FC2ブログ

ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ザ・サークル

最近の気になる映画ニュース。

『怪盗グルー』シリーズのイルミネーション・エンタテインメントが
任天堂のゲーム『スーパーマリオブラザーズ』の映画化に動いているとか。
これは気になる話題ですが、あまり賛成は出来ないかな。
マリオはゲームだと面白いけど、物語として面白いかどうかは微妙なので、
映画化して面白くなるようなものではないと思うんですよね。
マリオは93年にハリウッドで実写化されたものの駄作で大コケしたことで、
任天堂は映画化に消極的だったみたいですが、それは正解でしょう。
93年の実写映画が駄作だったのも作り手が下手だったのではなく、
そもそも題材が悪いのであり、誰が作っても大コケしたと思います。
イルミネーションはアニメ化するだろうから、絵的には実写よりマシでしょうが、
やっぱりそれほど面白い物語にはならない気がします。
むしろ面白くなるくらい改変されたらそれはマリオとは言えない気もするし。
イルミネーションは力があるのでオリジナルで勝負した方がいいし、
マリオは『シュガーラッシュ』の続編とかにゲスト出演する程度が丁度いいです。

今日はそんなマリオの話題も出てくる映画の感想です。

ザ・サークル
The Circle

2017年11月10日日本公開。

エマ・ワトソン主演のスリラー映画である本作ですが、
今年春に彼女主演の『美女と野獣』が5億ドル越えの記録的大ヒットしたことも
記憶に新しく、本作も彼女の集客力で大ヒット間違いなしだろう、
と予想していたのですが、結果は全米ボックスオフィス初登場5位、
全米総興収2000万ドル程度に止まる、まさかの低調すぎる成績で…。
日本でも週末興行ランキング初登場10位圏外ですが、
どうも『美女と野獣』の大記録は配給のディズニーの戦略の成果で、
エマ・ワトソン自身はそこまで人気があるわけでもないのかも。
キャストの人気は別としても、私としては『美女と野獣』より楽しめたので、
もっとヒットしてもよかったと思うのですが…。

SNSを題材にしたスリラーで、SNSの危険性を謳うシニカルな内容ですが、
その題材ではSNSに慣れ親しんでいる若者にしか興味が持たれず、
『美女と野獣』のように年配層やファミリー層を集客できなかったのが
本作の苦戦の原因かもしれませんね。
かくいう私は一応SNS世代なのですが、個人的にはSNSが苦手な方で、
FaceBookもTwitterもInstagramもLINEすらも利用していません。
知人に勧められてアカウントは取るけど結局使わないんですよね。
まぁブログも広義のSNSらしいので、使ってるSNSはコレだけかな?
そんな私でも本作は楽しめたので、SNSに馴染みがなくても楽しめるはず。
いや、逆にSNSに否定的だからこそ、SNS批判の本作を楽しめるのかも?
以下、ネタバレ注意です。

田舎町の水道会社で派遣で顧客対応の仕事をするメイは、
その仕事に遣り甲斐を感じることが出来ないでいます。
そんな折、大手SNS企業「サークル」に勤める友達アニーから、
自社に面接に来ないかと誘われます。
アニーは同社の「重要な40人」のひとりらしく、
友達を縁故採用させるくらいの力があるみたいですね。
まぁまるで禅問答みたいな難しい面接を突破しなきゃいけないようですが。
サークル社に転職したメイですが、ここでの仕事も顧客対応係。
それではここでも遣り甲斐を感じられないのではないかと思いましたが、
地元水道会社に比べ給料も破格で豪華社宅までついており、
彼女も大満足のようですが、結局仕事の内容じゃなくて待遇ですね。
ここの顧客対応は顧客の満足度が数値化されるシステムみたいで、
彼女は新人でトップの成績になりますが、才能はあるんですね。

