ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

Dr.パルナサスの鏡

最近気になる映画の話題と言えば、『スパイダーマン』の次作を巡るゴタゴタですが、
結局サム・ライミ監督、トビーマグワイヤ主演のシリーズ第4弾は頓挫して、
新シリーズとしてロンチすることになったようですね。
幻になってしまった『スパイダーマン4』の公表されたストーリー概要を読むと、
トンデモ展開だったんで、頓挫してよかった気もします。
でも人気シリーズの続編ではなく、イチからやり直すってことで、
またヒットするとは限らないのが怖いところ。もしかしたら単発で終わるかも…。
サム・ライミ監督シリーズのままだったら新3部作構想とか、
ヴェノムのスピンオフなんて話もあったのに、これで全部頓挫したのは残念です。

その『新スパイダーマン』を含め、今後公開が予定(企画)されているMARVEL作品は
ボクが把握しているだけでも21作品もあります。
DCの方も勘定してないけどけっこうあるみたいで楽しみが尽きません。
でも人気シリーズでさえ頓挫しちゃうんだから、どれだけ公開に漕ぎ着けるやら…。

そんな昨今のアメコミ映画ブームを決定的にした作品であるDCの『ダークナイト』。
その中で最凶のヴィラン、ジョーカーとして怪演したヒース・レジャー。
今日は彼の最後の映画の感想です。

Dr.パルナサスの鏡

2010年1月23日日本公開。
ヒース・レジャーの遺作となったファンタジー映画。

鏡で人々を別世界に誘う見せものが売りの、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)の移動式劇場はロンドンで大盛況だった。観客は博士の不思議な力で自分が思い描く、めくるめく世界を体験できるのだが、そこにはある秘密があった。トニー(ヒース・レジャー)はそのアシスタントとして観客を鏡の世界へと導く役目を担っていたが……。(シネマトゥデイより)



クランクアップ前に主演のヒース・レジャーが急逝し、完成が危ぶまれましたが、
ヒースの友達である、ジョニー・ディップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウが
彼の代役を引き受けてくれたことで見事に公開に至った作品です。
しかもお友達3人は本作の出演料をヒースの娘さんに寄贈したとか。
なんという男気! 友情って素晴らしい!
でもヒースが主演なのに、日本の宣伝では代役のジョニーの方が
大きく扱われてる気がして、なんか釈然としないものがあります。
そりゃ~ジョニーは人気者だけど、ヒースは仮にもオスカー俳優ですよ。
ジョニーの男気には感動するけど、出番だって一番短かったし、
撮影も1日~2日しかしてないとか…。
ヒースの遺作なんだから、もっと心ある宣伝をしてほしかったというか、
ちゃんとヒースに華持たせろよ、マスコミ!

で、本作はヒースの遺作であるとか、図らずも豪華キャストになったこととか、
テリー・ギリアム監督の数奇な運命とか、制作舞台裏のトピックスが前面に出てしまい
純粋に作品として評価しようと思うとちょっと難しい気がします。
人の遺作に対して難癖付けたくないという思いもあるし…。
でもまぁハッキリ言っちゃえば、ヒースがもし今でも健在で、
当初の予定通り制作されたとしたら、箸にも棒にもかからない作品になったと思う。
もしかしたら日本ではDVDスルーの可能性もありえたかも…。
まぁ少なくとも今のような大規模公開にはなってないと思います。
簡単に言うと、そんなに面白くない…かも…?

