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宇宙戦艦ヤマト 復活篇

今の邦画ブームを牽引する東宝の来年の配給作品28本が発表されました。
東宝だけでも『踊る大走査線』や『TRICK』など人気ドラマの劇場版5作もあり、
来年も映画業界はテレビ局主導になりそうですね。
更に28本中10作がアニメ作品ということで、来年もアニメが幅を利かせそうです。
『ドラえもん』『コナン』『しんちゃん』『ポケモン』などいつものシリーズに加え、
ジブリ最新作、宮崎駿企画の『借りぐらしのアリエッティ』も公開されます。
『借りぐらし~』と『踊る大走査線』が年間トップ争いをしそうかな?
東宝以外でライバルになりそうなのはワーナー・ブラザーズの
『ハリー・ポッターと死の秘宝 パート1』くらいのもんですね。
今日は東宝のアニメ映画の感想です。今のところ東映のアニメ映画にボロ負け中。

宇宙戦艦ヤマト 復活篇

2009年12月12日公開。
映画『宇宙戦艦ヤマト』、26年ぶりのシリーズ最新作。

西暦2220年、太陽の300倍の質量を持ち、光をも飲み込む暗黒の天体、移動性ブラックホールが宇宙から地球へと迫っていた。地球連邦政府は、移民船団を組織。サイラム恒星系アマールへの移民を決行するが、謎の大艦隊の攻撃に遭い、船団が壊滅。古代進は移民船団の護衛艦隊司令としてヤマトに乗り込み、大艦隊に戦いを挑む。(シネマトゥデイより)

『宇宙戦艦ヤマト』は70年代にテレビ放送されたアニメで、
その後放送された劇場版では当時のアニメ映画としては史上空前の400万人を動員。
社会現象になり、SFアニメーションの金字塔とも言うべき作品、…だそうです。
ボクは当時はまだ生まれる前で、その後の再放送等も一度も見る機会がなかったので
そのブームも作品の内容も全く知りませんが、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズは、
後のSFアニメ『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』の
製作者たちに大きな影響を与えたそうです。

現在、当時こどもだった人たちがそこそこの権力者になっていて、
自分たちが当時好きだったアニメや特撮のリバイバルが盛んに行われていますが、
そのひとつとして『宇宙戦艦ヤマト』も劇場版として26年ぶりに復活しました。
本作は当時の劇場版の正統な続編アニメですが、来年の今頃にはキムタク主演で実写版
『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の公開も決まっているそうです。
なんでこの時期に復活するのかは謎ですが、
『宇宙戦艦ヤマト』の影響を公言する『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のヒットや、
SF映画『スター・トレック』のリメイクに触発されたのかもしれませんね。

上記のようにボクは『宇宙戦艦ヤマト』を観るのは今回が初めて。
続編という懸念はありましたが、今は若者を呼び込めないと興行的に成功できません。
ガンダム・エヴァ世代でも、親に連れられて来たチビッコでも楽しめるように、
とりあえず一度仕切りなおしたところから始まっています。
(今回の成績次第でしょうが、新シリーズ化も目論んでいるようです。)
旧シリーズでヤマトのクルーだった古代進がヤマト新艦長に就任し、体制も一新。
ヤマト自体も新装開店、パワーアップしているようです。
旧シリーズから引きずっているところももちろんあるんですが、
それはあくまでファンサービス程度なので、初心者も安心です。

『宇宙戦艦ヤマト』は『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』に
影響を与えた作品といわれますが、本作はむしろ逆じゃないかな?
ガンダムもエヴァもテレビシリーズはちゃんと見た事がないので
ハッキリとはいえませんが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を観た限りでは、
本作はかなりエヴァの影響を受けてると思いました。
戦艦の操縦席やディスプレイの表示など、エヴァのネルフ司令室にソックリです。
クラシック音楽とシンクロするように戦う演出なんかもエヴァっぽいですね。
ヤシマ作戦そのものみたいなシーンもあったし、かなり意識はしてるっぽい。

ヤマト自体は昔ながらの大和型戦艦だけど、
ヤマト内部や兵器、他の戦艦などのメカニックデザインはかなり今風。
背景は細かく描き込まれたCGでなかなか見応えがあるんですが、
そこで動くキャラクターたちは旧シリーズを踏襲した情報量の少ない絵柄。
パイロットの服も時代錯誤なピチピチタイツで、髪型も昭和を感じさせ、
そこにはかなりの違和感を感じてしまうんですが、下手に今のガンダムみたいに
婦女子向けのキャラにするよりかはいいのかもしれませんね。
ただ、モブキャラたちだけ変に現代的なのが違和感を通り越して不気味です。
背景をアシスタントに描かしている漫画みたいで。

ストーリーはなかなか風刺的で興味深いです。
地球にブラックホールが迫ってきたため、
地球人たちは遠く離れた惑星アマールの衛星に移住を決意、
移民船団を組んで地球を脱出します。
その護衛にあたるのが宇宙戦艦ヤマト率いる護衛艦隊です。
しかし移送途中に謎の多国籍艦隊から攻撃を受ける移民船団。
その艦隊はSUS国率いる大ウルップ星間国家連合の戦艦でした。
SUS国は地球人が侵略しにきたのだと主張し、
SUSが事実上支配する国家連合の決議を強引に採決し、
移民船団に襲い掛かってきたのでした。
なんとか攻撃をかい潜り惑星アマールに到着した移民船団ですが、
SUSは、地球人を匿っているとしてアマール国に爆撃を開始します。
はたしてSUSの目的は何なのか、宇宙戦艦ヤマトはどうするのか!、という話。

SUSはもちろんUSAがモデルですね。
大ウルップ星間国家連合はおそらく国連がモデルでしょう。
アマールは町並みや服装からも中東の国がモデルになっていると思われます。
地球が日本ってことはないけど、大ウルップ星間国家連合の加盟国のひとつで、
仁義を重んじるエトス星人は理想の日本といったところでしょうか。
つまりは核兵器や犯罪者を匿っているとして、イスラム国家を爆撃するアメリカと、
それに追従して派兵を繰り返してきた国連諸国に対する風刺になってるんでしょうね。
(SUSの戦艦はラテン十字型でイスラム遠征の十字軍を思わせます。)
現実世界でも戦争の当事者がノーベル平和賞を受賞する恐ろしい時代です。
なかなかタイムリーなテーマですね。
そして、戦艦大和の敵は今も昔もアメリカです。

本作の原案は石原慎太郎で、彼の思想が色濃く反映されているようなんで、
彼に反目する考えの人には鼻に付く内容みたいです。
ボクは石原慎太郎の思想自体理解してないんで普通に観れましたが…。
力による攻撃は力で抗するしかない、軍備増強すべきだ、みたいな感じ?
あ、そういえばこの映画のナビ番組で、軍事オタクの石破茂元防衛庁長官が
"日本に宇宙戦艦ヤマトがあればもっと国際的な安全保障に貢献できるのに…"
みたいなことを(腹話術人形みたいな面白い顔して)真面目に語ってました。
小惑星くらいなら破壊できちゃう波動砲を積んだ戦艦を日本政府なんかに渡したら、
安全保障どころか、侵略戦争始めるに決まってるだろ!

おっと、話を戻して…。
そんな風刺的なストーリーで中盤までは面白かったんですが、
ラストのSFルールを無視したファンタジーな展開はイマイチです。
この宗教的ファンタジー感もエヴァに通じるものがあるかも。
環境問題への古代進の説教も取ってつけたようで蛇足に感じました。
教訓としていいこと言ってるけど、"またエコかよ"って感じです。

一番盛り上がるのは、新生ヤマトが初めて発進するシーン。
あの有名な『宇宙戦艦ヤマト』のテーマ(さらば~、地球よ~♪)が流れて、
ゴゴゴゴゴ、ドゴーン!みたいな気合の入った発進シーン。
『ヤッターマン』のヤッターワン発進の時もそうだったけど、
あの時代のテーマ・ソングってのは、知らない人でも惹きつける妙な力があります。
まぁ本作はイスカンダルじゃなくて、アマールへとび立つんですが。

さて、来年の実写版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、
キムタクが古代進役ってことで世間ではすでに残念感が充満してます。
実写版『ヤッターマン』の成功で、またジャニーズに白羽の矢が立ったのかな?
キムタクは役者としては悪くないけど、古代進みたいな熱血イメージはないなぁ…。
SFアニメの実写化ってだけでも日本では敷居が高いのに…。

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