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絵文字の国のジーン

なぜ今更リメイクするんだと不思議だった『ジュマンジ』が
予想外の超特大ヒットとなり驚いていますが、
そのヒットの要因のひとつが子供たちの支持だったみたいで、
キッズ・チョイス・アワードで作品賞と主演男優賞を受賞したそうです。
キッズ・チョイス・アワードはその名の通り子供の投票で決まりますが、
利権や政治に左右される穿った大人が絡んでない分、
純粋に面白い作品が選ばれることが多く、けっこう参考になります。
過去には『ベスト・キッド』や『ゴースト・バスターズ』が受賞してますが、
大人だとオリジナルと比べてしまい過小評価しがちなリメイク作品も
子供たちは純粋に楽しめているんだなとわかります。
それなら『ジュマンジ』のリメイクも意味があったなと納得です。

ということで、今日はキッズ・チョイス・アワードの
アニメーション映画部門にノミネートされた映画の感想です。
いやー、大人だとあり得ないチョイスだ。

絵文字の国のジーン
The Emoji Movie

2018年3月14日リリース。

ピクサーの『リメンバー・ミー』、ドリームワークスの『ボス・ベイビー』と
ハリウッドのアニメーション映画の感想記事が続きますが、
今日はソニー・ピクチャーズ・アニメーション(SPA)作品の感想記事です。
この並びで本作の感想を書くのはちょっと酷な気もします。
『リメンバー・ミー』『ボス・ベイビー』は共に第90回アカデミー賞において
長編アニメーション部門で顔を合わせた昨年の最高峰アニメーションですが、
逆に本作は第38回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)において
最低作品賞を含む4冠達成という不名誉な記録を持つ作品で…。
実写も対象のラジー賞作品賞をアニメーションが受賞したのはたぶん初で、
ある意味歴史に残るオイシイ結果だったとも言えます。
ラジー賞はネタ的なところもあるので、その年の最も駄作が受賞するとは
言い切れないけど、ネタにされて嘲笑されているのは間違いなく、
やはり褒められたものではありません。
SPAとしては本作と同年全米公開の『ザ・スター』がアカデミー賞
長編アニメ部門の候補入りしたので、会社の評価は下がってないけどね。

最近『グースバンプス』『スマーフ スマーフェットと秘密の大冒険』と
SPA作品が劇場公開されないことが続いていることが気掛かりです。
(一応、ビデオリリース前に限定上映はされているのですが。)
アカデミー賞候補だった『ザ・パイレーツ! バンド・オブ・ミスフィッツ』ですら
日本公開されない(ビデオスルーすらされない)状況なので
今回のアカデミー賞候補『ザ・スター』もかなり厳しい気がします。
日本ではディズニーとイルミネーションが強すぎてSPAは注目され難いです。
本作なんかは日本発祥の「絵文字」を題材にした作品で、
「PPAP」のピコ太郎が登場したりと、かなりジャパンフレンドリーな内容なので、
日本で公開されないのは勿体ないですね。
ただジャパンフレンドリーな作品は成功しないのが昨今のハリウッドの風潮で、
『ゴースト・イン・ザ・シェル』『パワーレンジャー』『ザ・リング/リバース』など
日本絡みのハリウッド映画が次々に爆死しています。
本作もその失敗例に名を連ねることになってしまったわけですが、
これがジンクス化したらハリウッドの日本離れがますます進みそうで、
洋画ファンの日本人としては申し訳ないやら悔しいやら居た堪れない状況です。
今年も『銃夢』のハリウッド映画化とかあるけど、たぶんダメだろうな…。

日本カルチャーを題材にして失敗した本作ですが、
日本には世界に誇れるカルチャーやコンテンツは沢山ある中で、
なぜわざわざ絵文字なんて微妙なものをフィーチャーしたのか疑問すぎます。
絵文字の映画化なんて誰がどう考えても失敗は目に見えてるのに、
なぜ企画段階で誰も止めなかったのか不思議です。
一応、狙いはわかります。
レトロゲームが題材の『シュガーラッシュ』のアプリ版をしたかったのでしょう。
アプリ版『シュガーラッシュ』という目の付け所は悪くないと思いますが、
アプリはユーザーによって千差万別なので共感を得にくい題材かも。
誰もが使う必須アプリであるメールアプリを中心にしているものの、
絵文字機能は誰もが使っているわけではありませんしね。
斯くいう私も顔文字は稀に使うけど絵文字は使った記憶がありません。
絵文字はフィーチャーホン全盛時代にガラパゴス的に発展した機能で、
なんとなく汎用性に欠け、時代遅れなイメージがあるんですよね。
(それがまさかアメリカでも使われていたなんてちょっと意外でした。)
現に昨今の若者も絵文字は使わなくなっているらしいです。
(代わりにLINEのスタンプを使ってるのかな?)
そんな今更なものを題材にしたら嘲笑されても当たり前です。

