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17歳の肖像

先日ようやく『17歳の肖像』を観に行けたので、
第82回アカデミー賞の作品賞候補は全10作中9作の鑑賞し終えましたが、
最後のひとつ『A Serious Man(原題)』の日本公開がなかなか決まりません。
まぎらわしいタイトルで主演男優賞候補だった『A Single Man(原題)』は
日本公開が今秋に決まったようですが…。
なので「第82回アカデミー賞、パラサイト企画」もそろそろまとめたいところだけど、
来月に主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハート』が日本公開になるので、
それを鑑賞してからまとめることにします。

ということで、今日はたぶん最後の作品賞候補作の感想です。

17歳の肖像

2010年4月17日日本公開。
イギリスの記者の自叙伝を基にした青春ムービー。
第82回アカデミー賞の作品賞、主演女優賞、脚色賞にノミネート。

1961年、16歳のジェニー(キャリー・マリガン)は、ロンドン郊外の街で平凡で退屈な日々を送っていた。父(アルフレッド・モリナ)は成績優秀な娘をオックスフォード大学に進学させようと躍起になり、彼女はそのことに反発を覚えていた。そんなある日、彼女はデイヴィッド(ピーター・サースガード)という年上の男性と出会い……。(シネマトゥデイより)



同じく第82回アカデミー賞の作品賞候補の『プレシャス』と比較される作品ですが、
ボクも知らず知らずのうちに『プレシャス』と対比しながら観てました。
16歳の少女が主人公ということは同じですが、境遇は全く正反対。
方や、両親からの暴力や貧困など悲惨な境遇から這い上がろうとするプレシャス。
方や、本作では過保護に育てられ、退屈な日常に嫌気が差し、
自ら堕落の道を選んだジェニー(キャリー・マリガン)。
全く正反対なようでいて、自分の置かれる環境から脱したいと考えた少女たち、
という意味では共通しているような気がします。
そしてどちらも根幹となるテーマは"教育の大切さ"です。

本作の原題はそのものずばり『An Education(ある教育)』。
女子高生が大人の男と交際する話なので、
はじめはエロい教育(というか調教)のことかと思ったんだけど、そうではなくて、
大人たちと付き合う中で、学校教育に意味を見出せなくなった優等生の少女が、
再び学校教育の大切さを見出すようになるという物語です。
『プレシャス』は教育格差による貧困だったので教育といっても読み書きレベル。
このレベルの教育の大切さはボクでもよくわかるけど、
本作でヒロインのジェニーが不要だと考えたような高等教育ってのは、
はっきりいって社会に出てからも全く使わないし、ボクにも必要性はわかりません。
ボクもそこそこの大学を出たけど、その知識なんて全く活かせてないし…。

ジニーの年上の恋人デイヴィッド(ピーター・サースガード)は
学校教育では教えてくれない悪知恵で詐欺まがいのことを行い、
それで得た金でセレブリティな生活をする男で、
そんな刺激的な生活を体験させられてしまっては、16歳の少女などイチコロ。
学校教育など無意味だと考えるようになっても無理からぬことです。
でもそんなヤクザな生活ならいざ知らず、真っ当に生きるためには、
学校教育というか大卒という資格はかなり有用性があります。
うっかり高校を中退してしまったジェニーも、デイヴィッドと破局し、
元の生活に戻った時、ことの重大さに気付き愕然とするわけです。
今の日本でも大卒程度の資格はあって当然、普通免許くらいの扱いですしね。

まぁ実際にはそんなテーマはどうでもよくて、
本作は悪い大人に騙されて、身も心も堕ちていくイタイケな少女を
親心のような心境で、ハラハラしながら見守るロマコメです。
高校生のころは自分自身けっこう大人だと思ってるけど、
社会に出てみるとその頃はすごい子供だったことを実感します。
大学生や社会人がかなり大人に見えたのも気のせいで、
ボクは20代後半だけど、未だに嫌んなるくらい子供だと自覚してますし、
実際30~40才くらいでも全然子供っぽいと感じるようになりました。
とりあえず高校生くらいの子は、大人に対して妄想に近い憧れを持ってるんですよね。
ジェニーはその典型で、デイヴィッドを同級生に自慢し、皆からチヤホヤされ得意げ、
それまでボーイフレンドだった同級生の男子なんてガキにしか見えなくなり、
大人の社交場で遊び、ロストヴァージンも済ませて、避けに煙草にとズブズブ…。
大人から見れば堕落でも本人は大人の階段を駆け上がってるつもりだから始末が悪く、
挙句には学校なんて必要ないと退学しちゃうわけです。

ジェニーのような前途明るい優等生が堕ちていくのを見るのは、
ちょっと居た堪れない気持ちになります。
ジェニーは(オスカー候補になるほどの魅力で)とてもかわいい子で、
そんな彼女が悪いオッサンの毒手にかかるのに怒りを感じるというか、
ぶっちゃけそのオッサンが羨ましかったり…。
デイヴィッドを演じたピーター・サースガードは優しそうな印象はあるけど、
あんまり2枚目俳優じゃないですからね。
年齢よりも老けて見えるし、あんなのどこがいいんだ?って感じです。
でも高校生の女の子ってそんなもので、ボクの同世代の知り合いにも
女子高生囲ってる奴がいるけど、同世代の女性からは相手にもされない
チャラいだけの薄っぺらい奴です。
まぁ羨ましくないといえば嘘になるけど、淫行はダメです。

第82回アカデミー賞作品賞の中では一番期待してなかった作品でしたが、
意外とハラハラして楽しめた作品でした。

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