ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

劇場版 怪談レストラン

ボクは長らくテレビアニメは『クレヨンしんちゃん』しか見てなかったんだけど、
今年の4月からテレビ東京系『最強武将伝・三国演義』も見るようになりました。
中国のアニメらしいのですが、FLASHアニメみたいな独特な動きで、
なんだか京劇を見ているようで斬新です。
桃園の誓いから晋統一までを1年で描くらしく、テンポのよさも尋常じゃありません。
大人気アニメ『ONE PIECE』の裏番組なんで、見てる人がいるのか疑問で、
最後まで打ち切られずに放映されるのかちょっと心配ですが…。

打ち切りといえば、
最近テレビシリーズ終了後に突如劇場版が公開されるアニメが多いですよね。
『銀魂』とか『あたしンち』とか、今日感想を書く『怪談レストラン』とか。
劇場版になるくらい人気あるなら、なんで打ち切りになるんだろう?
…って思って、『怪談レストラン』の終了理由について人に訊いてみたら、
打ち切りじゃなくて放送期間が満了しただけみたいですね。
深夜アニメがクール制なのは何となく知ってたけど、
最近はゴールデンでもクール制をとってるみたいですね。
どんだけ人気あっても終わるし、どんなに人気なくても途中では終わらない。
ということは『最強武将伝・三国演義』も終わらないってことですが、
素人考えだと、このシステムでは制作者のモチベーションが上がらなくて、
同じくクール制をとってきたドラマの凋落と同様に、
どんどんテレビアニメも面白くなくなるんじゃないのかな?
まぁクール制の方がいろんな作品にアニメ化のチャンスが回るからいいのかな?

といことで、今日は6月でテレビシリーズが終了したアニメの劇場版の感想です。

劇場版 怪談レストラン
怪談レストラン

2010年8月21日公開。
シリーズ累計800万部を売り上げる児童小説を映画化したホラー冒険ファンタジー。

人々が突然姿を消す怪事件に見舞われた山桜市。死神からのメールに返信しなければ、連れ去られてしまうといううわさだった。ある日、中学生ハル(工藤綾乃)の妹で小学生のマイが行方不明になってしまう。怪奇現象専門の探偵、通称“カイタン”のハルは、妹マイを救うために死神メールの謎を追う。(シネマトゥデイより)



90年代中盤は『トイレの花子さん』とか『地獄堂霊界通信』とか、
児童向けのホラー・ファンタジー映画がよく制作されてました。
ボクも当時は子供でしたが、特に『学校の怪談』シリーズが大好きで、
毎年クラスメイト数人と一緒に観に行くのを楽しみにしてました。
児童向けホラー・ファンタジーは基本は小学生以下のチビッコ向けなので、
下手するとトラウマになってしまうような恐怖表現は使えず、
人も全然死なない健全な内容なので、あまり怖くありません。
でも怪談やホラーの魅力って怖いだけじゃないわけで、
怖さを制限された児童向けホラー・ファンタジーは、怪談のストーリー性だとか、
幽霊や妖怪のキャラとしての魅力を純粋に描いているので、なかなか面白く、
児童たちのホラーに対する情操教育に役立っていたと思います。
ボクも今では立派なホラー映画大好き青年になってしまいましたが、
その下地は子供時代に観た、児童向けホラー・ファンタジー映画だと思います。

90年代後半になると、ガチで怖いJホラーや、ティーン向け都市型ホラーが隆盛し、
児童向けホラー・ファンタジーはほとんど姿を消したように思います。
それもあってか、最近の若い人はあまりホラー映画を観なくなってる気がします。
今の小学生だって怪談には興味あるだろうけど、その受け皿がない状態でしたが、
Jホラーブームが過渡期を迎えたゼロ年代半ばあたりから、
ホラー情操教育の必要性が見直されだしたのか、
『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』や『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』など、
再び児童向けホラー・ファンタジーが増えてきた感じです。
その最たるもののひとつがテレビアニメ『怪談レストラン』で、
まさか怪談をゴールデンでやるなんて危険な賭けだと思いましたが、
なかなか好評だったようで、このたび劇場版になったわけですね。
(ボクはテレビアニメ版は見れてないんですが…。)

…と思ったんだけど、これは「劇場版」を名乗るには憚られる内容で、
100分の上映時間のうち、アニメパートは前半10分だけ。
残り90分はほぼオリジナルの実写映画になっています。
これはテレビアニメ版が好きで観に行ったチビッコはガッカリしますよ。
ボクはアニメ版のファンで観に行ったんじゃないけど、
"アニメとCG、実写の融合"というフレコミから、
『ロジャー・ラビット』『スペース・ジャム』、または『いけちゃんとぼく』みたいな
意欲的なものを想像してたから、完全にアニメと実写にセパレートされてて、
全く"融合"してないことに憤りを感じました。
アニメのオリジナルキャラは知らないけど、怪談レストランって、
代表的な"オバケギャルソン"をはじめ、原作小説にも登場する
かわいいデザインのオバケキャラたちがセールスポイントなはずです。
そんなオバケキャラがほとんど登場しない、登場しても似ても似つかない
かわいくない姿に実写化されているという残念な状態で、
これで「劇場版」を名乗るのはアニメ版ファン、原作ファンへの裏切りです。

まぁ原作とは全然違うけど、実写パートが作品として面白ければ結果オーライですが、
実写パートの出来があまりにも酷すぎます。
浅くて内容のないストーリーに、魅力のない登場人物とオバケたち、
怖くないのは仕方ないが、悉く滑りまくるお寒いギャグの数々…。
特殊効果の拙さやお遊戯レベルの演技は児童向けと侮って作ったからだろうけど、
全体的にここまで酷いのは、監督の人選をミスってるからだと思います。
監督は『感染』『シャッター』など、世界でも活躍する怪奇映画の巨匠・ 落合正幸。
彼はガチで怖いホラー映画撮らせたら才能のある人だと思うけど、
怖いものを撮るという才能を意図的にセーブしてしまったら、
後には何も残らなかったという感じです。
特にコメディの才能は皆無で、ある意味では怖いホラー映画よりも涼を感じられます。
一カ所だけ落合監督本来の才能を生かした怖いシーンがあったけど、
そこ以外はホントに酷いものでした。
ボクが児童の頃に観た『学校の怪談』シリーズなどホラー・ファンタジーは、
映像は児童向けだったけど、興奮あり感動ありのシッカリしたストーリーでした。
(トラウマにならない程度の怖さもちゃんとあったし。)
だからこそ子供心に怪談やホラーに興味を持てたわけだけど、
本作みたいな駄作だと、チビッコがホラーに興味を失ってしまう惧れさえあります。

本作はたぶんアイドル映画なんですよ。
国民的美少女コンテストグランプリの工藤綾乃の初主演映画を撮るために、
人気アニメ・児童小説『怪談レストラン』の名を借りて作ったアイドル映画です。
14歳の工藤綾乃が主演ということが前提だから、
小学校が舞台だったアニメの実写化という形はとれず、
中学校が舞台のオリジナル作品にしたんでしょうね。
児童向けなのに中学校が舞台という時点ですでにズレてますが、
工藤綾乃以外の中学生役のキャストは年齢的にも20歳近く、全然中学生に見えません。
(なのに演技力は小学生にも劣るレベル…。)
もうね、『怪談レストラン』である理由が全くないわけですよ。
これなら工藤綾乃主演でティーン向け都市型ホラー映画を撮った方が、
落合監督の力を発揮できるだろうし、まだ面白かったはずです。
『怪談レストラン』を実写化するなら、工藤綾乃の妹役のさくらまやを主演にして、
ちゃんとアニメの実写版として撮った方がよかったと思います。

大人のボクにとっては褒めるところがひとつもない作品でしたが、
比較対象の少ないチビッコにとっては、これでも十分楽しめるかもしれないです。
でもそれを見越して児童向けと侮った映画製作の安易な姿勢に憤りを感じました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/340-f72c5630
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad