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カールじいさんの空飛ぶ家

一律2000円だったデジタル3D映画の料金が、TOHOシネマズに続き、
MOVIXも通常鑑賞料金プラス300円になって暫く経ちますが、
本日公開されたデジタル3D映画『カールじいさんの空飛ぶ家』に合わせて、
ワーナー・マイカル・シネマズや(新宿バルト9、梅田ブルク7等)T-JOYなども、
今日からデジタル3D料金を改定し、通常鑑賞料金プラス300円になりました。
(他のシネコンは行ったことがないので知りませんが、)
これで大手のシネコンはほぼプラス300円制になって、
デジタル3Dの一番の懸念だった割高料金が少し緩和されました。
割高料金のため、デジタル3D否定派だったボクもかなり許容寄りに…。

しかももうひとつの懸念は"デジタル3Dは字幕に不向き"という噂で、
今までは全て日本語吹き替えで上映になってた問題だけど、
なんか『カールじいさんの空飛ぶ家』は字幕版のデジタル3D上映もかなりあり、
"技術的には可能だったのか!"と目から鱗が落ちました。
こうなってくると、もうデジタル3Dを否定する材料もなくなってきて、
認めざるを得ない感じですね。
(残るは専用3Dメガネの掛け心地とか衛生面の問題くらいかな。)

カールじいさんの空飛ぶ家
Up.jpg

2009年12月5日日本公開。
ディズニー・ピクサー初のデジタル3D映画。

いつか世界を旅して回りたいと思っていたカールも、今や78歳。最愛の妻は亡くなってしまい、夢をかなえるには年を取り過ぎている。しかし、何と数千の風船を家に結びつけ、空高く飛び立つことに成功。カールは8歳の少年ラッセルとともに冒険の旅へと出発する。(シメマトゥデイより)

ボクがピクサー作品が大好きなのは今まで何度も書きましたが、
正直なところ、去年公開のピクサー作品『WALL・E/ウォーリー』が、
CGIアニメーション技術の限界を超えてるんじゃないかってくらいスゴかったし、
ストーリーもかなりよかったんで、これ以上のものはもう作れないと思ってました。
ところが本作は、本国でそんな最高傑作『WALL・E/ウォーリー』の最終興行収益を
1ヶ月足らずでアッサリ抜きさり、なんと今年の全米興行収益第3位(約3億㌦)に!
(1位『トランスフォーマー/リベンジ』、2位『ハリー・ポッターと謎のプリンス』。)
しかも興行成績だけじゃなくて、評価も概ね前作以上の大好評とのことです。
これは期待が高まります。そして本国から遅れること半年、ようやく日本上陸です。

本作は『カールじいさんの空飛ぶ家』という邦題からも推察できるように、
宮崎アニメの影響を多分に受けていると思われる内容です。
(一時はそれを公言するインタビュー記事もあったんだけど、最近は見ませんね。)
だからこそこんな『ハウルの動く城』のパクリみたいな邦題になったんでしょうが、
大筋のストーリーは『天空の城ラピュタ』、テーマ性は『紅の豚』っぽいかな?
一部のシーンは『魔女の宅急便』のオマージュっぽいところもありますね。
老人が主人公ということではやっぱり『ハウルの動く城』か?
カールじいさん自身も宮崎駿監督本人に似てたり…。
でも一番似ているのは、やっぱりアレでしょうね。

周りの環境が激変してもなかなか引越しを決意しない頑固な爺さんが、
妻に先立たれひとりぼっちになるが、たまたま近所に住んでいたアジア系の少年と
交流するうちに、自分が少年の父親になったような感情が…、みたいな。
そう、今年公開されたクリント・イーストウッドの名作『グラン・トリノ』と
キャラ設定にかなり共通点があります。
公開時期からして、意識的に被ったってことはないでしょうが、
だからこそちょっと奇妙な共通点ですねー。
去年のオスカー短編アニメ賞とった『つみきのいえ』のこともあるし、
ハリウッドではひとりぼっちの老人が活躍する話の需要が高まってる?

本作はピクサー初のデジタル3Dを使用したCGIアニメですが、
DWの『モンスターVSエイリアン』、SPAの『くもりときどきミートボール』、
ディズニーの『ボルト』、『Disney's クリスマス・キャロル』など、
今年たくさん公開されたデジタル3D・CGIアニメと比べると、
本作はあまり3D表現を強調してない感じです。
それは技術的な見せ方にこだわったのではなく、あえて不要な3D演出はしないで、
今までの作品と同じようにストーリーを重視した結果じゃないかな?
たまたま時代の潮流で3D映画になったけど、あくまで物語で魅せる、みたいな。
だからあえてプラス300円払ってまでデジタル3Dで観ることはないです。
それにピクサーのデジタル3D技術の高さは、『ボルト』の同時上映短編である
『メーターの東京レース』(『カーズ』のスピンオフ)で実証済みですし。
あ、てことは『メーターの東京レース』がピクサーの初デジタル3Dアニメか。

概要の考察はこれくらいにして、ちゃんと本作の感想を。
本作はいつもの子供向けディズニー映画のように、夢と冒険が詰まった作品ですが、
始まって数分で泣かされたアニメはこれが初めての経験です。
主人公カールとその妻エリーの子供の頃の出会いから、結婚し死別するまでを
簡潔に見せられるんですが、もうそこから泣ける泣ける…。
ホントに簡素に、60年間を数分で描かれているんですが、その短い時間で
ふたりの夢、貧しいながらも幸せな生活、エリーの不妊、夫婦愛、死別が
丁寧に描かれていて、またいい感じのBGMで咽るほど泣けます。
(涙拭くのにデジタル3D専用メガネが邪魔で仕方ない…。)
不妊とか妻との死別なんて、なかなか子供は理解できないだろうから、
完全に保護者層を狙い撃ちしてきてますねー。

ただやっぱりそこはディズニー映画。
中盤以降はかわいいキャラクターやベタなディズニー・ヴィランが登場する
アクション満載のアドベンチャー映画になります。
序盤の人生を描いたリアル路線からは一転し、家が一軒風船で浮かんだり、
犬が喋ったり荒唐無稽なファンシーな展開に。
昔ながらのディズニーセルアニメの雰囲気になっていきます。
CGIアニメだからまだ大丈夫だけど、あれを実写でやったら失笑だろうな。
テーマとしては"冒険は旅の中じゃなく日常の中にある"ってことだと思うけど、
たぶんチビッコは全くわからないと思うほど、わかりにくいかな。
(ボク自身も間違って解釈してるかもしれないけど。)
とはいえ伏線の張り方、伏線の回収によるラストの盛り上げ方は
いつもながらよく出来ていると思えるし、スッキリした気持ちで劇場を出れるので、
ストーリーはかなりいいんだと思います。
でもストーリーだけなら『WALL・E/ウォーリー』といい勝負だと思えるけど、
描き込みの緻密さ、芸術性の差で『WALL・E/ウォーリー』に軍配かなー。

さて、今後のピクサー作品ですが、来年2月に『トイ・ストーリー』シリーズの
1~2作目がデジタル3Dで公開され、7月にはシリーズの最新作が公開。
再来年には『カーズ』の続編が公開予定と、しばらく続編モノが続きそう。
たぶん人気作の続編だしヒットするだろうけど、ちょっと守りに入ってる感じが…。
ピクサーにはもっと完全オリジナル作品で勝負してほしいなぁ。
そういえばディズニーのマーベル買収も『Mr.インクレディブル2』のためとか…?

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