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踊る大走査線 THE MOVIE 3

『踊る大走査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』は刑事ドラマの劇場版ですが、
今年は『交渉人』『SP』『相棒』と、刑事ドラマの劇場版が多い年です。
映画だけじゃなくてテレビドラマでも刑事ドラマが流行ってるようですね。
毎日のように刑事ドラマを放送してますが、
ボクも前クールは『新参者』と『警部補 矢部謙三』を見ました。
(モロに『劇場版TRICK3』の影響ですね。)

なんだか最近になって刑事ドラマが人気が出たような印象を受けるけど、
視聴率でいえば数年前とそんなに変わらないですよね。
ただ他のドラマの視聴率が極端に悪くなる中で、
男性など潜在的視聴者が多い刑事ドラマは安定的に15%くらいの視聴率を取り続け、
他のドラマと比べると相対的に高くなっただけのような感じですね。
(今では13%くらいが合格ラインなんだそうな。)
なので別に刑事ドラマの視聴者が増えているわけでもなく、
人気があると勘違いした『交渉人』の劇場版は見事にコケました。

ということで、刑事ドラマの劇場版の先駆け『踊る大走査線』最新作の感想です。
この作品もテレビドラマ時の平均視聴率は約18%だったそうですが、
当時としてはかなり低いと考えられていたそうです。

踊る大走査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!

2010年7月3日公開。
前2作がいずれも興収100億円を超えた大ヒット映画『踊る大捜査線』の第3弾。

湾岸署を襲った連続殺人事件から7年。海外からの要人が降り立つ空港が近くにあり、高速道路や変電所などが立ち並ぶお台場は、テロリストの標的となっていた。そのため湾岸署は、よりセキュリティー設備が充実した新湾岸署への引っ越しをすることになる。引っ越しの作業を一任された青島(織田裕二)は、部下と一緒に取り掛かるものの、湾岸署管内で次から次へと事件が発生し……。(シネマトゥデイより)



なんだか詰め込めるだけ詰め込んだオモチャ箱みたいな作品で、
すごく楽しげではあるんだけど、まとまりがない感じでした。
大きい事件や小さい事件が同時多発するといういつものパターンですが、
前作、前々作に比べると個々の事件の規模が小さく、パワーダウン感は否めません。
内容的にもいままでのシリーズのオマケみたいなものだし、
テレビのスペシャルドラマでやるくらいが丁度いい作品です。
前2作の興収が100億円越えのドル箱作品なのに、
なぜこんな安易なものになったかといえば、たぶん時間がなかったんでしょうね。
本作が7年の沈黙を破り制作されたキッカケは、
一昨年に臨海副都心に警視庁の東京湾岸署が新設されたことに便乗したもので、
その話題が旬なうちに急造する必要があったんだと考えられます。
劇場で予告編が流れ出した頃には、撮影はおろか脚本さえ出来てなかったみたいです。

ではなぜ7年も沈黙していたのかということですが、
主要キャラの和久刑事演じていたいかりや長介さんが亡くなったため、
和久さんがいない『踊る大走査線』は考えられないということで、
もう続編を制作しないことにしていたからだそうです。
でも安易な便乗で復活したことでもわかるように、そんな理由は眉唾です。
たぶん本当の理由は、いかりやさんの死後制作されたスピンオフ作品
『交渉人 真下正義』と『容疑者 室井慎次』が思ったほどヒットしなかったため、
ドル箱作品にキズが付くことを恐れて、二の足を踏んだからだと思います。
(テレビ版スピンオフも燦々たる視聴率だったようです。)

