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曲がれ!スプーン

年末の映画まとめ記事を構想する際に、ちょっと興味深いと思った話をひとつ。
2009年に入って今週で42週目、興行ランキング1位を取った作品はのべ47本あります。
その中でハリウッド映画は19本。邦画(合作含む)は28本。
今年も邦高洋低だなぁ…、という話はまた今度するとして、
その邦画28本を制作に関わったテレビ局別に分けると、
日テレ系17本、TBS系6本、テレ朝系4本、テレ東系1本になります。

そう、今年はフジテレビ系の映画が全然ヒットしなかった年なんです。
来月の『のだめカンタービレ』はライバル不在で一矢報いれるかもしれませんが、
一時期は"世界の亀山モデル"なんて皮肉られるくらい幅を利かしてたフジ映画だけど、
今年の体たらくは凄まじいものがありますね。
フジテレビ開局50周年記念もあって、本数は例年以上なのに…です。
出来としてはそこそこいいものもありました。
例えば次のアカデミー外国語映画賞の日本代表になった『誰も守ってくれない』とか。
でもそれ以前に、観に行く気が起こらない映画が多すぎましたね。

『ヘブンズドア』『ホノカアボーイ』『BABY BABY BABY』『ヴィヨンの妻』他、
観れば面白いのかもしれないけど、地味すぎます。
あと昨今のフジテレビの番組自体が酷くつまらないから、
テレビでプロモーションを見る機会がなく、内容がわからないってのもあるかな。
今日はそんな地味なフジテレビ製作映画の感想です。ホントに地味です。

曲がれ!スプーン

2009年11月21日公開。
長澤まさみ主演のクリスマス・コメディ。

超常現象バラエティー番組のAD・桜井米(長澤まさみ)は、番組の企画で本物のエスパーを探し出すハメに。視聴者からの投稿を頼りに日本全国を旅して回るが、現われるのは有名人になりたいインチキ超能力者ばかり。それでも取材をあきらめない米は、次の取材対象者が待っている喫茶店「カフェ・ド・念力」に行くのだが…。(シネマトゥデイより)

なんでも「冬のユリゲラー」という戯曲が原作らしくて、
基本的には、とある喫茶店で繰り広げられるワン・シチュエーションものです。
この手のワンシチュ作品は派手さは望めないので、出来は脚本頼みなんですが、
本作は脚本が下手すぎる。

これ見よがしに伏線を張りまくって、あたかも巧い展開に見せかけてるけど、
実は全然マトモに伏線を回収できてなくて、山場で全く盛り上がりません。
その原因は、普通の映画なら結末ありきで伏線を張るのに対して、
この作品は伏線を張りたいがために結末を作ってるからだと思います。
伏線が多ければ巧い脚本になるとでも思ってるんでしょうね。
とにかく伏線を張りたくて、多少本筋と関係なくても伏線をねじ込む、
しかしその伏線が綺麗に回収されない(大して功を奏さない)ために、
後々思い返すと"あの展開いらなかったんじゃないの?"みたいな箇所が多いです。

でもとにかくこれ見よがしに伏線が張りめぐらされてますから、
観ている最中はそこそこ面白いです。
"すごい一杯伏線らしきものがあるけど、これが全部回収されるのか?"
"一気に回収されたらなんかすごく気持ちいい結末になるんじゃないか?"みたいな。
基本的に映画ってのは伏線の数だけラストの期待値は高まるはずですからね。
だからこそ最後の結末のショボさに度肝を抜かれたというか、愕然としました。

このショボさはちょっと文章で伝え切れませんが、たとえば、
超能力を信じられなくなった桜井米(長澤まさみ)に奇跡を見せてあげようと
7人のエスパー(ビックリ人間、喫茶店のマスター含む)が奇跡を演出するってのが
本作の結末で山場なんですが、このエスパーたち、各々すごい超能力を持ってるのに、
最後の奇跡の演出でマトモに超能力を使って活躍したのはたったひとり、
大目に見てもふたりだけ。
他のエスパーは伏線ありきで無理やりねじ込まれた程度の活躍。
それどころか、その山場で全く超能力すら使わない奴もいる始末で…。
その奇跡自体もマドロッコしいしビックリするほど地味だし盛り上がりません。
最後の最後のトンデモ演出も、そこで飛来すべきは○○○じゃなくて、
クリスマスなんだから○○○でいいだろって感じで釈然としないし…。
途中までは楽しめたんで時間潰しにはなったけど、
そこまでのワクワク感を返してほしいと思うラストでした。

ストーリーだけじゃなくて、細部にわたるまで地味。
お客さん呼ぶ気全くないんじゃないかと思うくらいに。
メインキャストも主演の長澤まさみ以外、全員舞台俳優のようですが、
まず見た事すらない人も数人いるし、全体的に華がない。
かといって演技力を求める内容でもないんで、演技派を集めたって感じでもないし。
ユースケ・サンタマリアや寺島進、甲本雅裕など
脇役のテレビ俳優の方がオーラがあって、よっぽど輝いて見えました。

長澤まさみは天然で、UFOや超能力を信じる不思議ちゃんの役、
衣装もひとりカラフルで華やかで、キャラ設定も好感が持てる感じで、
可愛らしさはいつも以上に発揮してましたね。
長澤まさみのアイドル映画として観るなら、ファンは満足できるかも。

とにかくこんな口コミも期待できない地味な映画ヒットするわけもなくて、
回転の早いシネコン時代なので、公開2週目にしてかなり規模縮小されたみたい。
クリスマス映画なのにクリスマスまでもたないんじゃないかな?

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