…いや、逆に話題先行で妙に期待が高くなっちゃってただけかもしれない。
宣伝や劇場予告などでは幻想的なファンタジー作品という印象を受けたけど、
実際にはその印象とはけっこう違うシュールでナンセンスな印象の作品だったんで、
その先入観を払拭するのにちょっと時間がかかったのも原因かも。
そういえばテリー・ギリアムってこんな感じの監督でしたね。忘れてたなぁ…。

物語はパルナサス博士(クリストファー・プラマー)と悪魔(トム・ウェイツ)が
博士の娘ヴァレンティナ(リリー・コール)を賭けてゲームで勝負する話。
そのゲームは別世界(博士の想像力の中)に繋がる鏡の中に入った人が、
別世界で悪魔の仕掛けた罠に嵌れば悪魔の勝ち、回避すれば博士の勝ち、
先に5勝した方がゲームの勝者として娘を取れるというもの。
なかなか興味深いゲームではあるんですが、如何せんルールが漠然としすぎです。
ファンタジーってのは何でもアリだからこそ、その世界の設定(ルール)が重要です。
"鏡に同時に2人入れない"という規則があるわりに、時には5~6人入ったり、
クライマックスのヴァレンティナの選択にしても、勝ったのか負けたのか、
イマイチよくわからなかったり、なんだか場当たり的な何でもアリな感じで…。
そもそもこのゲームって、別世界に直接介入できない博士の方が
圧倒的に不利なはずなのに、なぜか博士優勢で始まりますよね?
悪魔の目的もちょっとよくわかんないですしね…。
まぁ悪魔にしてみれば戯言で、だからテキトーでもいいって感じなんでしょうが…。

ゲーム以前に鏡に入ってくれるお客さんがいなければ勝負にもなりません。
博士はその不思議な鏡を移動式劇場の見世物としてお客さんを集めていますが、
博士の時代錯誤な演出では現代のロンドンの人々には見向きもされず…。
そんな折、博士の一座は橋から吊るされた男トニー(ヒース・レジャー)を助けます。
記憶喪失になっていたトニーは一座に居つき、彼のモダンな演出で見世物は大人気に。
しかし徐々に記憶を取り戻し、本性を現しだしたトニーは…、という話。
ヒース演じるトニーの首吊りシーンはちょっとギクリとするものがありますね。
前述のように日本ではジョニー・ディップを中心に宣伝されてますが、
お友達3人が演じているのは別世界にトリップしているトニーだけで、
やっぱりヒースの出番が一番多いです。
というか、思った以上に別次元の描写が少ないですね。
現実世界のシーンが多いんで、普通のファンタジーよりも地味な印象を受けました。
まぁコリン・ファレルのパートはそこそこあったかな?
それに最後コリン演じるトニーで終わっちゃうのはちょっと切ない気がしました…。
しかし現実世界のヒースのシーンだけでも撮り切れていたのは不幸中の幸いですねー。

細かいところで場当たり的な感じはあるものの、ストーリーは面白いと思います。
でも登場人物の言動や心情がどうにも不安定で、物語に気持ちが入りにくいです。
特に博士のアシスタント・アントン(アンドリュー・ガーフィールド)の不安定さには
イライラして、 もう観てられませんでした。
あと他意はないけど、小人症の俳優をあんな形で使うのは、それこそ見世物みたいで
あんまりいい気持ちはしません。

不謹慎かもしれないけど、ヒースの遺作は名作『ダークナイト』のままの方が
よかったんじゃないかと思わずにはいられない作品でしたが、
こんな奇妙な経緯をたどる映画ってのはそうそうあるもんじゃないです。
普通なら主演の急逝でお蔵入りだったのに、ストーリーの特異性のお陰で公開できた。
しかも豪華キャストの4人一役というオマケつきで。
後にも先にもこんな映画はこれ以外にないんじゃないかなぁ?
そういう意味では絶対見逃せない作品ではないでしょうか。

あ、そういえば本作のエンドロール後の暗転中に
劇中でヒース演じるトニーが使っていた着メロが流れます。
"ヒースも観客と一緒にここでこの映画を観てるよ"みたいな粋な演出だと思うけど、
ほとんどの人はそんなこと気付かないわけで、急に斜め後方から聴こえる着信音に
"上映中はケイタイの電源切っとけよ!"みたいな微妙な空気が流れました。
ボクは斜め後方に座ってたんで、知らない人から一瞬睨まれました…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/236-e44fbaeb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad