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ニンジャバットマン

ようやく今月ビデオリリースされたDC原作のドラマ『iゾンビ』シーズン1を見始めました。本当に見始めたところなので、まだ面白いかどうか判断しかねますが、本国アメリカではシーズン4まで放送され、シーズン5へ更新も決まっているくらいなので、きっと面白くなるに違いないです。
DC原作ドラマといえば、シーズン3で打ち切りになったフォックス製作の『LUCIFER/ルシファー』ですが、Netflixが救済し、シーズン4に更新されるようです。かなりの人気作だったのでどこかが救済するとは思ってましたが、出来ればNetflixではなく『iゾンビ』などDCドラマを多く手掛けるThe CWに救済してほしかったです。MCUドラマ『ディフェンダーズ』シリーズの誘惑にも耐えてきたけど、いよいよNetflixと視聴契約するしかないか…。

ということで、今日はDC原作の日本製アニメ映画の感想です。

ニンジャバットマン
Batman Ninja

2018年6月15日日本公開。

今年は『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『デッドプール2』『アントマン&ワスプ』『ヴェノム』と、マーベル映画の当たり年ですが、一方ライバルのDC映画は1本も日本公開されない見込みでした。マーベルも好きだけどDCにも頑張ってほしいアメコミ映画ファンとしては複雑な気持ちでしたが、DC不毛の間を埋めるかのように和製DCアニメ映画である本作が公開されました。それは嬉しい反面ちょっと不安もあったんですよね。
というのも昨年公開された和製DCアニメ映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』が超クソアニメだったからです。「鷹の爪団」シリーズといえば、ある意味クソアニメであることが売りみたいなところがありますが、そういう狙ったダメさではなく、DCキャラを全く理解せずに登場させただけのDC愛が全くない不愉快なクソアニメでした。やっぱり日本がアメコミを取り扱うのは無理があるのかと思ったものです。本作を制作したのはクソアニメさが売りの『ポプテピピック』の神風動画なのも嫌な予感が過ります。ちゃんとマトモなものを作ってくれるのかと…。
しかしその反面、バットマンやジョーカーが中世日本(戦国時代)で活躍するという内容にも興味をそそられました。『アフロサムライ』の原作者による和風なDCキャラのヴィジュアルも素晴らしく、これは期待できるかもしれないと。今年3月にカリフォルニアで開催されたワールドコンでのプレミア上映では現地ファンから絶賛されたという話も伝わってきて、更に期待感も煽られました。とはいえ全米公開はされておらず、アメリカの某批評サイトの一般支持率も4割しかなく、絶賛されたという話はどうも眉唾です。しかも日本での公開規模も微妙で、やはり期待よりも不安が勝っている状態でした。

そんな気持ちでいざ観てみたのですが、全くの杞憂でめちゃめちゃ楽しめました。『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』とは違ってDC愛も感じられ、DCキャラを適切に戦国時代の設定に落とし込んでいることにも感心しました。ただこれは客を選ぶ作品で、万人ウケはしないでしょう。本作を楽しむにはある程度のDCキャラへの理解と最低限の戦国時代の知識が必須です。戦国時代は一般教養でも『バットマン』シリーズを何本か観たことがあるくらいの日本人が本作をちゃんと楽しめるか疑問ですが、バットマンに興味がない日本人は本作を観ることはないだろうから、観た日本人はだいたい満足して帰ると思います。しかしその一方、DCキャラへの理解はあっても戦国時代に興味があるとは思えないアメリカ人が本作を楽しむのは難しいと思われ、アメリカでの低評価も頷けます。しかも現地の脚本家によって脚色されたアメリカ版もあるみたいで、どちらのバージョンを観て評価しているのかもわかりません。おそらくアメリカ版はアメリカ人に馴染みがない戦国時代の設定などを薄められているような気がしますが、バットマンと戦国時代の融合が本作の最大の魅力なので、そこを薄められては面白くなるはずもないですからね。海外志向で制作されたそうですが、実際は完全に日本のDC好きオンリーのターゲットが狭い作品です。敷居は高いけど、ターゲットに嵌れば絶対に楽しめると思います。
以下、ネタバレ注意です。

現代のアーカム精神病院で、ゴリラ・グロッグが時空震エンジンを発明をします。頭脳明晰な超能力スーパーゴリラである彼が本作の鍵を握るキャラですが(日本では)ちょっとマイナーなヴィランで、彼を知っているかどうかが本作を楽しめるかどうかのリトマス紙になるかも。ゴリラ・グロッグが時空震エンジンを起動するとタイムホールが発生し、アーカムに収監されているヴィランたちと、彼の野望を阻止しに来たバットマンと仲間たちを飲み込みます。バットマンは気が付くと戦国時代の日本に飛ばされていて、しかもそこはジョーカーが支配する尾張の国の城下町だったのです。戦国時代の尾張の国の領主と言えば、史実では織田信長ですね。どうやらジョーカーはバットマンより二年早くこの時代に着いており、織田信長に取って代わって尾張を乗っ取ったみたいです。どうやらハーレイクインも濃姫、ではなく森蘭丸に取って代わり、小姓として御館様ジョーカーに付き従っているみたいですが、当然他の有名ヴィランたちもこの時代に来ており、ペンギンは武田信玄に代わって甲斐を、ポイズンアイビーは上杉謙信に代わり越後を、デスストロークは伊達政宗に代わり陸奥を、トゥーフェイスは明智光秀に代わり近江を支配し、天下を目指して睨み合っているようです。普段はゴッサムで縄張り争いしているヴィランたちが大名になって日本で覇権争いをしているなんて面白い設定です。しかも女性説もある謙信が女性ヴィランのアイビー、隻眼の政宗は隻眼のデスストローク、面従腹背の光秀は二面性があるトゥーフェイスと、各大名の設定とヴィランの設定がリンクしているところも面白いです。(信玄とペンギンの共通点はわかりませんでしたが。)ただこれも戦国大名の知識があってこその面白味なので外国人には伝わり難いでしょう。

バットマンは(出雲阿国ライクな)キャットウーマンと再会して、タイムスリップの経緯や時空間エンジンがジョーカーの(安土城ライクな)アーカム城の天守閣にあることを聞きます。さらに茶屋を営んでいた執事アルフレッドのところにも案内してもらうのです。他のDCキャラは着物着たり甲冑付けたりとこの時代の恰好に馴染んでいるのに、アルフレッドだけはいつもの燕尾服姿なんですよね。(申し訳程度に髷を結ってますが。)バットマンですら馴染もうとすぐに宣教師の服装に着替えているのに…。しかも紅茶や洋食作ったりと日本に馴染む気は全くないみたいで、そんなに日本が嫌いなのかと思ってしまいます。郷に入りては郷に従えってね。
アルフレッドは一緒にタイムワープしたバットモービルを隠し持っており、バットマンはそれを使って一気にアーカム城の天守閣に乗り込もうと考えます。しかしアーカム城には蒸気機関によるスチームパンクなロボットアームが搭載されており、バットモービルの侵入を許しません。このバットモービルは状況に応じてバットウイングやバットポット、更にはアーマードバットマンのアーマーにも変形できるアニメならではの優れものですが、ジョーカー配下のスモウレスラーに扮したベインとの戦いで破壊されてしまい、バットマンは返り討ちに遭ってしまうのです。特殊な薬品を摂取し続けないと生きられないはずのベインですが、よく二年間も生きてられましたね。しかも彼だけなぜ大名にならずに力士に…。まぁ似合っているけど。

アーカム城侵入に失敗しジョーカーに追い詰められたバットマンでしたが、謎の忍者集団に救出されます。彼らは飛騨の蝙蝠衆という忍者集団で、いわばレジスタンスみたいなものです。蝙蝠衆には「救世主は蝙蝠姿の異人」という言い伝えがあり、助けたバットマンを頭に祭り上げます。蝙蝠衆は影闇という忍者が率いていますが、彼は本作唯一の日本人主要キャラであり唯一のオリキャラでしょう。どうせなら有名な忍者を登場させてほしかったけど、飛騨の忍者といえば赤影か。赤影も架空の忍者ですね。残念ながら本作に歴史上の人物は一切登場しません。
蝙蝠衆はタイムワープしたバットマンの仲間たちも保護しており、バットマンはナイトウィング(初代ロビン)、レッドロビン(3代目ロビン)、ロビン(5代目ロビン)と再会します。レッドフード(二代目ロビン)もこの時代に来ていますが、諸大名の偵察に出ているみたいです。いやー、歴代ロビン(男)総登場ですね。現ロビン(バットマンの実子)は大五郎カットにしていますが、時代に合わせてわざわざ髪を剃るなんて、アルフレッドにも見習ってほしい順応性です。ロビンはニホンザルの子猿モン吉とも仲良くなりますが、そのモン吉が山奥のサルから英語の手紙を預かっていて…。それを読んだバットマンは手紙の主がゴリラ・グロッグだと気付き、彼に会いに行くのです。
グロッグはジョーカーから時空震エンジンを取り返して元の時代に戻るために協力したいと申し出ます。バットマンはそれを承諾し、グロッグを囮にジョーカーたちを琵琶湖に呼び出します。蝙蝠衆の協力も得て、のこのこ現れたジョーカーとハーレイを捕縛するも、その途端にグロッグが裏切って突然現れたトゥーフェイス軍と結託。トゥーフェイスはジョーカーの配下でしたが、さすがは光秀の代わりだけあって信長の代わりのジョーカーを裏切るんですね。キャットウーマンも彼らの軍門に下り、バットマンはピンチに陥りますが、バットマンが他のヴィランに殺されるのを我慢できないジョーカーが、爆弾でバットマンもろとも自爆するのです。ジョーカー亡きあとアーカム城にグロッグが入城しますが、なるほどグロッグは豊臣秀吉の代わりでサル繋がりだったわけですね。これがやりたかったからグロッグなんて(日本では)マイナーなキャラをあえて使ったわけか。

バットマンは蝙蝠衆に救出され飛騨の里で目を覚ましますが、中世日本では自慢のハイテク武器が使えず、グロッグなんかに頼ってしまったことを反省し、この時代の戦い方で支配者となったグロッグを倒すことを決意します。そんな折、行方不明だったジョーカーとハーレイが山奥で百姓をしているという情報を得て確認に向かうのですが、先に虚無僧姿のレッドフードが来ており、ジョーカーたちを殺そうとしていました。ジョーカーたちが記憶喪失で善良な百姓になったと考えたバットマンはレッドフードを止め、彼らを見逃して帰ります。派手なジョーカーとハーレイが化粧落として地味な百姓になっている展開も面白いけど、このシーンだけ『かぐや姫の物語』ライクな牧歌的手書きアニメになっているのも映像的に面白いです。(他のシーンは主にセルルックCGで描かれています。)せっかく日本で制作するなら、こういう和テイストを盛り込むのも楽しいですね。
一方アーカム城城主グロッグは、富士山麓の地獄ヶ原で天下分け目の大合戦を行おうとヴィラン大名に呼びかけます。どうやら各大名が時空震エンジンの起動に必要なコンバーターをひとつずつ持っているみたいで、それを集めないと元の時代には戻れないようです。各大名は合戦に応じ、城作りに励みます。なぜ合戦のために城作りなんかするのかと思いましたが、どうやらアーカム城含めて彼らの城は巨大ロボットにトランスフォームできるみたいで…。ヴィラン同士の大合戦が始まることにワクワクしましたが、実際は巨大ロボ同士のバトルで全く合戦じゃないことにガッカリさせられました。この展開が本作の唯一にして最大の不満点で、城がロボットに変形するアイディアはそれなりに面白いとは思うけど、ここでやるのはやめてほしかったです。70年代の東映版『スパイダーマン』のレオパルドンにしてもそうだけど、なぜ日本はアメコミ原作の和製作品に巨大ロボットを出したがるのか。それが日本らしさだと思い込んでるのかもしれませんが安直です。そういえば『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』にも巨大ロボット登場したな…。

