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マイレージ、マイライフ

ボクはポイントサービスが好きで、いろんな店のポイントをコツコツ貯めこんでます。
映画館とか、家電量販店とか、大手レコード屋とか、服屋とか、T-POINTとか…。
むしろポイントサービス行っていない店は避けるくらいで、
例えばシネコンならポイントサービスやってるTOHOシネマズやMOVIXはよく行くけど、
サービスのないT-JOY系シネコン(梅田ブルク7)などは、なるべく行きません。

特にMOVIXのポイントはいいですね。
TOHOシネマズは映画6本観れば1本無料で観れるんですが、
MOVIXは実質5本観れば1本無料で観れる上にポップコーンまで付いてきます。
1000円で観れるチャンスも多いので、1本平均833円で観れる計算です。
あれ?TOHOシネマズでも1000円デイだけなら1本平均857円だ。意外と差がない…。
だいたい60本観ると、1ヶ月無料のフリーパス貰えるシネマイレージ制度もあるし、
フリーパス行使中に3本以上観ればTOHOシネマズの方がお得ってことになるのか!
まぁMOVIXは連れの分も加算されるので、一概にどちらがお得とは言えませんが…。
とりあえずT-JOYもポイントサービス始めてください!

今日はそんなポイントサービス、マイレージに魅了された男が主役の映画の感想です。
ボクは数年に1度くらいしか飛行機に乗らないので、マイレージは0ですが…。

マイレージ、マイライフ
Up in the Air

2010年3月20日日本公開。
ウォルター・キルンの同名小説を基にジョージ・クルーニー主演で描く人間ドラマ。
2009年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー、最優秀映画賞受賞。

仕事で年間322日も出張するライアン(ジョージ・クルーニー)の目標は、航空会社のマイレージを1000万マイル貯めること。彼の人生哲学は、バックパックに入らない荷物はいっさい背負わないこと。ある日、ライアンは自分と同じように出張で各地を飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と出会い、意気投合するが……。(シネマトゥデイより)



ボクは今年度のアカデミー賞は『マイレージ、マイライフ』が獲ると思い込んでいて、
まだ観てもないのに、かなり前から本作のオスカー受賞説を吹聴して回ってました。
結果はご存知の通り『ハート・ロッカー』が受賞してしまい、いい赤っ恥でしたが、
先日実際に観てみてみたら、やっぱりいい映画じゃないですか。
受賞した『ハート・ロッカー』にも、最有力候補だった『アバター』にも、
決して引けをとらない面白い作品だったと思います。

主人公ライアン(ジョージ・クルーニー)はリストラ請負人です。
あ、リストラ請負人なんて称するとターンアラウンドマネージャーみたいな、
企業再生のエキスパートみたいな印象も受けますが、
ライアンの主な業務は見ず知らずの人をクビを切ることです。
リストラを断行したい企業の依頼で、社員を解雇しに全国どこでも飛んできます。
賃金労働者のボクからすると、腸の煮えくり返るような最低最悪な隙間産業というか、
不況を食い物にする貧困ビジネスの最たるもので、鬼畜の所業としか思えない仕事。
そんな仕事を平然とこなすライアンも血も涙もない鬼畜に違いありません。
そんな彼が人との繋がりを持つことで人間らしい心を取り戻していく…、
…といった感じの、社会風刺と彼の更正のドラマだと思ってたんですが、違いました。

ライアンは人間らしさは欠如してるものの、比較的いい人です。
彼の仕事は凡そ許容できるものではないけど、一番最悪なのは、
人ひとりの人生を狂わしかねない重要な業務・解雇を、外部委託してしまう企業です。
中小企業では上司や人事部が解雇通知することが多い気がしますが、
肩叩きする側もかなりストレスがあるらしいので、まだ気も紛れるというものです。
それを外注するなんて大企業はホントにこんな非人道的なことやってるんですかね?
俄かに信じ難いけど、『キャピタリズム』観た感じでは、やりかねないですね…。
そんな企業には勤めたくないし、ホントに潰れればいいのに…。

