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てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~

先月行われた吉本興業主催の第2回沖縄国際映画祭ですが、
森三中の黒沢かずこ主演の芸人映画『クロサワ映画』がグランプリを獲ってしまって、
「なんだ結局身内贔屓か…」と非常にガッカリしました。
というのも、去年の第一回のグランプリ『鴨川ホルモー』は、
興行的には成功とはいえないものの面白かったし、国内外での評価は結構高くて、
吉本興業主催のわりには意外とマトモな映画祭だと思ったし、
その今後の発展に期待をしていたのに、第2回目にしてコレですよ…。

吉本と在京キー局5局がタッグを組んで制作した5作のうちの1作で、
フジテレビとのタッグで制作されたのがこの『クロサワ映画』。
この5作は完全にプログラムの枠を埋めるための賑やかしだと思ってたのに、
去年全米年間6位の『ハングオーバー』や、『ソラニン』『ダーリンは外国人』など、
興行的にも成功しているマトモな作品を破りグランプリです。
『クロサワ映画』もきっと面白いんだろうし、公開されたら観てみるつもりですが、
この結果が対外的(特に外国から)にどう見られるかが心配です。
"国際"とは名ばかりの沖縄"吉本"映画祭、みたいな…。
コンセプトは素晴らしいので、少しは権威のある国際映画祭に発展してほしいです。

ということで、今日はある意味、沖縄国際映画祭を象徴するような映画の感想です。
この映画もかなりいい感じだったけど、『クロサワ映画』には負けたみたいですね…。

てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~

2010年4月24日公開。
ナインティナイン岡村隆史主演。実話を基にした感動ドラマ。

幼いころから海の生物が大好きだった健司(岡村隆史)は、幼なじみの由莉(松雪泰子)と結婚するために故郷の沖縄に戻って来る。母(原田美枝子)の猛烈な反対を押し切ってのゴールインだったが子宝にも恵まれ、自分で始めたレストラン事業もようやくうまくいき始めていた。そんな折り、突然健司は店をやめてサンゴを再生すると宣言する。(シネマトゥデイより)



世界で初めてサンゴの移植産卵に成功した日本人の実話が基になっている物語です。
自分が子供の頃に見た沖縄の綺麗な海やサンゴ礁を自分の子供にも見せてあげたい、
その一心だけで、誰もやったことのないサンゴの養殖を始める健司(岡村隆史)。
そのために仕事も辞め、母親(原田美枝子)や妹(児玉絹世)には猛反対され、
漁業権を持つ漁師たちには相手にされず、開発業者からは嫌がらせを受け、
環境の専門家からは素人とバカにされ、行政からは助成金も降りない。
いいことをしているはずなのに日に日に肩身は狭くなり、経済的にも困窮…。
何度も挫けそうになるが、妻(松雪泰子)や幼馴染の友達など、
僅かな理解者の協力のお陰で、次第に輪が広がり、
ついにはサンゴの移植産卵に成功するという、嘘のような美談です。

昨今も普天間基地移設問題で、辺野古沿岸部を埋め立てて、
滑走路を作る案もあったけど、サンゴに重大な影響があるとかで反対されてました。
米軍機が住宅地の上を飛ばないようにするための苦肉の策ですが、
やっぱり堕ちるかどうかわからない米軍機のために、
環境が確実に破壊される案は受け入れがたいものがあります。
ボクは普天間問題にはあまり関心がありませんが、辺野古沿岸部案だけは反対です。
でもそんな「何よりも環境が大事だ」みたいなことは本土の人間だから言える事で、
現地の人々にとってみたらいろいろ複雑な問題のようです。
特に物価は高いのに所得は全国最下位、失業率日本一の沖縄では、
環境によくないとわかっていても、米軍基地も収入源と考える人も多くて、
利権がらみでいろんな考え方の人がいるようです。
普天間問題だって、報道では県民のほとんどが県外移設を望んでいる風だけど、
選挙や住民投票では反対賛成が結構拮抗したりするらしいです。
(聞きかじった話なので全然間違っているかもしれないけど…。)

本作もそんな特殊な地域・沖縄が舞台だからこその作品かもしれません。
まず疑問に思うのが、環境保全に尽力する健司に対する県民の反応。
まぁ映画なんで多少の誇張はあるでしょうが、
自分たちの海を守ろうって人に対して、なぜあんなに反対し、バカにするのか。
それは短期的に環境保全より開発の方が金になるからに他なりません。
長期的には観光資源を失い、土地の価値を下げる愚かしい行為だと思うけど、
それも都会で伸う伸うと生きる人間のエゴかもしれないですね。
健司ですら日々の生活費のために、サンゴや夢を捨てて、
開発に賛同しようとするくらいだから、目先の金に釣られるのは仕方ないです。

と、ちょっと社会派なテーマも含んだ本作ですが、
基本的には家族愛や友情を描いた感動ドラマです。
ボクは友情モノに弱いんで、ベタに泣けました。
健司の話に耳も貸さなかった漁業組合長(國村隼)の説得に成功したり、
健司を嘲笑する環境の専門家をサンゴの産卵を成功することで見返したりと、
痛快サクセスストーリーの様相もあります。
それに似非環境ドキュメンタリー『オーシャンズ』なんぞよりも、
海中の映像も力が入っていて、よっぽど綺麗で見応えがありました。
また芸人が主役を務めるってこともあって、まあまあ笑えるところもあります。

あ、最後にその主演芸人、ナイナイ岡村についても書こうかな。
ナイナイ矢部も何かの番組で言ってたけど、はじめはコントのように見えました。
セリフが沖縄弁ってこともあって、なんかガレッジセールの真似をしているような…。
映画ではワンシーン役者として定評のある岡村さんですが、
ヒューマンドラマの主演はちょっと荷が重いんじゃなかろうかと…。
でも岡村さんが沖縄弁話していることに慣れてくると、
その誠実そうな感じが役にマッチしててなかなかいいんじゃないかと思えました。
見た目も現地の人っぽいです。
それに方言って、標準語に近づけて話す時はセリフっぽくなります。

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