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ザ・ウォーカー

ボクは常々、本を読みたいと思ってるんだけど、何故か本を読むのが苦手です。
難読症の一種かもと思ってた時期もあるけど、パソコン上のフォントは読めるし、
たぶん紙に印刷された活字を読むのが苦手なだけのようです。
(時間をかければ普通の本でも読めるけど、かなり遅いです。)
だから電子書籍には期待してたんだけど、
その代表格となるであろう"iPad"はあまり好きじゃないんですよね。
理由は大嫌いなソフトバンクのSIMロックが掛かっているからです。
とはいえ電子辞書市場はiPadのひとり勝ちの算段が強いし、
今後の一般的な仕様とか互換性とか考えたらiPad以外の機種は不安だし…。
ソフトバンクが嫌ならモバイルルータという手もあるけど、
できれば早々にSIMロックを解除してほしいところです。
独禁法とか、何かの経済法の改正で何とかならないもんかな?

ということで、今日は紙の本が大好きな人の戦いを描いた映画の感想です。

ザ・ウォーカー

2010年6月19日日本公開。
デンゼル・ワシントン、ゲイリー・オールドマン共演の終末サスペンス・アクション。

世界で一冊だけ残る本を運び、30年間旅をしている男イーライ(デンゼル・ワシントン)。本に触れる者をためらわずに誰でも殺すイーライだが、彼は旅の目的地を知らず、「西へ向かう」という手掛かりだけを頼りに歩き続けている。そんな中、彼の前に、本を探し続ける独裁者カーネギー(ゲイリー・オールドマン)が現れ……。(シネマトゥデイより)



世界は核戦争により文明は崩壊、荒廃したアメリカには僅かな人類が生き残っていた。
戦後30年、一冊の本をひたすら西へ運ぶ男イーライ(デンゼル・ワシントン)。
荒廃した街の独裁者カーネギー(ゲイリー・オールドマン)は、
その本を奪おうとイーライに襲い掛かる。
命がけで本を守るイーライ、その本は一体どんな力を秘めた本なのか。
そしてイーライが目指す西の地には何があるのか。
謎だらけのストーリーで、興味を掻き立てられます。

とはいえ、その本が何かってのは容易に想像が付きますよね。
戦後、たった一冊だけ残った、世界最後の"聖書"です。
なので、本作はハリウッドが大好きな、キリスト教絡みの終末映画です。
神の啓示により、最後の一冊となった聖書を命がけで西へ運ぶイーライと、
その聖書さえあれば人心掌握できると考えたカーネギーの、
一冊の聖書をめぐり信心深い2人が奪い合う、聖書争奪戦の物語です。
でもクリスチャン以外には聖書なんて単なる宗教本なので、
聖書にそれほどの価値は感じないし、それほど力があるとも思えません。
なので多くの日本人にはあまりピンとこない話だし、
観ようによってはキリスト教のプロパガンダ映画のようにも感じるかも。

ただ完全無宗教のボクからすると、アンチ宗教映画な気もします。
この聖書争奪戦にしても宗教に端を発する殺し合いだし、
世界が滅んだ原因は宗教戦争によるものだと暗に示されてるし、
"信仰は争いの温床である"という真実を描いているんだと感じました。
まぁ実際にはそれも考えすぎで、単にキリスト教をダシに使った娯楽映画ですね。

宗教戦争後、戦争の原因のひとつとして、世界中の聖書が廃棄されたために、
聖書はイーライが持つものが最後の一冊になってしまうんですが、
何十億冊、何百億冊あるといわれる世界一のベストセラーの聖書が、
一冊を残して全て消失してしまうってのは無理がありますよね。
それに文明が崩壊してまだ30年しか経ってないのに、
戦前のことを知る人が少なすぎたり、人々の教養が低すぎたり、
逆に戦後30年も経ってるのに、道が妙に舗装されていたり、妙な消耗品が残ってたり、
世界観にちょっと違和感を感じるところがあります。
でも、大局的に観ると無茶苦茶な話だと感じるんですが、
細かいところは妙に筋が通っているとも感じる変わった映画です。
特に構成が見事だなぁと感心させられました。

本の謎とか、西の地の謎とか、表面的に気になることに隠れているけど、
実は一番の謎は"イーライとはどんな男"なのか、です。
このイーライの秘密こそが本作の大オチであり、
その秘密に関する伏線もいっぱい張ってあるんだけど、
本の謎とか表面的な謎に気を取られてしまうように、巧妙に隠されています。
だからその秘密が明らかになった時には、"やられた!"って感じで痛快です。
まぁね、そうはいっても気付く人は気付くんでしょうが…。
ボクも序盤でイーライが盗賊に襲われた時の日本の某剣客活劇風の演出を見た時に、
"あれ?もしかして…"と思ったけど、話が進むうちにいつの間にか忘れてました。

そんな巧妙なストーリーの面白さも本作の魅力のひとつですが、
最大の魅力はアクションシーンの多彩さです。
前述のようにイーライが剣で戦う日本の某活劇風のアクションシーンから、
荒野の町でならず者相手に拳銃が炸裂する西部劇風のガン・アクションに、
ガトリングガンやロケットランチャー相手に撃ち合うド派手な銃撃戦。
さらにはランボーさながらに弓矢で仕留める野戦まであり、
アクションシーンのバラエティが豊富な上に、どれもカッコよくて最高です。
しかも肝心のカーネギーとの決着は知略戦だったりするし、
観客を楽しませようという意識が高い映画な気がしました。
イーライも寡黙で渋いだけじゃなくて、ポロッとウィットに富んだジョーク言ったり、
ユーモアも兼ね備えた魅力的な主人公です。

映像も砂埃を感じるような灰がかった退廃的な世界観は、
スタイリッシュでお洒落で独特の美しさがあります。
本作の監督はアルバートとアレンのヒューズ兄弟です。
彼らは絶大的人気を誇る漫画『AKIRA』の実写化(2部作)の監督をする予定ですが、
彼らなら『AKIRA』の世界観を再現できるかもしれません。
まぁどのみち日本では叩かれることになるのは間違いないけど、
監督任すなら、よりベターな選択だと思いました。

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