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ドラえもん のび太の宝島

前記事投稿から少し間が空きましたが、その間に記事ひとつボツにしました。
『あの花』『ここさけ』の脚本家が初監督したアニメ映画
『さよならの朝に約束の花をかざろう』の感想記事だったのですが、
酷評が度を越えていて、罵詈雑言の嵐だったので封印、消去しました。
たしかに駄作なのは間違いないけど、ここまで叩く必要はなかった、と。
ちょっと私生活でイライラすることがあって、それも影響してた気がするし…。
けっこう長文だったので徒労感が凄まじく、更新も止まっちゃいました。
表現を柔らかくして書き直そうかとも思ったけど、
先月公開の映画になるし、そろそろ上映も打ち切られるだろうし、もういいかな。
今月、来月は注目のアニメ映画の封切りが多いので、
駄作アニメ映画に時間を取られるのは勿体ないし。

ということで、今日は春休み向けアニメ映画の感想です。

ドラえもん のび太の宝島
ドラえもん2018

2018年3月3日公開。

テレビアニメ『ドラえもん』の劇場版38作目で、第二期の劇場版13作目。
第一期のリメイクではない第二期オリジナル作品としては7作目になるかな。
昨年の「南極カチコチ大冒険」がオリジナルなので、今年はリメイクかなと思い、
前作のティーザー予告でドラえもんが海賊に扮していたことから、
第一期19作目「南海大冒険」がリメイクされるだろう、
と思い込んでましたが、二作連続オリジナルだったみたいです。
といっても完全なオリジナルでもなく、「南海大冒険」を大胆に脚色しすぎて
全く別物のオリジナル同然の作品になってしまったという感じかな。
「南海大冒険」は1998年公開ですが、20年前の作品では
リメイクするにはまだ早いと思ったのかもしれませんね。
正直、第二期オリジナル作品はハズレが多い印象だったので、
できればリメイクの方がよかったけど、今回も案の定ハズレでした。
チビッコ向けアニメなのであまりうるさいことを言うつもりはありませんが、
今回の子供騙し感もなかなか酷いものがありました。
どう転んでも興収30億円は超えるヒット確実なシリーズなんだから、
もっと有能な脚本家を雇えないものかな?

本作はロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説『宝島』がモチーフらしい。
世界的に有名な児童小説だけど、読書嫌いだった私は読んだことがなく…。
モチーフにするくらいだから今のチビッコたちは読んでる子が多いのかな?
物語冒頭、『宝島』を読んで触発された出木杉くんが
「『宝島』の現代版小説を書いている」と痛いことを言い出しますが、
しずかちゃんたちは素直に感心します。
それに嫉妬したのび太は「小説より本物の宝島を見つける方がすごい」と考え、
ドラえもんの秘密道具「宝探し地図」で宝島の場所を発見。
ところがパパに「宝島探しより夏休みの宿題が先」と注意されて家出し、
なんだかんだあり、いつものメンバー5人と一緒に船で海に繰り出すことになります。
『宝島』がキッカケで「宝さがし地図」で宝島を見つけて海に冒険に出る展開は
「南海大冒険」と同じで、ここから大航海時代のカリブ海にタイムスリップか、
と思いきや、今回は現代の海が舞台みたいです。
ところがドラえもんの秘密道具「なりきりキャプテンハット」の効果によって、
実際は現代なのに景色がカリブ海に見えるようになるんですよね。
せっかくの大冒険をVR化しちゃうなんて無粋な秘密道具だな。

宝島は太平洋沖800キロに現れた新しい島のことみたいです。
新しい島なんて2013年に出来た西之島の新島を思い出しますが、
たぶんそれが元ネタだろうと思います。(もはやタイムリーでもないが…。)
西之島よりもちょっと近いので日本の領海は広がらないか。
のび太たちは船で海のレジャーを楽しみながら宝島目前まで迫るが、
急に海賊に襲われて、応戦するもしずかちゃんを拉致られてしまいます。
どうも海賊はしずかちゃんを仲間の女の子と間違えたみたいです。
この海賊ビビとガガがやたらと派手なデザインでなんだか品がないです。
もっと藤子F不二雄らしいデザインに出来なかったものか…。

しずかちゃんを拉致った海賊が宝島に行くと、島が急に沈み始めて…。
なんと宝島は島に擬態した海賊の巨大潜水艦だったのです。
このオーバーテクノロジーからも察しが付くように、
彼らは現代人ではなく未来から来た海賊のようです。
どのくらい未来かは定かではありませんが、たぶん23世紀でしょうね。
ドラえもんの持つ22世紀の秘密道具が彼らに通用しなかったりするけど、
24世紀未満なのはたしかなようなので。
この潜水艦タイプの海賊船に金銀財宝が積み込まれているため、
「宝さがし地図」が反応してしまったみたいです。
名称通り、宝島さがしではなく宝さがしのための道具だったわけですね。
でも「のび太の宝島」なのに早くも宝島が宝島じゃないと判明するなんて、
タイトルは全く名称通りではなくなってしまいました。

