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レディ・バード

第90回アカデミー賞の作品賞候補作『レディ・バード』を観て来ました。本作は作品賞候補9作の中で日本公開が最も遅い作品でしたが、私は本作を鑑賞して、どうしても観る気が起きなかったLGBT映画『君の名前で僕を呼んで』以外の8作品は全部観た、と思ったのですが、確認してみたら先月公開の『ファントム・スレッド』の存在を失念していたようで…。やはり授賞式から日が空くと興味も薄れてしまい、ついつい忘れてしまいます。作品賞候補作はなるべく授賞式前後、出来れば候補発表から授賞式の間に日本公開していただけると、楽しみも倍増して有難いです。まぁしんがりの『レディ・バード』が公開された6月1日までに全て公開されたのは、例年に比べたら早く、けっこう頑張っている方だとも思いますが。

ということで、今日は『レディ・バード』の感想です。

レディ・バード
Lady Bird

2018年6月1日日本公開。

前述のように本作は第90回アカデミー賞で作品賞にノミネートされた作品です。作品賞ほか監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞と主要な5部門でノミネートされており、前評判では『スリー・ビルボード』と並ぶオスカー最有力候補だったと記憶しています。しかし結果は『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞を受賞し、無冠で終わりました。私もこれは意外な結果でしたが、本作を観て納得したというか、むしろなぜこれが下馬評で最有力扱いされたのか。それ以前になぜ作品賞候補に残れたのかと思うような微妙な作品だと思ってしまいました。鑑賞済みの作品賞候補7作の中では最も退屈な映画です。

というのも、ごく普通の女子高生の日常を坦々と描いただけの作品なんですよね。ド田舎というほどでもない田舎に住むごく普通の女子高生の高校生活最後の1年を追った内容ですが、特に凄い出来事が起こるわけでもありません。進路のことで親と対立したり、初めて彼氏が出来て初体験したり、友達とケンカ別れするも仲直りしたりと、女子高生個人レベルでは重大事件かもしれませんが、世の中にありがちな話だし、そんな知らない子のありがちな話を見せられても退屈なだけです。まるで知らない女子高生の一年を記録したホームビデオでも見せられている気になりますが、逆に言えばそれだけ自然な演技だったともとれ、主演女優賞や助演女優賞のノミネートは頷ける部分もありますが、こんな平坦な物語で脚本賞ノミネートとか正気かと思ってしまいます。まぁこういう自然な映画が評価される土壌があることは知っていますが、私は映画には映画的なものを求めてしまうので、こんな自然なだけの物語は苦手です。こういう自然な日常映画を「マンブルコア」といい、本作のグレタ・ガーウィグ監督はその第一人者らしいです。このジャンルの評価ポイントは「いかに自然か」ということなので、私の求めているものとは真逆のベクトルです。

私にとっては退屈なだけの作品でしたが某批評サイトでは支持率100%を記録しており、特に批評家ウケがめちゃめちゃいいみたいです。何がそんなに支持されているのか分析してみたところ、本作は八方美人な作品ではないかという結論に達しました。もちろん批評家連中はマンブルコア好きが多いことは間違いないとして、本作は女性監督・女性主演のフェミニズム映画であり、主人公がサクラメント出身のクリスチャン映画であり、恋人がゲイというLGBT映画であり、フェミニスト、クリスチャン、LGBT支持者の批評家からも盲目的に支持されているように思えます。でもおそらく「どちらかといえば支持する」くらいの感覚なので、支持率だけなら相当高いが、オスカーはノミネート止まりだったのでしょう。

批評家からは大絶賛、オスカー候補になりながらも全米ランキングでは一度もトップ10圏内に入れず、全米興収も5000万ドル足らず。それが批評家以外の一般客の本作への支持率を物語っていると思います。日本公開も作品賞候補中最も遅いけど、受賞に自信があればオスカー前後に公開したはずで、配給会社も本作の受賞の可能性は低い、つまり面白いとは言い難いと判断したに違いないです。マンブルコアは本当に日常会話のような自然なセリフが最大の特徴ですが、私のように字幕頼りで観ているようではそれも台無しなんだろうな。上映時間が短めなことだけはよかったです。

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