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パリより愛をこめて

フランスで行われているカンヌ国際映画祭ですが、
コンペティション部門に出品されている北野武監督の最新作『アウトレイジ』の
映画関係のマスコミの評判がすこぶる悪いようで…。
観客のウケはなかなかいいみたいなんだけど、マスコミの評価は概ね最低…。
どうもカンヌ映画祭は芸術映画の祭典という趣が強いようで、
ただバイオレンスを楽しむ娯楽作品『アウトレイジ』にとっては
出る場所を間違えちゃったみたいな感じでしょうか。
まぁ観客の評価とマスコミの評価が違うように、審査員の評価もまた別物なんで、
パルムドールの可能性もまだまだあるんじゃないかな?
そんな『アウトレイジ』は6月12日公開です。

ということで、今日はそんなフランスを舞台にした、
バイオレンス満載のフランス映画の感想です。

パリより愛をこめて

2010年5月15日日本公開。
原案リュック・ベッソン、監督ピエール・モレルによる痛快アクション映画。

CIAの異端児諜報(ちょうほう)員ワックス(ジョン・トラヴォルタ)とコンビを組んだことから、地味な諜報(ちょうほう)活動の日々が一転、危険な麻薬捜査に乗り出すこととなった駐仏アメリカ大使館員のリース(ジョナサン・リス・マイヤーズ)。捜査を続けるうちに、二人は爆弾テロリストによるアメリカ政府要人暗殺計画を突きとめる。(シネマトゥデイより)



この映画に男友達誘ったら、何の勘違いか「男ふたりで恋愛映画観たくない」って…。
たしかに『パリより愛をこめて』なんてお洒落な恋愛映画っぽいタイトルだけど、
中身はバイオレンス、ドンパチ、スパイ、カーアクションなど、
男子が大好きなものが満載の男くさい映画です。
『96時間』の"リュック・ベッソン×ピエール・モレル"コンビによる
最新作だと説明すると、喜んで付き合ってくれました。
というか、『007 ロシアより愛をこめて』のオマージュなんだから、
説明しなくてもスパイ映画だと察してほしかったけど…。

このコンビの前作『96時間』は予想を大きく上回る大ヒットをしたんですが、
本作の国際的な評価はイマイチ芳しくないようで、多少心配でした。
でも予想に反してかなり面白かったです。
まぁストーリーはデコボココンビが、テロ事件を解決するという
『TAXi』的な王道のアクションコメディですが、
なんとなくこんな単純で爽快な洋画は最近少なくなってきた気がします。
それこそ今ではリュック・ベッソンの製作会社ヨーロッパ・コープの作品でしか、
こんなベタだけど楽しいアクション映画は観れなくなってきてるかも…。
でも需要はきっとあって、『96時間』が大ヒットしたのもそのせいだと思います。

でも本作が国際的な評価が低いのは、演出が人種差別的だったからかも…。
CIAの諜報員ワックス(ジョン・トラヴォルタ)は、任務遂行のためには
躊躇なく人を殺せる男で、性格もかなり荒っぽい。
彼はある意味アメリカ人の象徴として描かれていると思うんですが、
そんな彼は人種差別の意識(というか偏見)が強く、
パリに着くなり空港職員のフランス人をフランスごと愚弄しまくり、
続いて中国人組織の構成員を犬畜生かの如く皆殺し、
それでも飽き足らず街の中国人不良グループもボッコボコに。
さらにアラブ人組織のアジトに乗り込み片っ端から撃ち殺して、逃げるヤツは爆破。
ボスにはロケットランチャーをぶち込みます。
(黒人に対してだけは妙に優しいような気がしたけど、)
これでは中国人やアラブ人が気分を害するのは間違いないけど、
メインターゲットとなるフランス人やアメリカ人もいい気はしないでしょうね。

ボクは日本人だけど、フランスや中国、アラブ人に対する偏見もけっこうあるし、
ワックスの非道な行動にも爽快感を感じたんで単純に楽しめましたけど。
フランスって移民大国とは言うけど、ホントに人種の坩堝なんだなぁ…、
なんて感動したくらいです。
それに本作自体、そんなお国柄みたいなものを面白がる映画なんで、
(例えばマクドのクォーターパウンダーをフランスではロイヤルチーズと呼ぶ、等。)
この程度の偏見はユーモアとして捉えるべきです。

そんなワックスの大暴れも楽しいんだけど、
やはりヨーロッパ・コーポのアクション映画に期待するのはカーアクションでしょ。
特にコダワリの高級欧州車によるカーチェイスです。
もちろん本作にもあります。
『トランスポーター3 アンリミテッド』『ゴー・ファースト 潜入捜査官』よろしく、
最近のヨーロッパ・コーポといえば、主役の車はアウディですが、
本作もそんなアウディにワックスが箱乗りして、敵のボルボと公道でバトルです。
他にもパトカーでポルシェを爆破したりもしますが、
フランスってパトカーも高級そうでお洒落なんですねー。

そんな概ね満足の映画でしたが、ラストがちょっとね…。
主人公のリース(ジョナサン・リス・マイヤーズ)は知性派で理性的だけど、
CIA諜報員になりたいが人を撃つ事ができない優男。
粗暴で殺人を厭わないワックスとは正反対なわけですが、
そのリースの活躍にどうもカタルシスを感じないんですよね…。
ずっと型破りなワックスに引っ張りまわされてるんだけど、
だからラストくらいはリースの知性的なネゴシエイトなんかで解決してほしかった。
あれではリースが一方的にワックスに感化されただけみたいな感じです。
というか、もともとワックスも粗暴なだけじゃなくて実はかなりのキレ者だから、
正反対なデコボココンビとしては、ちょっと中途半端なんですよね。
もっとワックスを脳筋マッチョにしてもよかったんじゃないかな?

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