失敗が目に見える題材な反面、絵文字の擬人化やスマホ世界の具現化など、
難しそうな映像化がどのように行われるのかは興味がありました。
その点では本作はわりと無難に出来ていた気がします。
ストーリーも至って無難で、子供なら普通に喜びそうな内容です。
これでラジー賞受賞させるのはちょっと大人気(おとなげ)ない気がするけど、
どうやらこの内容が子供のスマホへの関心を煽ると考えて
本作を子供が観ることに難色を示す大人もいるみたいで、
それが本作の低評価に拍車をかけている面もあるようです。
たしかに佳作ではないけど、下馬評ほど駄作でもないので、
暇潰しに観るくらいなら十分な作品です。
以下、ネタバレ注意です。

少年アレックスのスマホの中のメールアプリに住む絵文字たちは、
アレックスのメールに使ってもらえることが至上の喜びです。
両親の跡を継ぎシラケた表情を担当する絵文字ジーンは、
初仕事の日を迎えて張り切りますが、彼は感情が表に出るタイプで、
シラケた表情をキープすることが出来ず、
アレックスが片想いの少女アディに送ったメールで選択されるのですが、
初指名にパニクってしまい変な表情の絵文字になってしまいます。
そのためアレックスから「スマホが故障している」と思われ、
初代絵文字である笑顔の絵文字スマイラーからも不具合と判断され、
ジーンはウイルス駆除ボットで削除されることが決まります。
削除されたくないジーンは、たまたま出会ったハイタッチの絵文字と一緒に
メールアプリから逃げ出すことになります。
表情の擬人化というのは感情を擬人化した『インサイド・ヘッド』に似てますね。
ただ絵文字は表情だけではなく、悪魔やウンチなどいろんなものがあり、
統一感がないのがちょっと微妙だと思ってしまいました。
VIP扱いのお気に入りの絵文字の中にビールの絵文字がいたけど、
子供のアレックスがビールの絵文字を使うのか?

ジーンから相談を受けたハイタッチは、彼がシラケた顔しか出来なくなるように
ハッカーの絵文字ジュエルにプログラムを書き換えてもらえばいいと提案。
ジュエルは過去にプリンセスの絵文字をクラウドに送ったこともある凄腕で、
今は海賊版アプリの中に隠れているらしいです。
海賊版アプリの中にはトロイの木馬などウイルスやスパムや荒らしなど、
迷惑プログラムの擬人化が屯(たむろ)していますが、
そもそもどういう目的のアプリなのかがよくわかりません。
アレックスはそのアプリを親にバレないように辞書アプリに擬態させてますが、
親に隠すということはエロ系アプリかな?
いろんな表情が出来るジーンに興味を持ったジュエルは協力することに。
「ドロップボックス」からファイアウォールを突破してクラウドに入り、
ソースコードを探して書き換えることになります。
なんだかIT用語が次々出てきて、ちょっとややこしいですね。
私も詳しい方ではないので、「ドロップボックス」が何なのかわかりませんでした。
調べたらなんでもオンラインストレージサービスのアプリみたいです。
海賊版アプリに行く途中で「ウィーチャット」というアプリを覗くけど、
それも何なのかわかりませんでしたが、やはり調べてみたところ、
どうやら中国のメッセージアプリで中国版LINEみたいなものらしいです。
なぜそんなアプリがアメリカ人少年のスマホにインストールされているのか、
かなり謎ですが、ここが本作の弱点のひとつでもあります。
「You Tube」や「インスタグラム」のように誰でも知ってるアプリも出てくるけど、
アプリは使う人によって千差万別なので万人に伝わらないんですよね。
私なんて未だにフィーチャーホンを愛用しているし…。

ジーン、ジュエル、ハイタッチの3人はスマイラーの放ったボットに追われながら、
落ちゲーアプリ「キャンディ・ポップ」、音ゲーアプリ「ジャスト・ダンス」を経由し、
「ドロップボックス」を目指します。
「キャンディ・ポップ」は知ってるけど「ジャスト・ダンス」は知らないな。
ただアレックスはこんなゲームするタイプには見えませんが…。
「ジャスト・ダンス」通過中、アレックスがそのアプリを削除してしまい、
ジーンとジュエルは辛くも脱出しますが、ハイタッチは間に合わず削除され、
ゴミ箱に送られてしまうのです。
2人は音楽ストリーミングアプリ「スポティファイ」を経由してゴミ箱に行き、
ハイタッチを救出して、再び「ドロップボックス」に到着します。
ゴミ箱にはボットに削除された海賊版アプリの連中も送られていましたが、
ボットに削除されても意外と簡単に救出できるとわかり、
ボットに捕まることの脅威が薄れますね。

