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SR サイタマノラッパー2

うちのブログも去年くらいまでは日本語ラップの記事でアクセス数を稼いでいて、
日本語ラップの記事を書かなかった時には途端にアクセス数が減ってました。
でもここ3ヶ月以上、日本語ラップの記事は書いてません。
当初はやはりアクセス数が暴落したんだけど、徐々に持ち直してきて、
ここ1ヶ月くらいは日本語ラップの記事を書いていた時よりも、
高いアクセス数で安定するようになりました。
映画の批評、感想記事なんてネット上に腐るほどあり、ライバルも多いですが、
映画人口は年間延べ1億7千万人。DVD、テレビ放映を合わせるとその何倍も。
映画記事は潜在的アクセス数が多いんですよね。
それに対して日本語ラップの批評、感想記事ってのは意外と少ないけど、
日本語ラップ人口が悲しいほどに少ないんで、記事の需要がありません。
更に斜陽文化の日本語ラップの記事は需要が減るばかりで…。

そうなってくると、今度は日本語ラップの記事が書けなくなります。
迂闊に書くと、また元に戻ってしまいそうな気がするので…。
あ、別にそんなにアクセス数ばかり気にしてるわけでもないですよ。
ただやっぱり多かった方が励みにはなるんで…。
(特にうちはコメント付くことがかなり少ないんで…。)
アクセス数が下がるのはやっぱり嫌だけど、そのうち我慢できなくなって、
日本語ラップの記事も再開すると思います。
特に今月は久々に欲しい新譜が複数あるので…。

ということで、今日は日本語ラップの映画の感想です。

SR サイタマノラッパー2 ~女子ラッパー☆傷だらけのライム~

2010年6月26日公開。
各所で絶賛され、数々の賞を受賞した『SR サイタマノラッパー』の続編となる
日本語ラップ青春映画。

今では群馬の実家を手伝いながら退屈な日々を送るアユム(山田真歩)も、高校時代は女子だけで結成されたラップグループの一員だった。だが、ヒップホップ音楽に夢中だった仲間たちも卒業後は散り散りになってしまう。そんなある日、アユムはかつての仲間ミッツ(安藤サクラ)らと共に、再度一夜限りのライブを行おうと思い立ち……。(シネマトゥデイより)



前作『SR サイタマノラッパー』は、低予算ながら国内外で絶賛された作品らしく、
ボクも是非劇場で観たかったんですが、あまりに限定的な公開だったため観れず、
結局DVDで先々月やっと鑑賞することができました。
その続編となる本作は、前作の絶賛を受けてか、配給がティ・ジョイになり、
全国津々浦々のティ・ジョイ系の大型シネコンで観られるようになりました。
我らが梅田ブルク7でも1週遅れ(先週末)でちゃんと公開され、
ボクも無事鑑賞することができました。

前作は劇場で観てないので、感想記事は書けなかったんで、本作の感想の前に、
前作の感想を少しだけ書きたいと思います。(本作に共通することも多いので。)
『SR サイタマノラッパー』は、日本語ラップという特殊なコミニティと、
一般的な世間の感覚とのズレを滑稽に描くことで、若年者の社会的情勢や、
ゼロ年代の若者の虚無感を抉ろうという作品だと思います。
ボクは日本語ラップは好きだけど、そんなに詳しいわけではありませんが、
斜陽する日本語ラップ・シーンの現状がかなりリアルに描けていると感じます。
それはもう痛々しいくらいにダサくてかっこ悪く。
日本語ラップファンとしては、よく考証されてると感心する反面、
そこまでどうしようもない感じに描かなくても…という思いも。

こうゆうダメさを強調する映画ってのは、まず先に良さを魅せる映画があってこそ、
初めてカウンターとして機能するんだけど、残念ながら今のところ日本には、
かっこいい日本語ラップを描けている映画はありません。
これを観て日本語ラップを卑下する人は増えても、憧れる人はまずいません。
ボクも"こんなものに傾倒していたのか…"と目が覚めかけましたし…。
最も幻滅したのが、この作品をRhymester宇多丸をはじめ、
シーンの中枢にいる大御所ラッパーたちが絶賛したことです。
日本語ラップをダサく描いた作品を、当事者のおまえらが賞賛するのか?
夢を売る立場なのに、この作品の内容をそんなに安易に認めていいのか?…と。
しかもその高評価ポイントは概ね"リアルである"という一点のみです。

リアルなことを重要視するのはある意味ラッパーらしいとも思いますが、
こと映画においてはリアルなだけじゃなく、もっとファンタジーがあってもいいはず。
なんだか救いのない若者のドキュメンタリー番組を見ているようで、
一度も浮上せずに最後までどんどん堕ちていく主人公の姿が悲しかったです。
もちろん底辺から這い上がる術のない若者の現状を描くことには成功してますが、
その題材に日本語ラップが選ばれ、しかもそれがリアルであるというのは、
曲がりなりにも日本語ラップを応援してきたボクとしては寂しく感じました。
あと映画ファンとしても、ゼロ年代の若者の現状を描いたこの手の映画は、
どれも救いのない内容ばかりなので辟易とさせられます。

