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サバイバル・オブ・ザ・デッド

近年、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 』『ゾンビ』『死霊のえじき』など、
ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロのホラー映画の古典作品が、
他の監督によってリメイクされたり、勝手に続編が制作されたりしています。
でもロメロ監督はそれらの作品の出来があまりお気に召さないようです。
(ボク的には新『ドーン・オブ・ザ・デッド』はかなり良かったと思ったけど。)
それどころか、基本的に自分が撮ったゾンビ映画以外は、
あまり認めたくないんじゃないかって思うような発言をしたりしてます。
けっこういいゾンビ映画も多いけど、ゾンビ映画の草分けとしての意地ですかね。
まぁ確かに、ほぼ全てのゾンビ映画はロメロ監督の作品の影響を受けてるし、
ロメロ作品のパロディやリメイクみたいなものですからね。

そんなリメイク作品に厳しいジョージ・A・ロメロ監督ですが、
なんでもホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の代表作『サスペリアPART2』を
リメイクしようとしてるんだそうです。
リメイクされる立場から、リメイクする立場になるわけですが、
リメイク作品に文句言ってただけに、どんなリメイクのお手本を示してくれるのか、
とても楽しみにしています。

というわけで、今日はロメロ監督の最新ゾンビ映画の感想です。

サバイバル・オブ・ザ・デッド

2010年6月12日日本公開。
ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督による最新ゾンビ映画。

突如よみがえった死者が人々を襲い地獄と化した世界、元州兵のサージ(アラン・ヴァン・スプラング)率いる一行は、安全な場所を求めさまよっていた。ある時、死者がよみがえることのない安全な島があるという情報を得た彼らは、疑いつつもかすかな望みをかけてその島へ向かうことに。しかし、何とかたどり着いた彼らを待ち受けていたものは……。(シネマトゥデイより)



ジョージ・A・ロメロ監督の前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』の続編で、
前作の主人公達の車を襲った略奪者である元州兵たちが今回の主人公です。
主人公といっても、あるゾンビをめぐる事件に巻き込まれるという立場で、
どちらかといえば狂言回しといった感じですね。
前作での元州兵サージ(アラン・ヴァン・スプラング)はかなり嫌な奴だったので、
彼が普通に主人公として描かれていたら、観る気も起きなかったかも…。
本作でのサージは、意外(?)と仲間想いのいい奴になってます。

今回は前作の続編なわけですが、4部作になる構想もあるようです。
なので本作がシリーズ第2弾ということになるわけだけど、
たしかに今後の展開が気になる終わり方をするというか、
今後の作品への繋ぎの作品といった印象を受けます。
前作で死人が生き返り、ゾンビとなって人を襲う事件が世界中で発生しますが、
それから3週間経った世界が舞台の本作では、ゾンビにも知性があることがわかり、
ゾンビを人を襲わないように躾け、共存を図ろうとする人々が現れます。
本作はゾンビが躾けられ、学習し、進化する過程を描いた作品で、
人類との共存が可能なのかどうかは次回作をお楽しみに、って感じでしょうか。
ただ4部作構想はあっても実現するかどうかは興行次第なので、
実際はかなり難しいんじゃないかなと思います。

前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』は、当時大流行のPOV方式で撮影されたことで
今まで観たことない奇抜で面白いゾンビ映画になってました。
毎年世界中で数多のゾンビ映画が製作されていますが、
"さすがはゾンビ映画のオリジネーターの作品は一味違う!"と感心したものです。
しかし本作は、それに比べると至って普通のゾンビ映画です。
ゾンビ映画は、昔はゾンビの恐怖を描いていたホラー映画だったんですが、
今ではゾンビの恐怖をただ描くだけではすぐ飽きられるために、
『バイオハザード』のようにクリーチャー化したゾンビと戦うアクション映画や、
『28日後...』のようなゾンビに襲われる極限下での人間模様を描いたサスペンス、
古典的ゾンビ映画のパロディ『ショーン・オブ・ザ・デッド』のようなコメディなど、
多種多様な作品が作られ、もうやりつくされた感すらあるジャンルです。
なので新しいことをするのは難しいんですが、それにしたって本作は普通すぎます。

テーマとしては、やはりゾンビの恐怖を描くホラー映画というよりは、
ゾンビを通して人間の倫理観を問うという内容です。
でもそれは前作ですでにやったし、前作の方が明確でした。
本作のもうひとつの特徴である学習するゾンビやゾンビとの共生というのも、
最近のコメディ路線のゾンビ映画ではよくある展開です。
学習するゾンビは自身の前々作『ランド・オブ・ザ・デッド』でもやってるし…。
それでも乗馬するゾンビとか、消火器や照明弾でやられるゾンビの死に方など、
新しい演出もあって、巨匠の意地も感じられなくはないんですが、
やはり前作の斬新さに比べると、どうにも平凡すぎます。
シリーズ第3弾への繋ぎとして考えれば、この程度でも文句はないけど、
単品として観ると、もっと面白いアイディアが詰まったゾンビ映画はいっぱいあるし、
巨匠と呼ばれる人の作品としては少し物足りないかも…。
第3弾で挽回してほしいところだけど、本作の出来では続編制作は厳しいかも…。

さて、今年はゾンビ映画の当たり年で、本作の他にも大作ゾンビ映画が公開されます。
全米でゾンビ映画史上最高の興収を記録したコメディ『ゾンビランド』が来月公開、
おそらくゾンビ映画史上初の3Dとなる『バイオハザードⅣ アフターライフ』が
9月に公開されます。(もうゾンビ映画とは呼べませんが…。)
いつになるかわからないけど、ジョージ・A・ロメロ監督の作品関連では、
近年の吸血鬼ブームに乗っかり、『マーティン』がリメイクされるそうです。
本作の続編や『サスペリアPART2』も含めて、どれも楽しみです。

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