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マンハント

今日は旧暦の1月1日らしく、旧正月ですね。
中国では春節という大型連休で、この時期は中国人観光客がかなり増えます。
特に観光地や都心部は中国人だらけになりますね。
私の地域は住宅街なのでそれほどでもないが、大阪に行くとかなり見掛けます。
特に難波は多く、街中では中国語が飛び交いまくり、恐怖を感じるほどです。
それでもさすがに日本人の方が多いだろうけど、日本人通行人はマナーが良く、
みんな静かに歩いているので、中国語ばかり耳に付くんでしょうね。
難波は普段から中国人観光客が多い気がしますが、
観光客だけじゃなくて店員もやたら中国人留学生が多いので、
ここは中国の植民地か、と思ってしまいます。
せっかく海外旅行するなら中国人だらけで中国みたいになる日本よりも
もっと異国情緒溢れる国を選んだ方が楽しいと思うのだけど…。

今日は中国人観光客招致に一役買ってるかもしれない映画の感想です。

マンハント
Manhunt.jpg

2018年2月9日日本公開。

『M:I-2』や『レッドクリフ』のジョン・ウー監督がメガホンを取り、
中国人俳優チャン・ハンユーと福山雅治のW主演で、
全編日本で撮影された中国(香港)映画である本作。
日本舞台の中国映画ということで、ちょっと興味はありましたが、
中国映画はあまり観ない方だし、日本が舞台というだけでは引きが弱く、
当初は劇場観賞する予定ではありませんでした。
しかし最近、舞台が主に大阪だと知り、関西人としては更に興味をそそられ、
お得なTOHOシネマズデイにも後押しされ観に行くことにしました。
大阪が舞台だったのは中盤まででしたが、道頓堀とか大阪城とか
お馴染みの名所がこれ見よがしに盛り込まれていて面白かったです。
地理的にはちょっと変なところもありましたが…。

もともと観ないつもりでだったため飛び込み同然で観に行ったので、
何の前知識もない状態でしたが、あとあと調べてみると、
どうやら本作は古い日本映画の中国リメイクだったんですね。
オリジナルは高倉健主演の『君よ憤怒(ふんど)の川を渉れ』で、
1976年に公開され、なぜか中国で観客動員数8億人の大ヒットしたとか。
私の生まれる前の話で、オリジナルも観たことありませんが、
40年の時を経てリメイクされるんだから傑作だったのでしょう。
まぁ実際は大人の事情でリメイク権が取得できなかったらしくて、
オリジナルの原作小説『君よ憤怒(ふんぬ)の川を渉れ』の再映像化で、
オリジナルとは関係ないという建前なんだそうな。
(でも冒頭に流れる演歌はオリジナルの主題歌らしい…。)
主人公は中国人に変更されてるし、今風な設定になってるし、
内容的にもオリジナルとも原作小説ともかなり違いそうな気がします。

内容以前にまず気になるのは登場人物たちの台詞です。
キャストの口の動きと台詞が微妙に合ってないんですよね。
これはアフレコしているからだと思われます。
香港映画ではそれが当たり前なんだろうと思いますが、
日本映画だと台詞は同録するのが普通なので、
日本人キャストの口の動きと日本語台詞がずれていると妙に気持ち悪いです。
撮影時とは台詞が変わったのか、ずれてるどころか全くバラバラだったり、
酷い所では口が動いてないように見えるのに喋ってるところまで…。
それと本作は日本が舞台なので、登場人物ほとんど日本人のはずだけど、
日本語がカタコトのキャラがチラホラいるんですよね。
なのに中国語は母国語(日本語)以上に流暢だったり…。
これは単純に中国人俳優が日本人役をしているためですが、
脇役なら聞き流せるけど、ヒロインまでそれでは困ります。
ヒロインの真由美は日本人と中国人のハーフという設定ですが、
日本暮らしなのに明らかに日本語の方が不自由なんですよね。
中国映画だからヒロインまで日本人女優を使えとは言いませんが、
台詞だけいくらでも録り直せるアフレコなんだから
そのカタコトな日本語でOKテイクにしないでほしいです。
以下、ネタバレ注意です。

