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ゾンビランド

全米でも全体的には映画産業は絶好調というわけでもなさそうなんですが、
ここ最近、歴代記録を塗り替えるような作品が乱発されている気がします。
ざっと例を挙げても、去年末公開で史上最高の興収を上げた『アバター』を筆頭に、
SFとしてはそれに次ぐオープニング成績だった『インセプション』。
深夜ロードショー興収記録と歴代水曜日興収記録を更新した『エクリプス』。
ピクサー史上最大のヒットで、現時点で今年No.1ヒットの『トイ・ストーリー3』。
それを越えるアニメ映画史上歴代4位のデビュー『シュレック・フォーエバー』。
カンフー映画史上オープニング成績歴代2位の新『ベスト・キッド』。
3D映画のオープニング興収で歴代記録を更新した『アリス・イン・ワンダーランド』。
全米歴代オープニング成績5位の『アイアンマン2』などなど、
以上は今年樹立されたものだけですが、毎週のように記録が塗り替えられていきます。
記憶に新しいところでは『ハングオーバー!』もコメディ歴代1位だったかな?
まぁアメリカは映画料金が上がってるらしいんで、
一概に興収が過去最高だから歴代1位とは言い切れないみたいですけど、
ポンポン記録が塗り替えられると、何か景気がよく感じますよね。

ということで、今日は全米ゾンビ映画史上No.1大ヒット作品の感想です。
でもボクの記憶では新『ドーン・オブ・ザ・デッド』がNo.1だった気が…。

ゾンビランド

2010年7月24日日本公開。
ゾンビ映画史上最大の収益を上げたコメディ・ゾンビ映画。

人類の大半が人食いゾンビと化した世界で、引きこもり青年のコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ゾンビの世界で生き残るためのルールを作り、それを実践して生き延びてきた。故郷へ向かう旅の途中、屈強な男タラハシー(ウディ・ハレルソン)、したたかな姉妹ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)に出会い、ゾンビがいないとうわさされる遊園地を目指してサバイバルの旅を続ける。(シネマトゥデイより)



う~ん、これってあんまりコメディ映画じゃないかも…?
コメディ・ゾンビ映画の名作といえば『ショーン・オブ・ザ・デッド』があります。
イギリスのゾンビ映画で、日本では見事にDVDスルーとなりましたが、
ロメロ大先生系統の正統派ゾンビ映画をパロった内容で、とても面白かったです。
(パロディですがゾンビ映画の中では1、2を争うおもしろい作品です。)
本作も前宣伝からそれと似たような匂いを感じたんですが…。

本作の主人公コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、
過去のゾンビ映画を参考(?)に、ゾンビ映画のいわゆる死亡フラグを回避するために
"ルール2、二度撃ちして止めを刺せ"や"ルール31、後部座席を確認しろ"など、
自分で作った32のルールを遵守することでゾンビだらけの世界を生き抜いています。
この様なお約束を揶揄するという展開は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』や、
ホラー映画のパロディ『最終絶叫計画』でもやっていた、パロディの常套手段です。
なので本作もゾンビ映画のパロディなのは間違いないでしょうが、
パロディのわりにはドラマとしてシッカリ作られすぎていて、
パロディ映画の域を出てしまい、普通の正統派ゾンビ映画になってます。
コメディとしても、軽いジャブ程度のネタは随所に散りばめられてるんですが、
大ネタは2つくらいで、笑える作品としてとして観てしまうと、
あまりの笑いどころの少なさに拍子抜けしてしまいます。
(ボクが笑ったのは、ビル・マーレイのところくらいかなぁ?)

コメディとしてはそんな感じでしたが、本作はコメディやホラーだけでなく、
アクションあり、ロードムービーあり、ラブストーリーありで、娯楽性は高く、
ゾンビ映画ファン以外でも無難に楽しめる作品です。
特にアクションにはかなり力が入っていて、ゾンビの襲撃シーンなどは
普通のゾンビ映画よりも臨場感があり、迫りくるゾンビはなかなかの迫力です。
それは単純にゾンビ映画のわりには予算が掛かっているからかもしれません。
興行的に厳しいゾンビ映画としてではなく、コメディとして売ったことで、
比較的低予算で作られるゾンビ映画よりは資金が集まりやすかったのかも?
その予算の多くを、ゾンビ映画としての演出に回しているようで、
並みのゾンビ映画よりも高品質なアクションになっています。
あと、ロメロ大先生はお嫌いなようですが、やはりのろのろ歩くゾンビより、
全力で走ってくるゾンビの方が怖いですね。

ただ、やっぱりコメディだと思って観に行っちゃったし、
主人公の設定とかかなり似ているだけに、コメディ・ゾンビ映画の傑作である
『ショーン・オブ・ザ・デッド』の影を追ってしまっているので、
良質とはいえ普通のゾンビ映画出されても、「ナニコレ?」って感じで…。
しかも全米ゾンビ映画史上最大のヒット作というフレコミですからね。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』なんて余裕で越える傑作を期待するわけですよ。
ところがただ単に、大衆向けで潜在的観客が多いからヒットしただけ、みたいな…。
もうちょっと他の映画とは違う、ヒネリの利いた内容があればよかったんだけど…。

本作の一番の売りといえば、"ゾンビの世界で生き残るための32のルール"ですが、
本作で使われたのは"ルール1、有酸素運動"、"ルール4、シートベルトをしろ"、
"ルール18、準備体操を怠るな"など、せいぜい10個くらい。
ルールに従って死亡フラグを避けながら生き延びるというのは、
せっかくおもしろい設定なんだから、もっといろんなルールも使ってほしかったです。
使われなかった他の20数個も気になったのでちょっと調べてみると、
"ルール14、ショッピングモールは補給基地"だとか
"ルール21、ストリップクラブは避けろ"だとか、ゾンビ映画のお約束を茶化した
絶好のパロディネタが満載だったので、尚更もったいなく思いました。
公開前から続編のために出し惜しみしてたとか?

全然悪くはなかったけど、期待したほどではなかったという微妙な作品でした。
"全米ゾンビ映画史上No.1大ヒット"なんていっても、
2009年の全米映画ランキングの30位にも入れない程度のものだし、
そんなキャッチコピーに踊らされなければ、もっと素直に楽しめたかもしれないです。

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