サークル社の提供するSNS「TrueYou」ですが、
私はSNSに疎いのでどんなものか完全に把握は出来ませんでしたが、
いろんなSNSを一本化したようなサービスみたいです。
中でもCEOベイリーの肝入りの機能が、「シー・チェンジ」と呼ばれるもので、
安価な超小型カメラを好きな場所に仕掛けて、ライブ配信できるというもの。
さらに顔認証とか解析処理も常にできるみたいです。
盗撮映像をリアルタイムでネットに公開できるようなサービスで、
これはダメだろと思ってしまいましたが、ベイリー曰くこれがあることで、
テロリストは隠れられず、人権活動家の監視に役立つとのことで、
言われてみればその通りで、物は言いようだなと思いました。
メイもそんなベイリーのスピーチに感銘を受けます。

広い社内にはいろいろな娯楽施設もあり、毎晩のようにパーティや、
BECKなど豪華アーティストを迎えての社内向けライブも開催され、
正直とても羨ましい職場環境ですよね。
と思いきや、夜のパーティや週末イベントなどは任意を謳いながらも、
参加の積極度を示すパーティランクなるものが付けられており、
それが査定に響くため、ほぼ強制参加状態のようです。
繋がりやコミュニティを重視するSNS企業らしい制度ですが、
週末に自由に遊びに行くことも難しく、息苦しいですね。
もし遊びに行っても、その様子をSNSでアップすることを強要されます。
ここの場合は半ば強制ですが、SNSって強制をされなくても
何か常に更新しなくてはいけないような強迫観念がありますよね。
私ならSNS疲れで三日で退社しちゃうな…。
メイも趣味のカヤックにも行けず、週末も実家に戻れなくなりますが、
実家の父が多発性硬化症(MS)を患っているので、
様子を見に帰ることも出来ず心配しています。
するとサークル社が、健康状況を常にモニタリングできるリストバンドを
家族に付けてくれるのです。(社員は全員強制着用です。)
メイは喜びますが、健康状態を会社に常に把握(共有)されるなんて
ちょっと気持ち悪いと思うのですが…。
ゆくゆくは全国民にそのリストバンド着用を義務付けるつもりですが、
すでに子供の骨に追跡用チップを埋め込むサービスも始めたようで…。
完全にディストピアな世界ですが、あり得ない話でもないかな?

プライベートを無視しオープン性を推し進める巨大SNSに対し、
否定的な見方をする人も当然いて、そんな議員のひとりが
サークル社に対して独禁法で取り締まろうと画策しますが、
その議員は汚職がリークされて辞職に追い込まれるのです。
もちろんサークル社がSNSで議員のプライベートを暴きリークしたのです。
更にサークル社は自社を指示する議員を政界に送り込みます。
その議員にはSNSで収支やメールなど全てを公表すると公言させます。
そんな議員がいたら興味深いとは思うけど、たぶん仕事にならないでしょうね。
政治家が秘匿するのは悪いことだけじゃないわけだし、
そんな全てを公開しちゃう政治家は逆に信用できないでしょ。
これにはメイもやり過ぎじゃないかと思いますが、
TrueYouの創設者のラフィート氏も懸念を持っているみたいです。
ただ彼は役職だけの閑職に追いやられてしまったようですが…。

ある日、地元の幼馴染マーサーがメイを訪ねてサークル社に来ます。
かなり怒ってるみたいですが、なんでも家具職人である彼の作った
鹿の角のシャンデリアをメイが無断でSNSにアップしたことで、
彼はネット上で「鹿殺し」と叩かれ、殺害予告までされているみたいで…。
(彼は抜け落ちた角で作っているので鹿を殺してはいない。)
これは有難迷惑にもほどがあり、怒って当然ですね。
他人の物をアップする時にはちゃんと許可を取るのは常識ですが、
それを見て批判する輩にも困ったものですね。
マーサーはメイに絶交を告げ、音信不通になります。
これにはさすがのメイもショックを受け、そのモヤモヤを発散しようと、
その夜、ひとりでカヤックをしに出掛けるのですが、
誰もいない湾内で濃霧と高波で転覆し、溺れそうになります。
しかし湾内にたまたまシーチェンジのカメラが設置してあり、
それを見た視聴者が通報してくれ、ヘリで救助されるのです。
マーサーの件でSNSに疑問を感じていた彼女ですが、
この水難事故をキッカケにSNSの必要性を妄信するようになります。
しかしたまたま湾内のライブ映像を見ていた通報者はどれだけ暇なんだ。