主人公は大阪の天神製薬の中国人顧問弁護士ドゥ・チウ。
中国名に詳しいわけじゃないけど、珍しい名前だなと思いましたが、
どうやらオリジナルの高倉健演じる主人公の名字が杜丘(もりおか)で、
それをそのまま中国読みするとドゥ・チウになるみたいです。
ドゥは天神製薬を何度も訴訟から救ってきた凄腕弁護士ですが、
この度、アメリカの製薬会社にヘッドハンティングされます。
しかし彼を引き止めたい天神製薬の酒井社長(國村隼)は、
美人秘書(TAO)に色仕掛けさせ、彼の自宅に送り込みます。
しかしその夜、ドゥは謎の女、真由美と会っており、遅くに帰宅。
朝ベッドで目覚めると、なぜか横で秘書が死んでおり…。
ドゥはすぐに通報し、駆け付けた大阪府警の浅野警部に逮捕されるが、
なぜかその場で射殺されそうになって逃走するのです。
この浅野警部が事件に関わっているのは間違いないですね。
もうひとりの主人公である大阪府警の矢村警部(福山雅治)は
新米女性刑事の百田里香(桜庭ななみ)と共に、逃走犯ドゥを捜索します。

ドゥは警官に追われて地下鉄上本町駅に逃げ込みますが、
人が多い構内を爆走したり、電車が進入してきた線路に飛び降りたりと、
大阪市がよくこんな撮影を許可したしたものだと感心します。
矢村と百田に見つかったドゥは、今度は水上スキーで堂島川を爆走。
矢村も水上スキーで追いかけ、激しいチェイスになりますが、
このシーンもよく許可が下りたものだと感心しました。
さすがに街中での銃撃戦やカーチェイスは許可されなかったようで、
「それなら川の上ならいいだろう」という苦肉の策かもしれませんが、
結果なかなか面白いシーンになったと思います。
ドゥは矢村に捕まるも再び逃走し、大阪駅の時空の広場で真由美と合流。
真由美の実家に行くため新幹線で大阪を離れてしまい、
楽しかった大阪名所めぐりもここまでです。
真由美の実家は牧場ですが、そこが何県なのかはわかりません。
全編日本ロケを謳ってるので日本のどこかだろうとは思うけど…。

ドゥを追っているのは大阪府警だけではなく、
謎の女殺し屋2人にも命を狙われています。
秘書殺しの真犯人から雇われているであろうは想像に難くないが、
この2人、レインとドーンは日本語と中国語も話せますが
主言語は英語のようで、国籍不明のアジア人です。
2人とも中国人女優なのかなと思ったら、レインは韓国人女優なんですね。
なんでももともとは男キャラを予定していたそうなのですが、
香港の製作会社から韓国人女優を捻じ込まれ、急遽変更したそうな。
たぶん韓国市場も見込んでことでしょうが、韓国公開されるとは思えないな。
もうひとりの女殺し屋ドーンの方は中国人で間違いなさそうですが、
お世辞にも女優とは思えないドッシリした体形で、
アクションのために女性格闘家でも起用したのかと思いましたが、
なんと彼女はジョン・ウー監督の愛娘アンジェルス・ウーだそうです。
完全なコネ出演ですが、ゴリ押し韓国人女優よりもいい味出してました。

真由美の実家で匿われたドゥでしたが、ドーンたち殺し屋集団が襲撃してきます。
そこにドゥを追う矢村もやって来て、殺し屋集団相手に共闘することに。
矢村はなぜか真由美の実家にあった日本刀を手に戦いますが、
中国映画らしい外連味だと思ったら、まさかの福山雅治の案だったそうで…。
はじめはハードボイルドなスリラーなのかと思いましたが、
殺し屋バイカー集団とか武士道とか、ハチャメチャになってきたと思ったら、
女殺し屋ドーンも謎の新薬を自ら注射して肉体強化されたりと、
全くリアリティのない何でもアリなサイエンスフィクション的展開に転がり出します。
想像していたものとは違ったので、ちょっと唖然としちゃいました。
強化人間ドーンを殺し、殺し屋集団を退けることに成功しますが、
矢村は負傷し、ドゥに病院に担ぎ込まれて入院することに。
共闘したことで友情が芽生え、矢村のドゥに対する疑いも消えたっぽいです。