それにしても各ヴィラン大名が揃いも揃って城をロボット化させるなんて変だろ、と思いましたが、どうやらグロッグがテレパシーを使って彼らを洗脳し、ロボット城を建造させたみたいです。洗脳できるならコンバータも集めるために合戦する必要もないと思うのですが、そもそもグロッグは時空震エンジンを修理して元の時代に戻る気はさらさらなく、中世日本にサルの王国を作るのが目的で、そのための戦力としてロボット城が必要だったみたいです。日本にサルの王国なんて、なんかちょっと皮肉な感じ。日本映画で自虐だから別にいいけど。
ところがそこにジョーカーとハーレイが現れ、痺れ花爆弾でグロッグからアーカム城を奪い返します。どうやらジョーカーたちは記憶を失くした百姓のふりをして痺れ花を栽培していたみたいです。グロッグをアーカム城から追い出しますが、洗脳されたヴィラン大名は城からコントロールできるみたいで、ジョーカーは5台のロボット城を合体させ、超巨大ロボ「超絶天魔王キングジョーカー」が爆誕します。やれやれ、巨大ロボの次は合体ロボか。もはや城の面影すらないです。バットマンは時代的要因でハイテク武器を封じられているのに、ヴィランサイドは現代を遥かに超えるスチームパンクっぷりですね。
ハイテクを封じられたバットマンはこの時代で作った甲冑や刀などを装備して、歴代ロビンらとともに戦場を馳せ参じますが、いくらヒーローでもそんな装備では超巨大ロボとまともに戦えるはずもなく…。しかしジャーカーに敗れたグロッグがバットマンに協力を申し出、サルを操る笛を貸してくれます。この前騙されたばかりなのに笛を素直に受け取るバットマン。現ロビンが笛を吹くと、どこからともなく甲冑を着たサルの大群が押し寄せ、組重なって巨大なサルを形成。更に蝙蝠衆が操るコウモリの大群が大猿と合体し、巨大なバットマンの形に変化し、キングジョーカーと戦うのです。もう無茶苦茶すぎて呆れます。これだから巨大ロボなんか出てくるとロクなことにならないんですよ。ただ巨大バットマンのヴィジュアルがティム・バートン版ライクなオールドスタイルだったのは少し面白かったかな。そうなる意味は全くわかりませんが。

巨大バットマンはキングジョーカーをワンパンで撃破し、歴代ロビンと再び寝返ったキャットウーマンが内部に入り、各ヴィランを各個撃破します。ペンギンとかデスストロークたちの戦いももっと見たかったのに、巨大ロボに尺取りすぎで割愛された感じです。バットマンも天守閣でジョーカーと対峙し、日本刀で一騎打ちとなります。ロボットバトルがクライマックスだったら評価は最悪だったけど、最後に生身のバトルが用意されていて助かりました。真剣による剣術勝負となると、体術で分があるバットマンの方が有利かと思いましたが、如何せんヒーローとして「不殺(ころさず)の誓い」があるため、殺しかねない真剣勝負では本気が出せないみたいで、殺す気満々のジョーカーに隙を突かれて胸を刺されてしまいます。ところが刺されたバットマンはコウモリが擬態したものでした。まるでコウモリを使った変わり身の術ですが、ここにきてようやくタイトル通りの「ニンジャ」バットマンになりました。それまでは甲冑着てるしニンジャというよりサムライだろって感じでしたもんね。バットマンは忍法コウモリ変わり身の術で翻弄し、ついにジョーカーを捕縛します。そしてバットマンと仲間たちは捕まえたヴィランたちを連行して修理した時空震エンジンで現代のゴッサムに戻り、めでたしめでたしです。現代に戻ったアルフレッドはなぜか茶室付きの馬車型バットモービルを作るのですが、戦国時代にいる時は日本文化を避けていたのに、現代に戻った途端に目覚めたのか?

巨大ロボの件(くだり)は心底残念ですが、それ以外はとても楽しめ、本家DCエンタテインメントのDCEUよりも面白かったと思います。マーベルのMCUに後れを取りまくっているDCEUですが、先日DCEU不振の責任を取らされる形でDCエンタテインメントのトップが解雇されたそうです。それでDCEUが上向くとは到底思えませんが。とにかく今DCがやるべきことは、今年のような空白を作らず、年2、3本のDC映画をコンスタントに公開し続けることだと思います。DC原作のドラマは乱発されているにも関わらずどれも面白いんだから、その調子で映画も乱発してやればいいです。MCUに対抗するのは土台無理な話なので、あまり気負わない方がいいです。

関連作の感想
DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団

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