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ハート・ロッカー

最近はアカデミー賞のことばかり書いてる気がするけど、
もうあと何時間かすれば、ついに第82回アカデミー賞が開幕しちゃいます。
(ボクはWOWOW入ってないから見れませんが…。)
それに先んじて、第30回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)が発表になりました。
最低映画賞は去年の全米ナンバー1ヒット作『トランスフォーマー/リベンジ』。
ボクとしては前作よりマシになったと思ったんで、そんなに評価は低くないけど、
ラジー賞の好きそうなゴシップも満載の映画だったんで納得です。
それにラジー賞に選ばれる作品って、評価の悪い映画だからだから、
日本では公開スルーされた作品も多くて、縁遠い映画賞だと感じてたし、
こうして馴染みのある作品が選ばれるのは、なんか楽しいです。
同作は最低監督賞、最低脚本賞も受賞し、ラジー賞3冠に輝きましたが、
ラジー賞に最低プロデューサー賞があったら『ハート・ロッカー』で決まりですね。

てことで、今日はアカデミー賞有力候補『ハート・ロッカー』の感想ですが、
授賞式以降はオスカー作品か、オスカーを取れなかった作品ってことになるので、
候補作として作品が観れるのも今年はこれが最後になります。
同じ内容の作品だけど、観る方の心持ちは若干違いますよね。

ハート・ロッカー

2010年3月6日日本公開。
イラク駐留アメリカ軍の爆発物処理班を描いた戦争アクション映画。
第82回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞ほか、最多9部門ノミネート作。

2004年夏、イラク・バグダッド郊外。アメリカ軍爆発物処理班・ブラボー中隊のリーダーに、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)が就任する。まるで死への恐怖などないかのように遂行されるジェームズの爆発物処理の様子に、仲間のサンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)らは不安を抱くようになり……。(シネマトゥデイより)



なるほど、アカデミー賞で『アバター』の対抗馬といわれるだけのことはあって、
かなり観ごたえのある映画です。

本作はフセイン政権崩壊後の混乱するバグダッドが舞台。
イラク戦争を舞台にした映画は数あれど、どれもあまり成功してないみたいですが、
それはイラク戦争の大儀があやふやだったり、今も継続中の戦争で生々しかったりで、
多くのアメリカ人としても、気軽に楽しめるものじゃなかったからじゃないかな?
本作は"ハート・ロッカー"(棺桶の隠語らしい?)と称される爆発物処理班の話で、
米軍だけど前線でドンパチする兵隊たちの話じゃないし、思想信条とは関係なく
多くの人が楽しめるアクション映画に仕上がっていると思います。

この爆発物処理班という珍しい職業にスポットを当てたってのも面白いですね。
しかも本作はジャーナリストのマーク・ボールが実際にイラクで取材した体験を基に
脚本を書いたものを、キャスリン・ビグロー監督がリアリティ重視で映像化していて、
かなり臨場感のある作品になっています。
実話がベースだから、爆弾処理するにしても絶対に成功するとは限りません。
現に処理に失敗し、えらい目に会うところから物語が始まりますし、
全体的に観ても、(爆弾処理のみならず)作戦の成功率は半々くらい。
あまりご都合主義にはなってないので、緊張感が半端ないです。
先日、とあるアメリカ軍軍曹が、この作品の主人公のモデルは自分であると、
訴えを起こしたことでひと悶着あったみたいですが、
それもこの話がどれだけ実話に近いのかを証明するいい機会になりましたね。
(でも制作側はあくまでフィクションと突っぱねてるみたいですが…。)

とはいえ、実話だったにしても爆発物処理班が野戦や市街戦に巻き込まれる展開は
あんまりいらないんじゃないかな?
それも臨場感のある感じで手に汗握りましたが、せっかく爆発物処理班だから、
そんなドンパチよりも、もっと爆弾処理で手に汗握りたかったです。
野戦のシーンとか、臨場感たっぷりに描きすぎて、やたら長いし…。
主人公の単独行動のシーンとか、そんなに重要だとは思えなかったし…。
人間爆弾とか、けっこうエグい爆弾も登場しましたが、
もっと色んな仕掛けの爆弾の処理を見てみたかったなぁ…。

本作の主人公ジェームズ(ジェレミー・レナー)は無謀な男で、
遠隔操作で処理できそうな爆弾でも、防爆服を着て直接処理しに向かいます。
なにしろ今までに800以上の爆弾を処理してきた凄腕爆発物処理兵で、
怖いを通り越して爆弾を処理するのが楽しいみたいです。
それに他の米兵はアラブ人全員をテロリストかのように警戒するのに対し、
彼はアラブ人には情をかけ、逆に仲間の米兵はあまり信用しません。
あきらかに変な男だし、普通の神経では考えられない男ですが、これが本作のテーマ。
彼は長い戦場での生活で神経が麻痺してしまったんですね。
いや、麻痺というか戦場での極限状態が、麻薬とように彼を蝕み、
普通の日常に虚無感を感じ、任務が明けてもまた戦場に赴いてしまう…。
帰還兵に自殺者が多いという話がありますが、それは極限状態のストレスによって
帰還後も普通の精神状態に戻らないという戦争の後遺症なわけですが、
爆発物処理班は死亡率の高い部隊で、極限状態のストレスも何倍も高いです。
何度もそれを経験したジェームズがまともな精神状態なわけがないです。
彼はある意味、一番重度の戦争後遺症にかかっているってことでしょうね。
治安部隊である爆発物処理班がヒーロー的に活躍する愛国映画にもみえるけど、
根底はやっぱり反戦映画なのかもしれません。
でもアラブ系の人々の残忍さや、イスラム教を妄信する異常さも描かれているんで、
アメリカ人のムスリムに対する不信感を煽ってるようにも感じるかな。

後数時間後には結果の出ることなんで、今更な気もするけど、
アカデミー賞作品賞は無理でも、監督賞か脚本賞の可能性は高い気がするなぁ。
(個人賞なら例の残念なプロデューサーは関係ないし。)

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