真由美の夫(田中圭)は天神製薬の研究員でしたが、3年前、
彼は会社が危険な新薬を作ろうとしていると気付き、処方コードを盗み出すも、
会社に訴えられて敗訴し(その時の弁護士がドゥ)、自殺したそうです。
ドゥと真由美は今回の秘書殺しにも3年前の事件が関係していると考えます。
ただ実際は、たしかに天神製薬は大きく関係しているものの、
3年前の事件とは直接関係ないんですよね。
事件の真相は天神製薬の酒井社長のバカ息子(池内博之)が、
ドゥに色仕掛けする秘書に横恋慕し、痴情の縺れで彼女を殺害。
天神製薬と癒着している悪徳刑事の浅野警部は隠蔽を頼まれ、
ドゥが疑われるように偽装工作したみたいです。
しかしドゥに逃走され、酒井は浅野を口封じのために殺害。
レインとドーンら子飼いの殺し屋にドゥ暗殺を依頼したようです。
バカ息子の嫉妬が原因なんて、なんともバカバカしい事件ですね。
しかしドゥが3年前の事件と関係があると勘違いしたことで、
図らずも天神製薬の更なる闇が暴かれることになります。

天神製薬の研究所に潜り込もうと考えたドゥは治験を利用することに。
天神製薬は西成の日雇い労働者で新薬の違法な人体実験をしており、
ドゥは西成のホームレスに成り済まし、治験の募集に応募します。
大阪の製薬会社らしい設定でちょっと面白いですね。
人体実験で使われるのは、恐怖と痛みを感じない強化兵士に変えるという
完全にサイエンスフィクションなあり得ない新薬です。
天神製薬はそれを世界中の軍隊やテロリストに売ろうと考えますが、
まだ完成しておらず、投与された者は自制心を失ってしまいます。
ドーンら殺し屋が使っている薬も同じような効力な気がするし、
そちらは自制心も保てるので、それを売ればいい気がするけど…。

退院した矢村はドゥを探しに天神製薬の研究所に乗り込みますが、
ドゥはすでに新薬を投与されており、敵味方関係なく襲い掛かります。
酒井社長は殺し屋レインに矢村とドゥの殺害を命じますが、
彼女は社長を裏切り、拉致されていた真由美を解放するのです。
どうもレインはドーンが死んだことで、愛するものを失う悲しみを知り、
天神製薬のせいで夫を失った真由美に同情したみたいです。
ただこの展開は当初の予定通りレインが男の設定だったら
愛する恋人ドーンを失った悲しみからの行動と理解しやすいけど、
レインとドーンが同性だと単なる仲の良い仕事仲間でしかないので、
夫を失った真由美に同情するというのはちょっと納得し難いかも。
これは韓国人女優なんかを無理やり捻じ込んだ弊害ですね。

ドゥも矢村相手に暴れるうちに自制心が戻ってきたみたいで、
ドゥ、矢村、真由美、レインが共闘する感じになります。
焦った酒井社長のバカ息子は、自ら新薬を投与し強化人間に。
レインは戦死しますが、なんとかバカ息子を倒し、酒井社長も諦めて自殺。
そこに百田たち大阪府警が踏み込んできて、天神製薬の闇が暴かれ、
ドゥの疑いも晴れて、一件落着です。
でも不完全な新薬をすでに投与されてしまったドゥは大丈夫なのか?
なぜか自制心は戻ってるし、エピローグでも元気そうだったけど…。
そういえばエピローグでは真由美と付き合い始めたみたいだったが、
彼女にしてみたらドゥは夫を自殺に追い込んだ張本人なのに、
なんだかイマイチ納得できない幕引きです。

大阪が舞台だったのは期待通り楽しめたけど、
そこ以外褒めるところはなく、残念ながら駄作と言わざるを得ません。
福山雅治も世界的なジョン・ウー監督の国際作品だから出演したのでしょうが、
もしこれが日本で製作されていたら断ってたでしょうね。
製作サイドも、福山雅治が日本で大人気だと思って起用したのでしょうが、
本作は日本でも鳴かず飛ばずみたいで、当てが外れましたね。
ヴェネチア国際映画祭にも出品された福山の主演作『三度目の殺人』は
第41回日本アカデミー賞で作品賞ほか10部門にノミネートされており、
最有力候補なのに、なぜか主演男優賞にはノミネートされてないし、
なんか彼の人気が急落している気がするけど、まさか結婚が原因なの?

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