しずかちゃんを拉致られたのび太たちの船は少年漂流者フロックを救助。
彼は海賊船の元エンジニアらしく、海賊船から妹セーラを救出したいそうで、
しずかちゃんを救出したいのび太たちと手を組むことになります。
(たぶん)23世紀のエンジニアなので、技術力がドラえもんの比ではなく、
ドラえもんの22世紀の秘密道具を次々改造、パワーアップしちゃうんですよね。
どらえもんは秘密道具こそが最大のアイデンティティなのに、
未来人が出てくるとそれが薄れてしまうので、未来人絡みの話は微妙です。
あと、第二期オリジナル作品にありがちなことなのですが、
ドラえもんが秘密道具を大盤振る舞いしすぎです。
何の伏線も、様々な道具を次々に出して使いますが、
これだと何でもアリになってしまうので、もっと控えて絞るべきです。
中には使い方や効果の説明もない道具も急に使ったりしますが、
観客みんなが道具に詳しいなんて思わない方がいい。
秘密道具いっぱい出せばチビッコが喜ぶという浅はかさ感じます。

フロックの妹セーラこそ、しずかちゃんと間違えられた女の子です。
似てるっちゃ似てるけど、金髪碧眼なのに間違うかな?
実はフロックとセーラの兄妹は海賊船船長シルバーの子供で、
シルバーは元科学者で、もともと海賊船も科学者たちの研究船でした。
しかし妻(兄弟の母)フィオナの死後、急に海賊に転向し財宝を集めはじめ、
フロックはそんな父に反発して船を降りたみたいです。
なぜシルバーが財宝集めをしているのかですが、
なんでも彼は妻の死後にタイムマシンで2295年に行き、
そこで荒廃した地球を目の当たりにしたため、ノアの方舟のように、
荒廃する前に潜水艦兼宇宙船の海賊船で地球を脱出する気だからです。
…って、全く財宝を集める動機にはなってないと思いますが、
もし地球の文化を持ち出したいなら、金銀財宝なんかじゃなくて
書物とか美術品とかを集めるべきじゃないのか?
「宝島」に寄せにきているのでしょうが無理がありすぎます。
なぜか恐竜とか絶滅動物の(生きた?)標本も集めるけど、なぜ現存種は放置?
家族の他に連れて行く人間も頭悪そうな海賊が大半だし、もっと人選しろよ。
しずかちゃんとセーラも見分けられないようなアホばっかりでは
移住先の惑星でもアッという間に人類滅亡するだろ。
てか、タイムマシンあるなら地球が荒廃する原因を食い止められるだろ。

まぁそもそも荒廃する原因が、この海賊船にあるように思われます。
この海賊船は地球の生体エネルギーを吸い上げて動いているのです。
化石燃料に頼らない未来のエネルギーらしいのですが、
地球の生体エネルギーは使いすぎると枯渇するらしくて…。
特に海賊船を宇宙に飛ばすほどの出力を得ようとすると
一発で生体エネルギーを使い果たしてしまうらしく、
地球の荒廃から逃れるため地球を脱出するために使う生体エネルギーで
地球が崩壊に向かうというパラドックスになっている気がします。
このエネルギーの利用法を発見したのが妻フィオナでしたが、
彼女は優秀な科学者という話しだけど、とんだマッドサイエンティストじゃない?

のび太たちは大西洋で海賊船に追いつきます。
しかし海賊船は地球の生体エネルギーを全て吸い上げ、離陸準備段階で…。
のび太たちはしずかちゃんと合流し、フロックとセーラ兄弟の強力も得て
海賊船の離陸を阻止するため、シルバー船長のところへ向かいます。
ドラえもんたちの秘密道具での必死の抵抗はあまり効果ありませんでしたが、
フロックの高度なハッキング技術によって離陸を阻止し、
吸い上げた生体エネルギーを地球に返します。
計画を阻止されたシルバーはのび太に「なぜそこまで邪魔する?」と問うと、
のび太は「パパと争うのは悲しいから」と答えるのです。
これはフロックとシルバーを自分とパパに重ねているのは間違いなく、
序盤のパパとのケンカが伏線になっているのですが、伏線弱すぎだろ。
フロックとシルバーは地球の存亡を賭けた親子ゲンカなのに、
方やのび太はパパに夏休みの宿題しろと注意されて一方的にヘソ曲げただけ。
フロックとシルバーでは完全にフロックの言い分が正しいが、
のび太とパパでは完全にパパが正しく、規模も状況も立場も全く違います。
もうちょっと考えればもうちょっと順当でもうちょっとマシな伏線張れるだろ。
(せめてのび太とパパの関係を描くのにもっと時間を割けよ。)
これで子供を連れてきた親世代も感動させることができると思ってるのだろう。

こののび太のピント外れな説教で改心したシルバーは子供らと未来に帰り、
のび太たちも日本に帰宅します。
帰宅したのび太にパパが『宝島』をプレゼントするのですが、
なぜパパがのび太に歩み寄るオチになるのか意味不明です。
ここはフロックの親子ゲンカで父子関係を見つめ直したのび太が
パパの言い付け通り夏休みの宿題をするという展開が正解じゃないのか。
つくづくもっとマシな脚本家はいなかったのかと呆れます。
本作の脚本家は『世界から猫が消えたなら』の原作者か、なるほど納得。

最後に、2295年の地球がどうなったかは描かなくていいのか?

関連作の感想
映画ドラえもん 新・のび太と宇宙開拓史
映画ドラえもん のび太の人魚大海戦
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち
映画ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマルアドベンチャー
映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)
映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊
STAND BY ME ドラえもん
映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)
映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
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