ライアンはリストラのプロとして、穏便に解雇するためのテクではあるけど、
失業者の心情も酌んで希望を抱かせるように解雇通知してくれます。
ある意味、解雇を外注するような非人道的な企業から直接通知されるよりも、
心の傷は浅くて済むかもしれないですね。
それにライアンは人間性が欠如し、人との繋がりを重荷と感じる寂しい男で、
そんな彼にはこの仕事は天職というか、ここしか居場所がないというか…。
だからこそ、信念を持ってやってるし、ある意味では同情してしまいます。
それにライアンの酷さなんて生温いと思うような、もっと酷い奴が登場しますし。
それが有名大学を優秀な成績で卒業し、有望なリストラ請負人として、
ライアンの下で研修することになった新人ナタリー(アナ・ケンドリック)です。

ナタリーは恋人を追っかけてこの仕事に就いただけで、全く信念なんかなく、
当然解雇という業務の重さもわかりません。
出張費削減のために、ライブチャットで解雇通知を行うという提案を会社にします。
失業者の心情なんて完全に無視し、失業者を感情を逆なでするような提案ですね。
しかも彼女は、ライアンが手荷物検査時に人種偏見な発言をしたことを非難しますが、
自分も付き合う恋人の条件で「ホワイトカラーの白人のみ」ともっと酷い差別的発言…。
役者の演技とはいえ、ナタリーに殺意を感じました。
そんなカス女ですから、当然恋人からも三行半を突きつけられます。
恋人にメール一本で振られ、ネット社会の無常さを痛感したり、
ライアンとの研修で非情な解雇の現場を体験したことで、
彼女の気持ちも徐々に更正されていきます。
極めつけは、彼女が解雇通告した女性が自殺してしまい、彼女も自ら辞職します。
もう「ざまぁみさらせ」って感じで、ちょっと溜飲が下がったのも束の間、
優しいライアンの計らいで、あっさりいい会社に再就職です。
業務とはいえ、人ひとり殺しておいて彼女だけハッピーエンドって…。
こんなラストではオスカーは獲れなくて当然です。

あ、でもナタリーを演じたアナ・ケンドリックの演技は、
ボクも思わず感情的になってしまうくらいだから、かなりよかったんじゃないかな?
主役のライアンやヒロインのアレックスよりも強烈な印象が残ってるし…。
でもアカデミー助演女優賞にもノミネートされたものの、受賞は出来ませんでした。
本作からはライアンの恋人アレックス役のヴェラ・ファーミガも同じく助演女優賞に、
ライアンを演じた主演ジョージ・クルーニーも主演男優賞にノミネートされました。
作品賞、監督賞、脚本賞も合わせて、5部門6ノミネートもしたのに、
残念ながら無冠に終わっちゃいましたね。

あれ?素晴らしい映画だと思ったのに、まだ全然褒めてないや…。
まず『マイレージ、マイライフ』って邦題がいいですよね。
原題(『UP IN THE AIR』)より邦題がいいと思ったのはかなり久しぶりかも。
ヒネリが利いてますし、ライアンの人生を上手く表現できています。
ライアンはマイレージを貯めて、航空会社から特別待遇されることに喜びを感じ、
マイレージをひたすら貯め込む事が生きがいの変わり者。
仕事が卑下される業務だから、ステイタスに走りたくなるのもわかりますね。
人との繋がりを拒むかのように、年間322日も飛行機で出張していて、
文字通り地に足が着いてない彼の人生の滑稽さが笑いを誘います。
そこに出張を廃止しようと提案するナタリーが現れ、ライアンは戦々恐々です。
しかも上司からそんな彼女の研修係を任命されてテンヤワンヤに。
そう、本作はコメディとしてかなり面白いんです。
でもそれだけじゃなく、彼が妹の結婚式のために奮闘したところは感動しました。
特に彼が妹の旦那にかけた言葉には、心が洗われる思いがしました。
マイレージの奴隷の彼の、初めてのマイレージの使い道にも地味に泣けました。

笑えて泣けて本気でイライラできる、これだけ感情が揺さぶられる映画も珍しいです。
ラストにもう少し工夫があれば、もう最高の映画だったんだけどなぁ…。

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