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クレヨンしんちゃん 2010

ボクは『クレヨンしんちゃん』だけは毎週欠かさず見ているほどのファンですが、
去年は『クレヨンしんちゃん』にとって史上最悪の不遇の年でした。
まず『オタケべ!カスカベ野生王国』が5年連続初登場2位記録も途絶えて4位に。
興行収入も歴代2番目の低調さで、もちろん出来もイマイチ。
さらに過去の名作『嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』が実写リメイクした
『BALLAD 名もなき恋のうた』はせっかくの名作に泥を塗る駄作…。
それだけでも散々な年ですが、極めつけは原作者さんの急逝です。
そのこと自体もかなりショッキングだったけど、
原作はおろか、アニメの継続も懸念される事態にもなりました。
まぁその懸念は杞憂で終わりましたが、作品には少なからず陰が落ちた気がします。

本作は過去にもマスコット的キャラの"ぶりぶりざえもん"の声優さんが
不慮の事故で亡くなったことで、それ以降ぶりぶりざえもんがセリフ付きで
登場することがなくなってしまいました。
それはアニメ制作スタッフがその声優さんに敬意を払った処置ですが、
急に言葉を失ったぶりぶりざえもんは一種異様で、なんか暗い気持ちになります。
声優の都合なんて視聴者(特にチビッコ)には全く関係ないことだし、
その処置は制作スタッフの自己満足だと感じます。
原作者さんのことにしても、あまり陰を引っ張らないで末永く続いて欲しいです。

ということで、今日は劇場版『クレヨンしんちゃん』最新作の感想です。

クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁
クレヨンしんちゃん 2010

2010年4月17日公開。
テレビアニメ『クレヨンしんちゃん』劇場版シリーズ第18作。

しんのすけの花嫁だというタミコが、未来都市ネオトキオからタイムマシンに乗ってやって来る。タミコは、未来のしんのすけがネオトキオの独裁者・金有増蔵に捕まってしまったため、5歳のしんのすけの力を借りたいと言う。まったくやる気のしないしんのすけは、とりあえずタミコと共にネオトキオへ向かうが……。(シネマトゥデイより)



前々作『ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』が史上最悪な出来だったけど、
本作はそれに負けないくらいの残念な出来です。
この2作の共通点は、劇場版オリジナルの世界感やキャラに振り回されるだけで、
しんちゃん含め野原一家が主体的に活躍できていないということです。
本作は特にその傾向が強く、ゲストキャラのタミコが主役のようなもので、
彼女のプライベートな問題に、しんちゃんはわけもわからずつき合わされている感じ。
むしろ幼稚園の友達たちの方が見せ場が多いくらいで、
ラストの決戦にしても、しんちゃんは特に何もしてないといえます。

もうひとつの共通点は、2作ともしんちゃんの恋物語になっていること。
恋物語でも『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』のように成功した例もあるし、
一概にそれが悪いってことはないんだけど、
『クレヨンしんちゃん』の劇場版の中心テーマは家族愛であるべきだし、
それが『名探偵コナン』や『ポケモン』など他のアニメ劇場版と違い、
主人公が幼児で家族で冒険することが多い『クレヨンしんちゃん』シリーズの
最大の特徴だし、他にはない売りだと思うんですよ。
でも本作は、家族愛なんてこれっぽっちも描かれていません。
SF恋物語なんて、『ドラえもん』ででもやればいい内容で、
本作がわざわざやらなきゃならないもんじゃないです。
(『BALLAD』もその辺を履き違えていたため、全く別物になっちゃってました。)

本作は『クレヨンしんちゃん』の世界の30年後の未来が舞台した、
タイムトラベルもののSFストーリーです。
30年後のしんちゃんやその家族、幼稚園の友達が登場します。
それはそれでファンとして興味深いものではあるんですが、
あまりに30年後の世界が酷すぎるというか、
主要キャラたちの未来の状況が酷すぎます。
荒んだ生活をするマサオくんやネネちゃん、敵の悪徳企業の幹部になった風間くん…、
(この辺の構図は『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』と似てますね。)
アクション仮面も悪徳企業のマスコットキャラのようになっていて、
原案のキャラのイメージすら傷付けかねないような、夢も希望もない設定です。
幼稚園の友達はみんないい子だし、思い入れもあるんで、
あんな風に成長するんだと思うと不愉快な気分になります。

特に大人のしんのすけは悲惨で、今の性格のまま35歳になってしまった感じ。
35歳であの喋り方やアクション仮面の格好は、まるで精神発達障害のようです。
5歳児だからおバカでもこどもらしくてかわいいわけで、大人でアレは異常者です。
『ドラえもん』ののび太にしたって、未来はちゃんと立派な大人になってますよ。
原作者が存命だったらあんな設定容認しなかったと思います。

その未来はラストでタイムパラドックスによりパラレルワールド化し、
原作世界の正統な未来ではないということになったので少し溜飲が下がりましたが、
それならそれで、今回の冒険は何のためだったのか、全く意味のないものになります。
というか、現代に戻ったしんちゃんの行動で、未来が変わったのならまだわかるけど、
あのタイムパラドックスが、なぜ起こったのかすら不明のまま幕引きするなんて、
タイムトラベル系SF映画としてもかなりいい加減な出来です。
本作には大人のひまわりも登場しますが、彼女は予想外に可愛くてよかったです。
でも(大人のボーちゃんにしてもそうですが)なんの脈絡もなく登場するんで、
タイムパラドックスの件も含め、プロットの安直さにも閉口させられました。
レギュラー放送でも未来から5歳のひまわりがやってくるSFチック話が時折あって、
そちらはタイムパラドックスも活かされた凝った内容で、なかなか面白いです。
どうせSFものするなら、その辺を活かしたものにすればよかったのに…。

ボクが異常なほど期待しているのもあるけど、6作も連続で残念な出来…。
同日公開のライバルのシリーズ『名探偵コナン』は不動の人気を得て、
前作で最高の興行収益を記録してるのに、こちらは最低記録を更新しそうな勢いです。
『ドラえもん』みたいに、駄作でも集客できるほどのキラーシリーズでもないし、
惰性で劇場版作れるのも、もう限界水域なんじゃないかな?
なぜかテレビの視聴率は『名探偵コナン』や『ドラえもん』より高いらしいので、
大ヒットできる潜在力はテレビアニメの劇場版中最高クラスのはずなんだけど…。

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