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パラノーマル・アクティビティ

今日も映画の感想です。

パラノーマル・アクティビティ

2010年1月30日日本公開。
低予算で大ヒットを記録したフェイク・ドキュメンタリー・ホラー。

幸せに暮らすひと組の若いカップル。ある日、家の中の様子がどこかおかしいことに気付き、悪霊がいると感じた二人は家中の至るところにビデオカメラを設置する。そして、二人が眠りに落ちた後に撮影された映像には、背筋も凍るようなものが映っていて……。(シネマトゥデイより)



制作費1万5千ドルとゆう低予算作品にもかかわらず、
全米興行収入1億ドル以上を稼いだということで話題の作品。
去年のハロウィンシーズン前くらいから、"何やらすごい映画があるらしい"と
風の噂で聞いていて、日本公開を心待ちにしてたんですが、ついに公開されました。
でもいざ観てみると、なんでそんなにヒットしたのかよくわからない作品で…。

ボクはフェイク・ドキュメンタリーを特に好んで観るんですが、
フェイク・ドキュメンタリーの面白さは、如何にリアルに見せるか、
如何に衝撃的な演出で観客を驚かせるかのアイディアにあると思うんです。
その点本作は、ホームビデオで撮った映像を編集して流しているだけ。
一番ベタで古典的なフェイク・ドキュメンタリーです。
フェイク・ドキュメンタリーがブームの昨今、なぜこれだけが大ヒットしたのか…。

内容のお粗末さは後で書くとして、
フェイク・ドキュメンタリーとして一番マズかったのが宣伝の仕方。
"全米で1億ドル稼いだホラー"というフレコミは期待が高まるんでいいけど、
"スピルバーグが「これ以上は無理」とリメイクを断念した"とか、
"制作費がたったの制作費1万5千ドル"とか、そんな情報は宣伝しちゃダメです。
仮にも表向きはドキュメンタリーとして上映するのがフェイク・ドキュメンタリー。
ホームビデオで撮られたものが流出したという体(てい)なのに、
リメイクだとか制作費だとか、そんなものあるはずないでしょうに…。
"フェイク"であることを先に宣伝するなんて愚の骨頂です。
あと一番怖い(というかビックリする)ラストシーンを、
劇場予告に使っちゃってるのも、頭がおかしいとしか思えません。
もうこれで怖がれってのは無理があります。

そんな宣伝の拙さで怖くなくなっちゃてる部分も多いんですが、
それを差し引いても全然怖くないと思う。
理由はいろいろあるけど、まず一番大きいのが親近感のなさ。
日常の中から突如襲われる衝撃を描くのに長けている撮影手法が
フェイク・ドキュメンタリーだと思うんですが、
本作の怪奇現象は誰にでも起こりえるものではなく、劇中の個人だけ。
そこですでに他人事のように思えて怖くなくなります。

それでも観客に恐怖を与えたいのなら、登場人物に感情移入させないとダメですが、
この劇中のバカップル、お世辞にも同情できるタイプじゃないんですよね。
男は一日中家で金転がしながら生活してるヤクザな仕事(デイ・トレーダー)で、
そこそこ大きな家で女学生と同棲中…。
羨ましかったりもするけど、まぁロクなもんじゃないんで、
彼が死のうが酷い目に遭おうがどうぞご自由にって感じ。親近感ゼロです。

さらにこの男が極端に悪魔祓いに頼りたがらないのも変を通りこして異様。
自分はウィジャボードなんて黒魔術的なものも使ってるし、
この怪奇現象を目の当たりにして誰よりも面白がってるくせに。
彼の性格なら悪魔祓いなんて面白そうなもの、むしろウェルカムでしょ。
女の方は怪奇現象を嫌がっているわりには真剣みが足りなさ過ぎる。
ゆえにドラマに全くリアリティがないんですよね。

あと『エクトプラズム』でも書いたけど、怪奇現象の正体が"悪魔"ってのは
日本人として文化的に受け入れがたいですよね。
悪魔って天使に仇なすものってイメージだから、なんかメルヘンチックで怖くない。
本作のは目には見えないようで、姿形はわかりませんが、
足跡に蹄みたいだったんで、ベタな山羊っぽい悪魔でしょね。
そんな悪魔による怪奇現象という設定のリアリティのなさが、
全く怖くない一番の理由かな?
あれが怨霊によるものだったら多少は怖くなったと思うんだけど…。

ただ途中で出てきた霊能力者のオッサン。
あのオッサンにはなかなかリアリティあった気がします。
本物の霊能力者に見えるんじゃなくて、ホントにいそうな偽霊能力者に見えます。
"家鳴りが原因かも"とか"幽霊じゃなくて悪魔の仕業だから専門外"とか、
逃げ口実がうまくてリアリティがあり、ちょっと面白かったです。
余談ですが、霊で金儲けしてる霊能力者って、誰よりも霊の存在を信じてませんよね。

スピルバーグが言うようにたしかに"これ以上は無理"ですね。
いくら予算かけても、これ以上の面白さは望めないポテンシャルの低さです。
"これ以上は無理"だけど"これ以下も無理"、みたいな。
リメイクの話も宣伝のための眉唾なんじゃないのかな?
スピルバーグが助言したといわれるラストシーンは、たしかに一番の見せ場だけど、
あのJホラーの真似事みたいなシーンは、ちょっとガッカリしたなぁ。
それ以前に、助言もらう相手間違ってるんじゃないの?なんでスピルバーグ?

本作はホラーやフェイク・ドキュメンタリーとして期待して観たらダメですが、
"制作費1万5千ドルで1億ドル稼いだ珍しい映画"としては一見の価値はあるかも。
"世の中何が流行るかわからない"という教訓として。

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