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月に囚われた男

思えば映画という商品は不思議なもんで、価格が一律なのにも拘らず、
時に低予算であることがセールスポイントになることがありますよね。
これがゲームや音楽CDなら、低予算で作られたものを他と同じ価格で買いたくないし、
衣料品やお惣菜なら安い原料で作られているものも買う気が起きません。
でも映画だと、お金はかかってない分、創意工夫がされていそうで、
素晴らしいアイディアが詰まってるんじゃないかと期待してしまいます。
逆に巨額を費やした超大作の方が平凡でチープに感じることが多いです。
ただ低予算な上に内容もチープなのもあるんで要注意ですが…。
コストパフォーマンスだけ異常な『パラノーマル・アクティビティ』みたいな…。

ということで、今日は制作費500万ドルの映画の感想です。
参考として、同日公開だった『第9地区』の6分の1の制作費です。

月に囚われた男

2010年4月10日日本公開。
『フロスト×ニクソン』のサム・ロックウェルが(ほぼ)一人劇に挑んだSFスリラー。

サム(サム・ロックウェル)は地球で必要なエネルギー源を採掘するため、3年間の契約で月にたった一人で滞在する仕事に就く。地球との直接通信は許されず、話し相手は1台の人工知能コンピュータ(ケヴィン・スペイシー)だけの環境だったが、任務終了まで2週間を残すある日、サムは自分と同じ顔をした人間に遭遇する。(シネマトゥデイより)



地球のエネルギー資源が枯渇した近未来が舞台。
サム(サム・ロックウェル)は世界最大の核燃料生産会社ルナ産業と契約し、
月の裏側でエネルギー資源を採掘する掘削機の保守点検や、
採掘された資源を地球に投下する仕事を請け負っている。
人工知能を搭載したロボ・ガーディと共に、たったひとりで従事する。
あと2週間で契約期間3年を満了し地球に帰れるというときに事件は起こった…。

なんというか、荒唐無稽なSF映画のようだけど、
NASAがホントにこんな計画を検討しているそうです。
サムが採掘する"ヘリウム3"という燃料も、ホントにあるクリーン燃料で、
月にたくさんあるんじゃないかといわれています。
オバマ大統領は月面有人探査計画を廃止して、火星を目指すそうですが、
火星を有人探査するよりも現実味のある話です。
エネルギー問題解消できるかもしれない、夢のある話です。

でもそのために月でひとりっきりで3年も生活するなんて、
数億積まれても嫌ですよね…。
しかも通信衛星の故障で、地球とはライブ通信できない状況…。
寂しいだろうし、ホントに地球に帰れるのか疑心暗鬼になるし、
気が狂いそうになるでしょうね。
そのわりには本作の主人公サムは意外と平気そう。
でもやはり精神的に弱っているようで、いるはずのない人の幻覚が見えます。
なので最終的には幻覚オチになるんじゃないかな?って感じで、
最初はサイコスリラー映画なんだと思ってました。
でも実際は『アイランド』系のテーマのSFです。

あ、これはネタバレだったかも?
でもその事実はサムもかなり早い段階で気付くし問題ないかな?
その後サムがそのどうしようもない事実を受け入れて、
どんな行動に出るかってのが本作の見どころだし…。
でもどのみちネタバレはしない方がよさそうなんで、
ストーリーについてはこれ以上何も書けないかな…。
ひとつだけツッコむなら、人工知能ロボ・ガーディが高性能すぎて、
わざわざ人間を月に送り込む必要ないんじゃないか、と思ったところかな。

映像は低予算であることを逆手にとって、シンプルなセットですが、
80年代のSF映画のようなレトロで味わいのある画になっていて、
音楽クリップのようなカメラワークでどこかモダンでお洒落な感じに仕上がってます。
特に月面のシーンが綺麗で、とても神秘的です。
そんな美しい映像を撮った監督のダンカン・ジョーンズは、
本作でナショナル・ボード・オブ・レビューや、BIFAの新人監督賞を受賞し、
一躍大注目の新人監督になりましたが、
彼を語る時はいつも"デヴィッド・ボウイの息子"という肩書きが付きます。
本作で彼に才能があるのはよくわかったので、七光り扱いされてるのは気の毒ですね。
まぁ本人はあまり気にしてないみたいだけど…。

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