さて、漸く本作の感想です。
前作に比べるとかなり娯楽的になり、映画的で気楽に観れる内容になったと感じます。
まずメインが女子ラッパーになったことで、画的に華が出ました。
内容もフィメール・ラッパーという、超マイノリティが題材なので、
現実味が薄く、ファンタジーを感じます。

同じ20代後半の似た境遇の若者でも、男と女では社会的性差による深刻さが違い、
男の方がかなり深刻だと思うんですよ。
男の悩みってのは主に仕事に対する不安なわけですが、前作の主人公である
20代後半でまだラッパーを夢見るIKKU(駒木根隆介)はマジでお先真っ暗です。
でも本作の女子ラッパーたちの悩みは主に年齢からくるものだけど、
そこそこ器量もあるし、今後付き合う男次第では全然平気です。
だから日本語ラップにかける情熱も全然軽く、ライブだって遊びみたいなもの。
そもそも女子ラッパーたちの夢は料理人とかホテル経営とかで、音楽じゃないし、
ライブが人生のステップであり、夢だったIKKUとはモチベーションが違います。
だから映画を観ている側としても、本作のほうが気楽に観れます。

さらに日本語ラップと世間のズレを強調するような描写も少なくなって、
単にフリースタイルできる人たちが沢山出てくる青春映画というような感じに。
だから日本語ラップファンならではの引っかかりも少ないです。
ただ女子ラッパー本人達から「ヒップホップ流行ってない」「かなり痛い感じ」など、
自虐的なセリフもまだあるんで、ちょこちょこ突き刺さりますが…。

ストーリーとしても前作のIKKUのように最後まで挫折する一方で、
ラストもなんとも言いがたい苦い余韻を残したエンディングと違って、
本作は大団円とまではいきませんが、友情を描いた青春映画として観れば、
ポジティブで一応ハッピーなエンディングです。
なので映画的なカタルシスも感じれるし、鑑賞後感も清々しいです。

しかしそんなこと以上に本作を観てよかったと感じれたことは、
前作で夢を叶えられなくて、堕ちるとこまで堕ちたかと思われたIKKUですが、
本作にも登場し、幸せそうにラッパーを続けていたので、
前作で感じた寂しさが、なんだか少し救われた気がしました。
IKKUとその相方TOM(水澤伸吾)は、本作では狂言回しとして登場し、
群馬県が舞台なのにタイトルが"サイタマノラッパー2"という語弊を
フォローする役割になってます。
今後はシリーズ化され、彼らが北関東の各県を渡り歩くみたいです。
この2人はまだ第2弾にもかかわらず、すでに名物キャラのオーラを醸していて、
登場するだけで、ちょっと笑いが起きてました。

さて、本作は日本語ラップの映画だから、音楽如何によって評価は変わります。
音楽は前作もかなりよかったですが、本作もかなりよかったです。
といっても本作は楽曲というよりは、フリースタイルの比重が重いです。
フリースタイル・バトルもあるし。
でもフリースタイルってすごい技術がいるわりに、傍目にはカッコ悪いんですよね。
本作は台本もあるし即興ではないんでこれでもまだマシな方ですが…。
女子ラッパー・ユニット"B-hack"の5人は、みんなラップ未経験の女優ですが、
(ミッツー役の安藤サクラ以外ほぼ無名の女優かな?)
ボクには上手いも下手もわからないけど、なかなか味のあるラップをしてます。
リリックだけでなく、フロウでもちゃんとキャラ分けが出来ていて、
"この子はHALCALI、この子はSONOMI、この子はRUMIっぽい"って感じで、
なかなか楽しめました。
テーマ曲「ワック!ワック!B-hack」は、始めはHOOKのチープさに拒絶しかけたけど、
なかなか中毒性があり、上映後暫くはHOOKが頭の中をリフレインしてました。
オリジナルフルVer.は劇中歌として聴くことができます。
かなり音が悪いけど、水着でのプレイも含めて見どころのひとつです。
特に加藤真弓演じるクドーのVERSEがSONOMIっぽくて好きです。
ポーカーを題材にした曲だけどRHYMESTERの「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」の
オマージュなのかな?
そういえばエンディングVer.(「いつか♪きっと♪B-hack」?)は
RHYMESTERの「B-BOYイズム」のパンチラインが使われてるし、
前作を宣伝してくれた宇多丸に対する恩返しみたいな感じかな?

こんなダサい日本語ラップを題材にする映画ももちろんあってもいいと思うけど、
カッコイイ日本語ラップの映画も誰か撮ってくれないかな?
意表を突いて続編『SR サイタマノラッパー3』がカッコイイってのもありだけど、
栃木が舞台じゃ無理かな…。
てか劇場かなりガラガラだったけど今回は評判悪い?それとも関西だから?
公開規模大きくしたのはいいけど、興行失敗で続編作れなくなるんじゃ…?

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