SNSの必要性を身をもって示したメイはサークル社にとっても美味しい人材で、
彼女は同社の広告塔になり、24時間シーチェンジ・カメラを着用し、
それをネット配信する電波少年的な生活を送ることになります。
人権侵害甚だしい業務ですが妄信する彼女は自主的に受けており、
自分の私生活を何百万人の視聴者に見てもらえるのも嬉しいようです。
自己顕示欲が強い、YouTuber気質の人なんでしょうね。
いや、さすがにYouTuberでも24時間ライブ配信はキツイだろうし、
ここまでくると最早ちょっと変態なのかもしれません。
しかし彼女と接する人の中には勝手にライブ配信されたくない人もおり、
彼女を同社に誘ったアリーも彼女を避けるようになります。
一緒に食事に行っても会話がネット配信されてると思うと嫌だしね。
彼女の両親も協力してくれ、実家にカメラを設置させてくれていましたが、
寝室にまで設置され、夫婦の夜の営みがライブ配信されてしまい…。
視聴者からは「MS患者もセックスするのか」なんてコメントが投稿され、
それを機に両親も協力を拒否し、娘と疎遠になるのです。
人と繋がるためのSNSが逆に人を遠ざける皮肉な状況です。
それにしても24時間撮られてるメイですが寝起きでも美人ですね。
さすがは『美女と野獣』の美女エマ・ワトソンだな。

CEOベイリーは自社SNSの登録者を増やすために、
議員に働きかけ、投票をSNS上から出来るサービスを発表します。
それは実現したらちょっと便利かもしれないと思いましたが、
SNSのアカウントが社会保障番号と同等になるということで、
マイナンバーを民間企業に管理されるなんてやっぱり気持ち悪いかな。
メイはそれでは甘いと、税金のように投票も義務化することを提案します。
全国民が投票も納税もSNSを通じて行うように法制化することで、
登録者を100%にすることが出来ると考えるのです。
実現すればやはり便利だろうけど、ちょっと無理がありますね。
SNS使わないどころか端末も持ってない国民もいるだろうし。
でも同社のSNSは現時点で83%の普及率らしく…。
あのLINEでも日本で5割の普及率に留まってるので無茶苦茶なSNSです。
友達アリーは「それは政府がやることだ」と反論しますが、
ベイリーは乗り気で「インフラを持つ我々がやるのが合理的だ」と発言。
この後アリーは退社したみたいです。

メイは社内集会「ドリームフライデー」で壇上にあがりスピーチすることに。
登録拒否する国民に対する対抗策「ソウルサーチ」をプレゼンします。
これは登録に非協力的な人物の情報を入力すると、
全世界10億人の登録者に情報が送られ、見つけた登録者が
画像や動画をネットにアップして居場所を特定するというサービスです。
要はSNSを使った指名手配なわけですが、まず脱獄犯で試してみると、
全世界の登録者からどんどん画像が投稿され、顔認証で解析し、
なんと10分未満で発見、捕獲に成功します。
実際は登録者がそんなに協力的とは考え難いですよね。
私だったらそんな情報は通知拒否すると思うけど、
高額な懸賞金でも付いているのか?

