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プレシャス

アカデミー賞作品賞ノミネートが2009年度から10作品に増えたわけだけど、
例年通り5作品だったら、例年の傾向から考えると、
ノミネートされそうなのは『しあわせの隠れ場所』『マイレージ、マイライフ』
『プレシャス』『17歳の肖像』『ア・シリアス・マン(原題)』の5つで、
受賞した『ハート・ロッカー』や、最有力候補だった『アバター』は
ノミネートから外れたんじゃないかと思うんですよね。
どうでもいい妄想の話でした。

ということで、『プレシャス』の感想です。

プレシャス

2010年4月24日日本公開。
NY・ハーレムで過酷な運命を生きる16歳の黒人少女の人生を描く人間ドラマ。
第82回アカデミー賞助演女優賞、脚色賞受賞。

実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカー(マライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。(シネマトゥデイより)



貧困の固定化、教育問題、家庭内暴力、近親相姦、中学生の妊娠、ダウン症、HIVと、
社会問題のデパートのようなテーマの作品ですが、なぜかコメディタッチで、
どうゆう心境で観ればいいのかわからない映画でした。
主役のプレシャス(ガボレイ・シディベ)の風体からして、
響のミツコ(長友)を膨らませたような感じで、それだけでも面白いのに、
そんな残念な容姿にもかかわらず、スマートなブロンドの白人に憧れていて、
いつかスターになれるはずと妄想するところが滑稽。
これはボクが不謹慎なわけじゃなくて、制作側も笑かしにかかっているのは明白です。
あまりにもエグい内容の原作を、少しでもマイルドにしようとしたのかも。
実際にコメディタッチじゃなかったら、悲惨すぎて観れたもんじゃなかったかも。

プレシャスのキャラが嵌りすぎて、妙にリアリティを感じてしまう作品ですが、
特に実話というわけではなく、黒人家庭に起こりがちな問題をとにかく詰め込んで、
いろんな人(特に女性)に大なり小なりシンパシーを感じさせようとしています。
ボクは比較的穏やかな環境で育ったというか、普通の家庭で育ったんで、
この手の問題を周りの人も含めひとつも経験したことがないし、
全然シンパシーを感じないです。
児童への性的虐待の報道を聞いたりすると、遺憾なことだとは思うけど、
所詮はヒトゴトだと思ってるし…。
これだけ不幸を大盤振る舞いされると、下手なケータイ小説みたいで冷めますね。
ダウン症やHIVなど、解決方法がない問題まで詰め込むことなかったんじゃないかな?
それに容姿のコンプレックスも肥満くらいは何とでもなるだろ、と思っちゃうんで、
プレシャスの悲壮感も、悲劇のヒロインを演じているようにしか見えないし。
アカデミー賞にノミネートされそうな良作というのは感じるし、
本作を絶賛する人の気持ちもわかるような気がするけど、
環境が違いすぎて全然心に響かない。
ちょうど去年の映画『ミルク』にちかい心境になりました。

本作で第82回アカデミー賞助演女優賞を受賞したプレシャスの母親役モニーク。
逆エレクトラコンプレックスというか、白雪姫コンプレックスから
プレシャスにキツく当たる母親役ですが、さすがにインパクトのある演技で、
それはそれは不愉快なほどの怪演でした。
演技とはわかっていてもモニーク自身を嫌いになりかねないほどで、
それだけ巧かったんだろうけど、逆にオスカー獲って欲しくなかったくらいです。

最近は黒人家庭でもその手の問題は減りつつあるらしいけど、
日本では児童虐待の通報件数が増えてるらしいし、
親になるのはある程度資格が必要にするべきじゃないか、みたいなことも思います。
プレシャスの母親にしてもそうだけど、別に娘に愛情がないわけじゃないようで、
やっぱり諸悪の根源は貧困じゃないかな。
軽々しく少子化が叫ばれてるけど、貧困層は子供生まない方が子供のためだし、
それでは社会が回らないから、政治は貧困を無くす努力しないとダメです。
でもとりあえず一律で現金配っちゃう"子ども手当て法"は最悪の法律で、
プレシャスの母親みたく、ナンバーズにつぎ込まれても阻止できません。

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