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鉄男 THE BULLET MAN

ボクは人より少し耳がいいみたいで、小さな音でもけっこう拾えます。
でもそれによって得したことなんか全くなくて、
聞きたくもない内緒話や、隣の家の雑音まで聞こえてしまうので、
気が散るし何かと煩わしいです。
映画観る時もそうで、MOVIXのような大音量がウリの映画館だと、
スピーカーの振動音が耳についてどうしようもない時があります。
テアトル梅田のノイズもかなり気になるんで、あまり行かないようにしてます。
極端な話、コンセッションでポップコーン売るのもやめてほしいです。
あと音響の保全がけっこういい加減な映画館もあるんで、
ちゃんとDLPのサウンドロゴなどで正常か確かめた方がいいです。
変だと思ったら店員さんにいえば調整してもらえます。

施設だけじゃなくて、作品自体にも酷いBGMで内容に集中できない作品もあります。
今までで一番酷いと感じたのは、ホラーの名作と名高い『サスペリア』。
映画館で観たわけじゃないけど、最後まで観ることが出来ませんでした。
これは耳がよくなくても酷いとわかるレベルですが、
こんなのを好むお客さんもいるんですよね…。

ということで、今日は爆音だけがウリの映画の感想です。

鉄男 THE BULLET MAN

2010年5月22日公開。
塚本晋也監督の世界的な代表作、『鉄男 TETSUO』シリーズの最新作。

東京で普通のサラリーマンとして働くアメリカ人男性のアンソニー(エリック・ボジック)は、日本人の妻ゆり子(桃生亜希子)、3歳の息子トムと幸せな生活を送っていた。ある日、最愛の息子が謎の男に殺され、絶望に打ちひしがれる中、怒りに我を失ったアンソニーは体から蒸気と黒いオイルを噴出し、全身が金属化していく。(シネマトゥデイより)



ボクは塚本晋也監督の作品もひとつも観たことなかったし、
『鉄男 TETSUO』というシリーズも全く知りませんでした。
なので普通ならスルーしてしまうところですが、なんでもこの作品、
ヴェネチア国際映画祭など数々の国際映画賞に正式出展されたり、
スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、マーティン・スコセッシなど
名だたる監督から「アジア映画で最も期待される映画」に選ばれたり、
クエンティン・タランティーノ監督が制作に乗り出そうとしたりと、
とにかく海外の評価がものすごくいいらしいんです。
国際映画祭とか大物監督とか、権威に弱いボクはついつい釣られてしまいました。
それにカンヌ国際映画祭で北野武監督の『アウトレイジ』が酷評されまくる昨今、
どうゆう日本映画が世界でウケるのか気になりますし。

で、実際に観てみたんですが、何が高評価なのかよくわからない作品でした。
息子を殺された男が復讐に立ち上がるというだけのよくあるストーリーで、
オリジナル要素といえば、怒りにより男の体がどんどん鋼鉄化するということくらい。
まぁそれだって、例えばコロッサスとハルクを組み合わせたようなもので、
今時そんなに新しさを感じるものではないです。
基本的には他の和製低予算B級ホラー映画と大差ない気がしますが、
本作の上映に際しては爆音で上映するという決まりがあるんだそうで、
とにかく大音量の金属音を使用した凄まじいサウンドと、激しいカメラワークで、
迫力ある風に仕上げたコケ脅し映画だと感じました。

ただ、このカメラワークにはまいりました。
予算もないし、ほぼCGは使わなかったらしいんですが、
その粗を隠すため、アクションシーンでは近接でハンディを縦に横に振りまくり、
もう何を撮ってるのかわからない状態。
被写体の全体像はわからないし、バトルもどちらが優勢なのかもわかりません。
鉄男が敵の車から機関銃で撃ちまくられてるのかな?と思ったら、
バトルが終わってみれば逆に敵の車が蜂の巣になってるし、
鉄男が敵部隊を惨殺しまくってるのかな?と思ったら、
結局ひとりも死んでない、とか…。
そんな映像を凄まじい大音量で観せられると、なんか洗脳されそう。
こんなトランス映像をお洒落と感じる人も多そうですが、
ボクにとっては何が映ってるかわからない映像は退屈で苦痛でした。

本作のもうひとつの特徴として、全編ほぼ英語映画でもあります。
舞台は東京だけど、主人公はアメリカ人で、劇中の日本人もほぼ英語です。
これは日本よりも英語圏のお客さんを意識してのことだろうけど、
その英語圏のお客さんからは「全編英語でやる必要性を感じない」とか、
「むしろ字幕の方がよかった」などと言われている様で…。
どうも(出演している監督自身を含め)日本人俳優の英語セリフが、
ネイティブからすると違和感があるみたいです。
結局日本人にも字幕を読む煩わしさを押し付けてるわけで、
良かれと思ってやったことが裏目に出ちゃったみたいですね。

お金と時間を無駄にしてひとつわかったのは、
『おくりびと』や『キャタピラー』の国際的な高評価で、
正統派日本映画もまだまだ捨てたもんじゃないな、と思ってたけど、
やっぱり海外(特にアメリカ)が日本映画に求めるものってホラーだけってこと。
『リング』『呪怨』みたいなJホラーか、
本作や『片腕マシンガール』みたいなB級スプラッタがウケるんですね。
(あとはジブリなど一部のアニメくらいかな。)
Jホラーは世界に誇る日本の文化だと思ってるんですが、
和製B級スプラッタは恥ずかしいんであまり海外に出してほしくないなぁ…。

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