まぁそれはボクの想像でしかないけど、そう思った理由のひとつが本作の内容です。
本作は主人公の青島刑事(織田裕二)が過去に捕まえた服役囚たちの釈放を要求しての
連続殺人事件がメインなので、今までの犯人達が出演します。
もしキャストが亡くなったことが原因で続編が制作されなかったのならば、
こんな内容になるはずはないからです。
なぜならテレビのレギュラー放送の登場人物のキャストで亡くなったのは
いかりや長介さんだけではなく、犯人役のひとりである伊藤俊人さんもいるからです。
今まで続編を控えていたのが、キャストが亡くなったことが原因だったならば、
わざわざそのことにスポットライトが当たるような内容にするのはおかしいです。
こんな内容になったのは、人気者の稲垣吾朗や岡村隆史が演じた過去の犯人たちが、
出演すると匂わせて集客を期待した、客寄せパンダ的演出に相違ないです。
(余談ですが、岡村隆史の罪状ではこの服役期間は長すぎる気がします。)
(更に言えば、岡村隆史を逮捕したのは青島ではなく、ここで登場するのは変です。)
よく言えばファンサービスだけど、ひとりの服役囚を除き、
ほとんどの囚人はワンカット、または写真のみの出演で、騙された気分になりました。

でもたしかに、和久さん不在の『踊る~』は物足りないものがあります。
本作では和久さんの代わりに、彼の甥(伊藤淳史)が登場しますが、
何の足しにもなってません。
たしかにいかりやさんが亡くなったことは、確実に作品に陰を落としています。
ただそれは天命だから如何ともしがたいことだけど、
本作はそれ以上の陰を落とす事態を人為的に起こしてしまっています。
そうです、水野美紀演じる柏木雪乃の不在です。
雪乃は『踊る~』の準ヒロインだし、ある意味では和久さんと並ぶ重要キャラです。

雪乃が本作に登場しない理由は、産休中ということになってますが、
本当は水野美紀がバーニングから移籍したことに対する報復なのは有名な話。
本作では本来なら彼女がいるはずの立ち居地に、何ごともなかったように
バーニング所属の内田有紀が居座っていますが、その違和感は相当なものです。
さらに雪乃外しの余波は彼女の降板だけに留まらず、
雪乃と関係の深かった過去の犯人役である布川敏和は写真でのみの出演に…。
そしてシリーズの名物キャラである真下正義(ユースケ・サンタマリア)も、
雪乃の旦那であるという設定のため、かなり出番が少なくなってます。
本来なら真下がいるはずの位置には、新たに川野直輝と小泉孝太郎が居座ってます。
雪乃の陰を隠したいならもっとやりようがあるはずなのに、
わざわざ陰が際立つようにしてあるところに、ただならぬ意趣返しを感じます。

他にも事件の動機や犯行方法が無茶苦茶だったり、
露骨な協賛企業の宣伝があったり、気に入らないことは多々ありますが、
今までのシリーズのオマケ的なものとしては、それなりに楽しめます。
単発のネタはそこそこ笑えるし、特にスリーアミーゴスはかなり面白かったです。
そのひとり、北村総一朗演じる神田署長は意外にもかっこいいシーンがあって、
ちょっと感動しちゃいましたし…。
小栗旬演じる新キャラ鳥飼補佐官も、今までにいないタイプのキャリア組で、
ちょっと今後の展開が気になってしまうようないいキャラです。
ファンサービス的な作品なはずなんだけど、和久さんとか雪乃とか、
あまり思い入れのない人の方が、逆に面白い作品なのかもしれません。

前作は興収170億円以上の実写邦画では史上最大のヒット作だったわけですが、
本作はネームバリューはまだ健在だと思うけど、ブランクも長すぎだし、
口コミには期待できなさそうなので、100億には届かないかな…?
去年大ヒットしたドラマの劇場版『ROOKIES –卒業-』の結果や、
同じく織田裕二主演の亀山映画『アマルフィ 女神の報酬』の成績から推測するに、
だいたい80億くらいがいいところじゃないかな?
来週には『トイ・ストーリー3』、再来週は『借りぐらしのアリエッティ』だし、
そっちに観客取られて、もっと低い成績で終わるかもしれないけど…。
どのみちソフト力が落ちてきているフジテレビ映画にとっては、
キラータイトルなのは間違いないし、またすぐに続編が作られると思います。

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