3人は「ドロップボックス」からクラウドに向かうが、ファイアウォールに遮られます。
突破するにはアレックスが設定したパスワードが必要ですが、
ひとり一度しか挑戦できないみたいです。
ジュエルは過去に一度失敗し、二度と挑戦できないのですが、
その過去の失敗というのがプリンセスをクラウドに逃がした時でした。
というか、実はジュエルがプリンセスで、認証失敗でクラウドに行けず、
ハッカーとなって再挑戦のチャンスを窺っていたみたいです。
全ての表情の絵文字になれるジーンなら、ファイアウォールを誤認させ、
何度もパスワードに挑戦できると期待して協力したようです。
でもプリンセスの絵文字がコスるだけでハッカーの絵文字になれるなら、
自分でも何度もファイアウォールを誤認させることが出来るんじゃないかな?
ジーンのお陰で何度もパスワードに挑戦できることになったものの、
肝心のパスワードを特定することが出来ず…。
しかしゴミ箱にあった未送信のメールで、アレックスの好きな子の名前がわかり、
「addie」と入力するとパスワード承認され、クラウドに入れるようになります。
私にはパスワードに好きな子の名前を使うという発想はなかったけど、
パスワードは数字を含む8文字以上をオススメします。

クラウドでソースコードをゲットしますが、
ジュエルからいろんな表情が出来ることを褒められたジーンは、
シラケた表情のみになるのをやめてクラウドで彼女と一緒にいたいと思い、
彼女に告白するのです。
しかしかなり脈ありだと思ったのですが、なぜかフラれてしまって…。
「王子様を待つプリンセスにはなりたくない」という謎の理由でフラれますが、
ジーンもさすがに意味不明だと思ったのか、悲しみを通り越してシラケてしまい、
苦手だったシラケ顔がナチュラルに出来るようになります。
もうソースコードでプログラムを書き換える必要もなくなり、
ひとりでメールアプリに戻ることにするのですが、
スマイラーの違法アップデートでマルウェア化したボットに捕まり、
メールアプリで公開処刑(削除)されることになります。
プログラムを書き換えたとしても削除が免れるわけじゃないし、
そもそも何しにクラウドに行ったのかわかりませんね。

ジュエルとハイタッチはツイッターの小鳥に乗ってメールアプリに戻り、
ボットを破壊してジーンの公開処刑を阻止します。
しかしその頃、スマホが故障して変な絵文字が出るようになったと考えた
アレックスがスマホを初期化するためにモバイルショップを訪れていて…。
彼が絵文字付きメールでアディに気持ちを伝えることが出来れば
初期化を取り止めるんじゃないかと考えたジュエルは、
全ての表情が出来るジーンの絵文字を添付してアディに送信。
表情豊かなジーンの絵文字を気に入ったアディはアレックスと親しくなり、
アレックスもジーンの絵文字が削除されないように初期化を中止。
もはやツッコミどころしかなくて、ツッコミが絞り切れない展開でしたが、
とりあえずめでたしめでたしですね。
ジーンはアレックスのお気に入りの絵文字になるのですが、
全ての表情にアニメーションする絵文字なんて使い道なさそう…。
逆にジーンを削除しかけたスマイラーは、使われない絵文字が集まる
負け犬ラウンジに送られますが、絵文字をよく使うユーザーが
笑顔の絵文字を使わなくなることなんてあるかな?

題材が悪すぎてラジー賞まで受賞してしまった本作ですが、
駄作だと割り切って観れば、わりと無難で予想よりも良かった気がします。
さて今後のSPA作品ですが、アカデミー賞候補『ザ・スター』は
クリスチャン映画ということもあり日本公開は難しそうですが、
その次となる『ピーターラビット』はさすがの知名度で日本公開決定済みです。
もっともアニメーション映画ではなく実写映画となりますが。
更に次の『モンスター・ホテル3』も前二作は公開されたもののヒットしておらず、
ちゃんと日本公開されるのか少し心配しています。
更に次の『グースバンプス2』は前作がスルーされたのでまず無理でしょう。
その次はマーベルと共同製作の『スパイダーマン』のアニメーションで、
これは是が非でも日本公開してほしいと願っています。
ただ主役はお馴染みのピーター・パーカーではなくマイルズ・モラレスです。
黒人スパイダーマンを日本人が受け入れるかどうか微妙かも。

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コメント

Dropboxはデータの転送を頻繁にする方なら、小中学生でも普通に使ってましたね。(日本は除く)

  • 2018/04/08(日) 09:06:04 |
  • URL |
  • 無記名 #-
  • [ 編集 ]

日本はスマホになってもガラパゴスなのかな。
私はスマホ使わないのでよくわかりませんが。

  • 2018/04/10(火) 22:03:54 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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