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インセプション

内容が秘匿され続け、本日ついにお目見えした映画『インセプション』ですが、
なんでも本作に1961年の仏伊映画『去年マリエンバートで』の
パクリ疑惑が掛かっているんだそうです。
ボクは『去年マリエンバートで』を観たことがないので比較できませんが、
『インセプション』の監督も「パクリと思われても仕方ない」と公言するほどなので、
かなり酷似してるんでしょうね。

でも監督は本作を完全オリジナルと謳ってただけに、当然疑惑を否定し、
「指摘されるまでその作品を観たことなかった」と言っているそうで、
それを信じるならば、たまたま被ったってことになるんでしょうね。
好きな監督なんで、ホントのことを言ってると思いたいけど、
「観たことない」はパクリの言い訳の常套句なんで、ちょっとカッコ悪いです。
事実じゃなくても「影響受けました」って言っとけば丸く収まるんじゃないかな?
監督は『007』の影響も公言してるけど、そうすればオマージュで済みます。
何の影響を受けてない映画なんてまずないし、現に『去年マリエンバートで』だって、
芥川龍之介の小説『藪の中』がモチーフらしいです。

ということで、今日は疑惑の映画『インセプション』の感想です。

インセプション

2010年7月23日日本公開。
クリストファー・ノーラン監督がオリジナル脚本(?)で挑むアクション娯楽超大作。

コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人が夢を見ている最中に、その潜在意識の奥深くにもぐり込んで相手のアイデアを盗むことのできる優秀な人材だった。彼は、企業スパイの世界でトップの腕前を誇っていたが、やがて国際指名手配犯となってしまう。そんなある日、コブの元に“インセプション”と呼ばれるほぼ不可能に近い仕事が舞い込む。(シネマトゥデイより)



まだ半年しか経ってないけど2010年のアニメ映画の最高傑作は
『トイ・ストーリー3』であることは疑う余地ありませんが、
実写映画の2010年最高傑作は本作になるのではないでしょうか。
『アバター』以降、ハリウッドの娯楽映画は停滞していたようで、上半期は、
『タイタンの戦い』や『アイアンマン2』程度でかなりの秀作だと感じてたんですが、
本作を観て、自分の中でかなり面白さのハードルが下がっていたのを実感しました。
本作はそれらとは比べようもないくらい素晴らしい作品です。
高水準の脚本を、他国では実現できないレベルの技術と予算で映像化する。
長らく忘れていたけど、ボクがハリウッド映画に求めていたのはこんな作品です。

なるべく内容を秘匿するように宣伝されてきた作品なんで、
内容についてはあまりネタバレしないように書きますが、
別に多少ネタバレされても、あまり面白さには影響しないかも。

本作は"夢と記憶の関係性"がテーマとなっていて、
舞台は現実世界と夢の世界、更に夢の中の夢の世界、更に…という感じで、
階層化され重層的でかなり複雑な世界観です。
だけど巧みな脚本で、ある登場人物を介して、段取りを踏みながら
わかりやすく自然に世界観を説明してくれるので、すんなり理解できます。

主人公コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、ターゲットの夢に侵入し、
機密事項などをエクストラクト(抜き出し)するプロの産業スパイ。
ある日、彼は日本人実業家サイトー(渡辺謙)の夢に侵入するが、撃退されます。
この世界では夢に出入りする能力はオカルト的なものではなく、
心理学の延長線上のようなもので、ある程度のセレブには既知の能力のようです。
なので訓練次第では夢に侵入してくる産業スパイを無意識に撃退することもできます。
しかしサイトーはコブのエクストラクトの腕を見込んで、
競合企業の若社長の夢に侵入して虚偽の記憶のインセプション(植え付け)を依頼。
インセプションはエクストラクトより遥かに難しい仕事だが、
サイトーの提示するある報酬のためにコブは依頼を受けます。
コブは腕利きの仲間を集め、若社長の夢に侵入するが…、というのが基本の話。
これにコブの過去や家族のことが絡んできて、とても濃密な話になりますが、
そこは伏せておきます。

前述のパクリ疑惑がホントだとしたらアレですが、とてもよくできた脚本で、
独創的だし、全く先の読めない展開でドキドキしっぱなしの2時間20分です。
そんな素晴らしい脚本に負けず劣らず素晴らしいのが映像技術ですね。
コブの仲間のひとりがパリを思う儘(まま)に構築する視覚効果などは、
エメリッヒのディザスタームービーにも負けない迫力と斬新さです。
ただそれよりも感動するのは、重力が激変する長廊下での格闘など、
巨大なセットなどを使って撮られたシーンです。
なんでも極力CGは使わないように撮影したんだそうで、
それなのにまさに夢の中のような非現実的な映像を、
次々と再現しちゃうんだからスゴイです。
これはもうパクリもなにも関係なく、他には真似できない技術・規模ですね。

ネタバレしないで書ける内容はこのくらいかな?
それにしても日本人にとって誇らしいのは、
こんな素晴らしい作品に渡辺謙の起用されていることですよね。
クリストファー・ノーラン監督とは『バットマン・ビギンズ』に続き2度目。
もともとサイトーというキャラは渡辺謙を意識して作られたそうで、
渡辺謙はノーランはハマってるというか、もはやノーラン・ファミリーですよ。
順当にいけばアカデミー賞作品賞候補は間違いない傑作だし、
もしかしたら『ラスト・サムライ』依頼の助演男優賞候補なんてことも…。
渡辺謙のおかげでサイトーというキャラが出来たことで、
6カ国で行われたロケの一部に日本が使われているのも嬉しいです。
しかも物語の冒頭で、日本が誇る新幹線の中で…。

渡辺謙演じるサイトーはかなり重要な役どころですが、
コブの仲間の紅一点アリアドネ(エレン・ペイジ)はそれ以上かも。
アリアドネって名前そのまま、ギリシャ神話のアリアドネがモデルですよね。
英雄テセウスにミノタウロスの迷宮から脱出するための助言をした娘。
本作でも迷宮を構築する役であり、迷宮から抜け出す命綱として重要な役です。
そして観客にとっても狂言回し的な役割として、
複雑な世界観の理解を助けてくれる命綱でもあります。
しかもかわいい! 本作の魅力の2割は彼女の魅力です!
コブの妻モル役マリオン・コティヤールも美人で好きですけど。

ホントに素晴らしい映画だけにパクリ疑惑は重ね重ね残念。
でもノーラン監督はマジで才能あるし、ボクも五指に入る好きな監督です。
次回作は何になるかわからないけど、新『バットマン』の3作目と、
『スーパーマン』の再リメイクが控えているはず。
すごく楽しみです。

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