脱獄犯逮捕に満足げなメイですが、上から「次は一般人で試せ」と指示が。
彼女が聴衆(同僚)に探してほしい一般人のリクエストを募ると、
「鹿殺しのマーサーで試せ」という声が多数あり…。
一度迷惑を掛けた幼馴染をまた巻き込むことに躊躇する彼女ですが、
押し切ることができずマーサーで試すことを承諾します。
登録者によって地元の仕事場にいた彼はすぐに発見されますが、
その登録者たちは彼を捕まえようと仕事場に押し入り、その様子を実況。
驚いたマーサーはクルマに飛び乗って逃げ出しますが、
実況する登録者たちも車で追跡し、カーチェイスさながらに。
まるでダイアナ妃を追うパパラッチのようですが、案の定事故に発展し、
自分を追う登録者のドローンに視界を遮られたマーサーは運転を誤り、
ガードレールを破って橋から谷底に転落して死んでしまうのです。
あまりにも酷い話ですが、さすがのメイも絶叫し意識を失います。
こんなもの事故じゃなくて殺人だと思うが誰も責任は問われないのか?
少なくとも追い回した登録者は逮捕されて然るべきです。

その後、実家で三日間寝込んでいたメイですが、CEOベイリーに呼ばれ
止める両親に「サークル社は悪くない、ツールに改善が必要」と言って出社。
間接的に幼馴染を殺しておいて反省してないのかと憤りました。
ベイリーも遺族のために基金を作っただけで全く反省しておらず、
クルマにもSNSを搭載して事故を防げるシステムを開発しようとしています。
この悲劇まで商機に変えようというのだから図太いですね。
更に「心が病んだ若者のSNSで救える」的な発言もしており、
まるでマーサーが心の病気だったかのような言い種で腹立たしいです。
しかしメイは同意し、ドリームフライデーに壇上することを直訴し、
再びライブ配信カメラを身に着け、ステージに上がります。
そしてマーサーの事故について「疎遠が原因だった」と釈明。
疎遠だったから探すことになり、その結果事故になった、という論理で
「SNSで繋がっていれば疎遠にならなかった」とSNSの必要性を強調します。
なんだこのクソ女は、とムカムカしました。
映画の登場人物に対してこれほど憤りを覚えることも珍しいです。

しかし、実はそれはCEOベイリーを懐柔するための出まかせで、
メイに賛同して壇上してきた彼に対し、「オープン性は重要ですよね」と問い、
賛同する彼に「ではトップがお手本を見せてください」と、
自分のような24時間ライブ配信生活を提案するのです。
聴衆も喝采し、ベイリーも当然拒否することは出来ない状況です。
さらに「さっそく全てをオープンにする」と、彼の機密メールや隠し口座を公開。
メイの作戦に乗った創設者ラフィート氏がデータを提供してくれたようです。
他人にはオープン性を強要しながら、自分はオープンに出来ないことをしており、
汚職や裏取引、違法行為もかなりやっているみたいですね。
そうでもしないと、こんな大企業には出来ないでしょうからね。
諸悪の根源であるベイリーに一杯食わせて一件落着、
…なのでしょうが、結局はオープン化で隠れていた犯罪を暴いたわけで、
このSNS自体が完全に否定されるオチではないところが少し引っかかるかな。
メイも(自主的か不明だが)その後もライブ配信され続けているようだし…。

SNSを利用するということはプライバシーを企業に提供することだ、
という警鐘を鳴らしている本作ですが、事実SNSは個人情報を収集し、
それで商売していることは疑う余地ないと思います。
あなたがLINEで恋人や友達に送った内緒話や恥ずかしい写真は
LINEを運営する韓国企業内部で閲覧可能なのは間違いないです。
それで何か問題が起こると考えるのは自意識過剰すぎるが、
個人情報が収集されているということは意識して利用するべきでしょうね。
まぁ本作はあくまで娯楽作品なので、そこまで本気で警鐘は鳴らしてないし、
本作のようなことは技術的に可能でも実現性は低いでしょう。
でもひとつの仮定としてなかなか興味深い作品でした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1880-6831b048
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad