言ってる人って、
ホラ吹きかただの目立ちたがりだと思ってたけど、本作を見て、
本気で幽霊が見えると思い込んでる人っているのかもしれないと思いました。
そんな人が"ひとりかくれんぼ"でもしようものなら、
ただの家鳴りでも米が弾ける音に聴こえるんでしょうね。
何でもないことでも霊体験だと思えるなんて、人生楽しそうで羨ましいです。

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